ビジネスとは妥協が許されない厳しいもの #224
組織を運営していると、時々考えることがあります。
“ビジネスに優しさは必要なのだろうか。”
仕事は結果が求められる世界です。
効率や合理性が優先され、時には厳しい判断も必要になります。
そのため、「優しさ」はビジネスには不要だという考え方もあります。
むしろ厳しさこそが組織を強くすると言われることもあります。
しかし、実際に組織を動かしているのは人です。
人と人が関わる以上、優しさや配慮のない組織が長くうまくいくとは思えません。
だから私は、ビジネスにも優しさは必要だと考えています。
■ 組織における優しさとは何か
では、組織における優しさとは何でしょうか。
それは特別なことではありません。
・相手の話をきちんと聞く
・立場の違いを理解しようとする
・感情ではなく建設的に議論する
こうした姿勢は、組織の信頼関係をつくります。
信頼がある組織では、意見の違いがあっても対話ができます。
問題が起きても、隠さず共有することができます。
結果として、組織は強くなります。
つまり優しさとは、単なる感情ではなく
組織の信頼を支える土台なのだと思います。
■ 謙虚さは優しさの裏側にある力
優しさを語るとき、しばしば混同されるのが“謙虚さ”という概念です。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉が示すように、
真に価値ある人ほど周囲を尊重し、謙虚に振る舞うことが組織には必要です。
謙虚さは、ただ相手に合わせることではありません。
自分の立場や能力を客観的に評価し、他者の立場や考え方を理解しようとする力でもあります。
これは、社内の優しさが「妥協」にならないための重要な土台です。
謙虚であるからこそ、必要な改善点を指摘し、組織の基準を守ることができるのです。
■ しかし優しさは、ときに妥協になる
ただし、ここには注意しなければならないことがあります。
優しさが一歩間違えると、妥協に変わってしまうことです。
例えば、
・問題を指摘しない
・改善を求めない
・判断を曖昧にする
こうした対応は、一見すると相手に優しいように見えます。
しかし実際には、組織の基準を下げてしまいます。
その結果、
・仕事の質が下がる
・責任の所在が曖昧になる
・組織の緊張感が失われる
組織は少しずつ弱くなっていきます。
それは優しさではありません。
組織に対する妥協です。
■ 優しさと甘さは違う
組織にとって本当に必要なのは、
優しさと甘さを区別することだと思います。
優しさとは、相手を尊重することです。
しかし同時に、必要なことはきちんと伝える姿勢でもあります。
問題があれば指摘する。
改善が必要なら求める。
組織の基準は守る。
そこは、決して妥協してはなりません。
その上で相手を尊重する。
それが本来の優しさではないでしょうか。
一方で、衝突を避けるために問題を見過ごすことは、
優しさではなく甘さです。
■ 経営者の役割
組織の文化は、自然にはできません。
多くの場合、経営者の姿勢によって形づくられていきます。
優しさを大切にするのか。
それとも曖昧さを許すのか。
その違いは、時間が経つほど組織の質に表れます。
だからこそ経営者には、
・人を尊重する姿勢
・組織の基準を守る意思
・必要なときに厳しい判断をする責任
この三つが求められるのだと思います。
優しさは必要です。
しかし、それが妥協に変わってしまってはいけません。
組織を守るとは、
人を尊重しながらも、組織の基準を守り続ける
ことなのだと思います。
