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戦争や被災などについて声を上げるために地域で語り合う|「あたりまえの反戦」ーーmujoh motel in 泊まれる古本屋山猫堂(岩手県陸前高田市)

『弱いが集まって喋った方がいいっていうのが、せめてもの抵抗だと思っていて、独りでニュースを見たりしてると難しそうすぎて喋る気がなくなったり、力がでかすぎて嫌になっちゃうことが本当に多い気がして、だから集まってそういう気持ちを持っている人がいっぱいいるって思わないとすぐに負けちゃう感じがする』

2026年4月26日に、岩手県陸前高田市の泊まれる古本屋山猫堂でmujoh motel(ムジョーモーテル)ーー答えのない問いについて語り合う対話型イベントが開催された。

画家であり作家であり、一般社団法人NOOKにおいて災禍のあった場所を巡り人々の話を聴き、記録し、表現する活動している瀬尾夏美 氏をゲストに迎え、「あたりまえの反戦」をテーマに対話の場が設けられている。


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戦争、そして記憶継承の大切さについて話し合う|mujoh motel(ムジョーモーテル)ーー「あたりまえの反戦」in 泊まれる古本屋山猫堂(岩手県陸前高田市)

2026年4月26日に泊まれる古本屋山猫堂で開催されたmujoh motel(ムジョーモーテル)ーー「あたりまえの反戦」は、瀬尾夏美 氏の紹介から始まり、同氏の著作「声の地層」にも収録されている戦争を経験した世代から聴いた話や戦時中の女性の扱われ方などについて語られた。

その後、戦争を経験している瀬尾夏美 氏の親族、その親族の生活にまつわる話を通じて、戦争を経験した世代特有の在り方、生活様式に関する話ーー物を捨てることへの恐怖などーーが行われ、会場に納得の声や驚きの反応などが見られている。

また、ロシアとウクライナによる戦争が始まった頃から、戦時中を生きた人々から伺える話の内容に変化が見られた点について話された後、岩手県内に戦争に関する資料館などが多いことについて話が及んだ。とりわけ中尊寺近くにある資料館や北上市の文学館について、詳細に語られている。

mujoh motel(ムジョーモーテル)ーー「あたりまえの反戦」はなぜ開催されたのか

瀬尾夏美 氏が一通り話した後、山猫堂の木津谷 氏から、今回のmujoh motel(ムジョーモーテル)ーー「あたりまえの反戦」が企画された背景が説明された。

『山猫堂ができる時からずっと話してたことで、ここで本屋をやるっていう時とか、イベントをやる時にどんな場を作りたいかっていう時に、考える仲間を創りたいっていうのが一つの目標としてずっとあったんですよ。

その考える仲間っていうのは、社会に対してだったりーー世の中すごい複雑で、今もいろんな問題があるけど、3 年前もいろんな問題がずっとあって、それについて思考できる、一緒に考えられる種を持ってる人がたくさんいるから、その種まきをするのと、そういう種をちょっとずつ育てていって、考えられる仲間を増やすにはどうしたらいいだろうっていうのをずっと考えながら山猫堂をやっていました。

特にここ数ヶ月は、戦争みたいなものがリアルに起こって、身近に信じられないニュースがあまりにも多すぎて、それがリアルに感じられるようになってきた時に、どういう風に発信したりとか、声を上げてったらというのをほぼ毎日ぐらいニュースを聞いては話して、ニュースを聞いては話してみたいなことを繰り返していた最近があって、その中で今回瀬尾さんがゲストで話すなら、今の私たちとしてもこのテーマしかないなっていう風に思った』

その後、山猫堂の越戸 氏が自身の親族と戦争の関わりについて語り、瀬尾夏美 氏が東京都内の団地で出会った人々から伺った戦争の話を続ける。戦争とは直接関係していない世代にとっても、実は身近なところに戦争との接点が、それも決して小さくない部分で関係し、存在している事実が会場に伝えられるかのような話が続いていた。

『俺みたいに 40歳とかの世代。瀬尾さんとか、あのとき若くして飛び込んできた世代っていうのが、複雑だったり、人の死が絡んでいて解きほぐせない状態で社会の再構築みたいな。

