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ダンサー・荒悠平 氏と「大いなる不満」を語り合う夜|Bungakuサロン in 泊まれる古本屋山猫堂(岩手県陸前高田市)

『僕らの知っているユニークさ、シニカルさとは違う』

ダンサーの荒悠平 氏は、セス・フリードの「大いなる不満」についてそう語った。おかしなことが書かれているのに、淡々と語られる。その奇妙さが、本作を読んだ人々だけでなく、同氏による本作に対する考察を聴いていた人々に伝わっていく。そんな空気が感じられた。

2026年2月15日。岩手県陸前高田市の泊まれる古本屋山猫堂で、2026年初となると「Bungakuサロン」が開催された。本イベントは、読者目線で一つの作品を深堀りするイベントであり、今回はゲストが選んだ一冊について語り合う時間となっている。

ゲストは、ダンサーの荒悠平 氏だ。泊まれる古本屋山猫堂が主催しているアーティスト・イン・レジデンス「モグAIR」に参加するアーテイストとして、陸前高田市に滞在している。過去、二度同店でダンスを披露した経緯がある。

選ばれた一冊は、前述の通りセス・フリードによる「大いなる不満」だ。アメリカの若手作家による短編小説集であり、奇妙ながらどこか理解できてしまう、そんな読み応えのある作品が数多く編纂されている。なお、本作については、先日読者記録を公開している。

今回のnoteでは、そんな「Bungakuサロン」について、簡単にではあるが記録を書こうと思う。


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セス・フリード「大いなる不満」の世界とダンスについて知る|Bungakuサロン in 泊まれる古本屋山猫堂

泊まれる古本屋山猫堂で行われた2026年初の「Bungakuサロン」は、食べ物や飲み物を置いたテーブルを囲み、和やかに開始された。

「Bungakuサロン」in 泊まれる古本屋山猫堂

冒頭、荒悠平 氏と泊まれる古本屋山猫堂スタッフ・木津谷 氏から、セス・フリードの「大いなる不満」、その中に収められた「ロウカ発見」についての紹介が行われる。

『冒頭からおかしいんですよね』

荒悠平 氏は、「ロウカ発見」についてそう触れ、同作の奇妙な点や面白いと感じる点について語った。木津谷 氏もそれに続き、参加者は未読でも「ロウカ発見」がどのような物語で、いかなる魅力を持っているのかを知られた。

『自分にもそういうところがあるかもしれない。おかしい話だけど、読んでいるとそんな気持ちを抱く』

筆者は、予め読んでいたが、その点については思い至っていなかったため、ハッとさせられた。「Bungakuサロン」で、自分以外の読者の感想に触れなければ、そうした気付きを得られなかっただろう。

先日参加した読書会のときも感じたけれども、やはり自分の目線で本を読んで得られる感想や思考は、自分の中からしか出て来ないだけに、どうしても狭くなってしまうし、抜け漏れ欠けが生じる。

「Bungakuサロン」では、未知の作品を知られるだけでなく、それを読んだ人、テーマとして設定した運営側から、自分だけでは得られなかった気付きを得られる。この点は、とても貴重な点に感じられる。

『何が良いか一回で分からないものが良いのかも。面白さを考えていくのが面白い』

荒悠平 氏は、「ロウカ発見」のみならず、自身が惹かれてきた作品について、惹かれてきた理由をそう考察する。なぜ面白いかを考えられる作品は、それだけ作品や作者、自身との対話を要する作品であるように感じられる。

そうした手触り感のある相対ができるのは、人の想いや考えが込められている本や映画といった作品だからこそなのかもしれない。ふとそんなことを感じ、改めて作品との向き合い方について示唆を得られた想いがした。

「ロウカ発見」に関する話に一区切りがついた頃、今回他にも候補があったことが知らされ、3冊の本が紹介された。中井久夫「世に棲む患者」、長島有「ルーティーンズ」、オカヤイヅミ「ものするひと」の3冊だ。

選書候補

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「Bungakuサロン」は、その後、「ロウカ発見」そして「大いなる不満」の他作品に話が広がり、ダンサーであり会社員でもある荒悠平 氏に対する質問などを経て、ダンスや戯曲、表現といったクリエイティブな話へと広がった。

それは本だけがBungakuというわけではないといった感覚を呼び起こすような時間で、新鮮な刺激と知の享楽をたっぷりと味わえる満足感が得られた。一冊の本を通じて、作者や表現、アートなど多岐にわたる話を交わせる喜びを知られる時間であったように思う。

2月21日には、荒悠平 氏による「モグAIR」の発表がある。詳細は泊まれる古本屋山猫堂のInstagramにて続報があるので、ぜひフォローして確認して欲しい。また、荒悠平 氏はPodcastも展開しているため、こちらもフォローして楽しんで欲しい。


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