自己開示し合うことで組織は強くなる「ジョハリの窓」 #30
■ 完璧な人間は、存在するのか
人は、一人でできることに限界があります。
だからこそ、同じ目的を持つ仲間と組織をつくります。
しかし、ここで一つ根本的な問いがあります。
完璧な人間は、存在するのか?
答えはシンプルで、存在しません。
誰にだって苦手なことがあり、弱さがあります。
そして——
完璧な人間がいないからこそ、組織には意味がある。
一人では足りないものを、
他者と補い合うために組織は存在しています。
■ 必要なのは「ホールネス(全体性)」
しかし、現実は、うまく補い合うのは簡単ではありません。
同じ目的を持っていても、
人格も価値観も違う以上、考え方はバラバラになります。
そのズレを放置すると、
セクショナリズムやエゴイズムが生まれ、
組織は機能しなくなります。
対して、良い組織には共通点があります。
それは、
ありのままの自分でいられる状態があること。
役割としての仮面ではなく、
一人の人間として関われているか。
互いがホールネス(全体性)を意識して、その一部だと認識できているかです。
■ その第一歩が「自己開示」
では、どうすればその状態に近づくのか。
答えはシンプルです。
自己開示 です。
つまり、「自分がどんな人間か」を伝えることです。
それは、「7つの習慣」にある「インサイド・アウト」の考え方にも通じるかと思います。
「インサイド・アウト」とは、「外部環境(アウトサイド)を変えたいのであるならば、まずは自分自身(インサイド)から変えることが前提」となる考え方です。
まず、誰でもない自分自身から自己開示する姿勢が大切になります。

■ 弱さを開ける人が、信頼をつくる
ここで重要なのは、
完璧な人間などはいないことを受け入れ、
完璧な自分を見せる必要はないということを自覚することです。
下手に完璧を装う繕ことは、むしろ逆です。
自分の弱さを理解し、それをオープンにできる人ほど信頼されるのです。
なぜなら、そこには、
自己理解と経験に裏打ちされた“軸”があるからと理解すべきです。

■ 短所は「補い合い」と「シナジー」に変わる
完璧な人間はいない。
でも同時に——
誰にでも得意なことがある。
だからこそ、
互いの弱みと強みを知ることに意味があります。
・弱みは、誰かが補う
・強みは、誰かに活かされる
この関係が生まれたとき、
組織は単なる補完関係を超えます。
相互作用によって、新しい価値(シナジー)が生まれる。
■ ジョハリの窓
コミュニケーションの状態を可視化させた「ジョハリの窓」と呼ばれるものがあります。
自分自身に対して、横軸は、「自分は分かっている」、「自分はわかっていない」、縦軸は、「他人が分かっている」、「他人は分かっていない」で4つの窓(フレーム)に分割したものです。
①開放の窓
自分も、他人も分かっている自分です。
②盲点の窓
他人は分かっていますが、自分は分かっていない自分です。
③秘密の窓
自分は分かっていますが、他人は分かっていない自分です。
④未知の窓
自分にも、そして他人にも分かっていない未知あるいは潜在的な可能性の自分です。

■ 「開放の窓」を広げるということ
自己開示とは、ジョハリの窓で言えば、
この状態は「開放の窓」が広がっている状態です。
自己開示とフィードバックによって、
互いの理解が深まり、信頼が積み上がっていく。
ただし前提があります。
それは、
人は、安全でない場所では自分を開けません。
だから組織には、
・否定されない安心感
・違いを受け入れる文化
が必要です。
そしてもう一つ。
自己開示は、
エゴの押し付けではありません。

■ 組織であることの意義を考える
組織を強くするのは、
誰か一人の優秀さではありません。
不完全な人間同士が、どれだけ開けるか。
そして——
互いを理解し、補い合い、シナジーを生み出せるか。
そこに、組織の本当の価値であり意義があります。