それが続いていくっていうことに対して、ちょっと無自覚すぎたんじゃないかなっていう感覚を俺は持っていて、ある種の震災的な、悲劇的なストーリーであったりだとか。人が頑張って立ち上がる姿みたいなこととか。

そこに飛び込んでくる若者みたいなストーリーみたいないうのがあるんだけど、単純化しすぎていて、そういう複雑なことに向き合わなすぎて、それが俺は今の状態とリンクしていて。

今社会情勢が不安定な時とかに同世代があんまり声を上げないとか、自分の立場みたいなこととかで声を上げづらいみたいなこととかっていうのを空気感としてすごい感じていて、そこに自覚的にいなきゃって思っちゃって。

だから、震災があって、その後いろんな議論が湧き起こった場所だからこそ、その時に見えた政治の構造だったりとか、それを見てきた人たちこそ、本当は声を上げられるんじゃないかみたいな感覚があったりする』

加えて、越戸 氏が東日本大震災から続く経験をリンクさせ、課題感について話し、木津谷 氏が頷く。

『よく皆が持ってる考え方であると思うのは、戦争は結構遠いことで、震災は近いことかもしれないみたいな考えだと思うけども、実は全部繋がっているわけじゃないですか。政治の話と生活の話とで、震災の後の復興の話も政治と結びついていてっていうその繋がりを感じられてる人の母数がすごい少ないんじゃないかなって』

その話を踏まえて、瀬尾 氏が記憶継承というのが日本特有の行為であることについて触れた。韓国や台湾など海外において記憶継承について話すと、それは何かと問われることが多かったようだ。

また、記憶継承が一つの抑止効果をもたらすことについて瀬尾 氏は語る。原爆についての記憶継承を行うことで、末端(現場)にいる人々がどうなるかが伝えられ、それが上(政府など)に対する民衆の行動を誘発することで抑止的な言動が生じる。それは、記憶が確かに継承されることで生まれるためだ。

ここでトークセッションは一区切りとなり、会場を訪れた参加者との対話時間に移行した。対話時間では、ここまでの話に関する話だけではなく、岩手県陸前高田市に隣接する宮城県気仙沼市の市長選挙・市議会議員選挙の話や参加者自身の体験談、書店・汽水空港の取り組みなどがざっくばらんに語られた。

その中では、平和教育に関する話や戦時中に日本軍が行った行為に関する歴史教育が少ない話、東京都において戦死者に関する資料が欠けている点など、後世に対する戦争にまつわる記憶の継承の課題も話し合われている。そして最後に、能登支援ボランティアに行くのを躊躇う学生が多い例を挙げて話されたのが冒頭の話である。

『弱いが集まって喋った方がいいっていうのが、せめてもの抵抗だと思っていて、独りでニュースを見たりしてると難しそうすぎて喋る気がなくなったり、力がでかすぎて嫌になっちゃうことが本当に多い気がして、だから集まってそういう気持ちを持っている人がいっぱいいるって思わないとすぐに負けちゃう感じがする』

泊まれる古本屋山猫堂で行われたmujoh motel(ムジョーモーテル)は、こうして幕引きとなった。本イベントは、答えのない問いについて語り合う対話型イベントである。それは、独りだと話すことさえ嫌になる厳しい現実の中で、それでも一人一人が自身の気持ちを社会に対して出せるようにする地域コミュニティの新たな形なのかもしれない。そんなことを想った。

なお、泊まれる古本屋山猫堂では、独自に声を上げていきたいとしている。今後の取り組みに注目して欲しい。

この場所から、あたりまえに反戦の声をあげたい。
これからはいくつかの具体的な市民運動につなげる。
陸前高田でのデモを計画している。被災地と呼ばれるここでみんなと立ちたい。
市議会への請願もする。地方議会と地方政治に自分ごとになってもらう。
戦争の記憶をみんなで読む場も継続的に開く。

すべて抑止力として。弱さとちっぽけさの連帯は強い。

泊まれる古本屋山猫堂:Instagram
泊まれる古本屋山猫堂:mujoh motel(ムジョーモーテル)ーー「あたりまえの反戦」

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