私なりの小説の書き方と考えていること
はじめに
この記事について
今、私が取り組んでいる一連のファンタジー小説群について、どんなアプローチで創作を進めているか、まとめてみます。
『私が小説を書くときにやっていること』という企画を知り、この機会に自身の小説の書き方に関して振り返ってみたいと思ったことがきっかけです。
大橋ちよ様、素敵な企画をありがとうございます。
ただ、私の作品群に関しては、特にマインド面でかなり特殊かと思うので、そんなアプローチもあるんだ、くらいに生温く読んでいただければ幸いです。
前提の話
私の本職はプログラマーです。ゆえに、ちょっとエンジニアリング寄りの用語も出てきますが、この記事ではそこはあまり掘り下げませんので、ご了承ください。
業界に長くいると、どこまでが一般的な範囲で、どこからが専門的な領域なのかも分からなくなっております。気になった点はコメント頂けると助かります。
その他、私についてはプロフィールも覗いてみていただけると嬉しいです。
記事の構成
前半は手法(やっていること)について、後半はマインド(考えていること)について書いていきます。
文脈がブレると読みにくいかな…と思ったので、明確に分けました。
手法は淡々と「こうやっている」というのをまとめていきます。
これがベストとも思っていないのですが、特に不満もないので、ずっとこのアプローチですね。
そして、マインドに関しては、私の創作に関する考え方、想いについて触れます。扱っている作品の特性や、私の性格上、そこそこ特異なのではと思っております。
創作手法
資料作成
自身の備忘も兼ねて、資料(テキストベース)をまとめています。
検索性や保守性も考えると、マークダウン形式でgit管理するのが良いと思い、github上のプライベートリポジトリで管理しています。
その結果として、副次的に資料がAIと親和性の高いものになり、成果物を流用し、資料集として現在の情報サイトを構築する際にに大いに役立ちました。
資料の内容は、サイトにもある通り、「人物」の設定資料や、雑多な「用語集」、時系列での出来事をまとめた「年表」などです。
特に、歴史の不整合は矛盾を生んでしまうので、気を付けています。
ファイル管理
原則、一作品ごとにディレクトリを分け、その配下に一話毎のテキストファイルとして本文を置いています。ファイル名は連番で「001.txt」「002.txt」という感じですね。
章立てしている作品の場合はもう一階層、章のディレクトリを切っています。
執筆中のファイル名には先頭にアンダースコアをつけて「_005.txt」のようにしておきます。完成して公開したファイルからはこのアンダースコアを外すことで、どこまで公開したのかが分かりやすくなっています。
結末や先の話を書いておきたいとか、後述するメモ用途では、「_999.txt」「_998.txt」のように大きな番号を振ってあります。
番号ファイル名はファイル名ソートしたときに順番が分かるのが良い点ですね。
また、バージョン管理をしているので、変更差分のあるファイルを検知でき、どのファイルを変更したかがパッと一覧で分かるのも助かっています。
執筆手順
まず、そのエピソード(一話分)で書くことの断片を洗い出し、箇条書きにして骨格をつくります。
シーンの区切りには「◇」を、書きかけの断片の区切りには「--」を入れています。
前者は公開時にもそのまま残りますが、後者は執筆中に消えていきます。
「--」の区切りが残っている部分は、きちんと文章が繋がっていない状態なので、修正が必要と判断できてちょっと便利。いわば、TODO的な用途ですね。
一話に収まらない部分や、切り離して後続で語りたいエピソードなどは、仮の番号を振って別ファイルにしたり、専用のメモファイルにストックしておきます。
そして、のちほど順次メモから取り出して一話に仕立てていきます。
大枠の結末が決まっているので、荒く書き出したのち、肉付けをして完成させるイメージです。
NotebookLMの活用
私は頻繁に設定を忘れます。
例えば、キャラAがキャラBを呼ぶときになんて呼んでいたっけ?とか。
そのため、本文丸ごとNotebookLMに突っ込んで、調べ物に使っています。
基本的には公開済みのエピソードを随時追加する運用。書きかけの状態は変更される可能性もあり、ノイズになってしまうので。
NotebookLM にアップしておけば、Gemini のソースに指定することも出来るのも便利。作中の情報に閉じた調べ物はNotebookLM上で行い、壁打ちとか深堀りはGeminiを使っています。
創作に対するマインド
モチベーション
現在執筆中の作品群については、元々、構想自体は古くからあったものです。
詳細はこちらの記事にもまとめています。
その時点で、世界観の基礎がすでに出来ていて、結末もある程度考えていました。
現在進行中の、本編第七部は、その頃に原型を書いたものを加筆し公開しています。
根底にあるモチベーションとしては、自身で生み出したこの世界の物語を完結させたい、というのが第一にありますね。親が子の巣立ちを見届けたいという感情に似ているのかもしれません。
なお、この作品群を完結させたのちのことはまだ考えていません。
が、心機一転、SFやサイバーパンク的な作品を書きたい気持ちは常にあります。
出来事ベース指向
私の作品群の主体はキャラではありません。
世界観、舞台が先にありき、そこに歴史があり、国家があり、生活があり、それをなぞっていく上にキャラが乗っています。
そのため、各作品ごとに時代背景と、結末まで含めた出来事は決まっています。
キャラが勝手に動き出す、という表現をよく目にしますが、私はどちらかというと、世界が動くのでキャラが否応なしに引っ張られる、という感覚で書いていますね。
多角的視点
私は、単一方向からの視点に強く捉われてしまうことが嫌なので、なるべく多くの方向からの多角的な視点で物事を描きたいと考えています。
そのために、本編とは別に、世界観の補完的に番外編を書き、その中で異なるキャラに別方向から事象を観測させたりしています。
これは、私自身、様々な気付きがあるので、書いていても楽しいですね。
なので、本編が完結したとしても、後追いで番外編を書き続けるかもしれません。
主張や明確なテーマはない
私は、自身の思想を誰かに押し付けるのは好きではないので、なるべく主張せず、ひとつのテーマに拘泥しないことを意識しています。
なので、どちらかというと、読む側が自由に受け取ってください、というスタイル。
もちろん、作中のキャラには個性があり、個々の主張はあります。が、それは必ずしも作者の主張を代弁したものでもないです。
どちかというと、結論よりも、問いかけでありたい。そんなイメージで作品を書いています。
メタな要素への想い
私は、虚構世界が単に虚構の中で閉じる必要もないと思っています。
私が衝撃を受けた作品に、『朝のガスパール』があります。
ネタバレになってしまうので多くは語りませんが、虚構の壁の崩壊を感じさせる、あまりに斬新すぎる手法に驚愕しました。
『世界でいちばん透きとおった物語』もまた、作中の枠に閉じない技巧に驚かされた作品です。
作品が作品の中に閉じない。現実と地続きになっている。そんなメタな要素に憧れ、拙いながら私も自作にそんな要素を盛り込んだりしています。
虚構だからこそできる遊び心を大切にしたい。そんな私なりのこだわりですね。
作品を通した学び
私は自身の作品を書きながら、自身が学び、成長しているということに最近改めて気が付きました。
書こうとして筆が進まない時、理由は多々ありますが、実は多くが自身の知識の足りなさにあったと痛感しています。
なので、書きながら学ぶ。自身の知識や思考を深める。これが私のモチベーションにもなっています。
AIは、多くの場合、この知識の不足を学ぶ補助用途で活用しています。
◇
以上となります、ここまで、取り留めのない話にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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