ChatGPT情報漏洩対策|個人でもできる3分設定


こんにちは、ITとAIの相談役・わたぬきです。ふだんはココナラで、「AIやITのこと、誰に聞けばいいか分からない」というご相談を個別にお受けしています。

「ChatGPTは便利そうだけど、取引先の情報を貼って大丈夫なのか不安」——個人事業主やフリーランスの方から、こういったご相談をよくいただきます。この記事では、IT部門がいない一人・小規模の事業者さんでも今日から真似できる、3分程度の安全設定と、取引先情報の言い換え方をセットでご紹介します。

ChatGPTは、正しく使えば怖くない

理想を先に言ってしまうと、ChatGPTは「使うかどうか」で悩む必要はありません。設定を一度見直すことと、貼る前にひと手間置く習慣さえあれば、個人事業主・フリーランスの方でも十分に安心して使えるようになります。

難しい知識や、専門のツールは要りません。この記事を読み終える頃には、「これなら自分にもできそうだ」と思っていただけるはずです。

なぜ「なんとなく不安」で止まってしまうのか

多くの方は、ChatGPTの使い方が分からないのではなく、「取引先の情報を貼って、それがどこかに漏れないか」が分からないから使えない、という状態にあります。

社内にIT担当者がいる会社であれば、ガイドラインを作って配ってもらえます。ですが一人・少人数で事業をされている方には、そもそも相談できる相手がいません。結果として、「よく分からないものは、念のため触らない」という選択になりがちです。

この不安をよく分解してみると、「操作が難しい」という不安ではなく、「うっかり大事な情報を書いてしまうかもしれない」という、自分の注意力だけに頼らざるを得ない状態への不安であることが多いです。つまり、覚えることが多いから不安なのではなく、頼れる仕組みがないから不安なのです。だとすれば、必要なのは知識の量ではなく、「うっかり」を減らす仕組みを先に作っておくことです。

これは決して臆病なのではなく、大切な取引先の情報を預かる立場として、むしろ正しい慎重さだと私は思います。

実際のところ、何にどう気をつければいいのか

まず事実として知っておいていただきたいのは、ChatGPTに入力した内容は、外部のサービスに送信される、ということです。

送信された内容が具体的にどう扱われるか(AIの学習に使われるかどうか等)は、利用規約や設定によって変わり、また時期によって仕様が変わることがあるため、この記事で断定はしません。現時点でのルールは、必ず公式の案内でご確認ください。

大事なのは「絶対に安全な使い方」を探すことではなく、「万が一のときに困る情報は、そもそも生の形では入力しない」という考え方に切り替えることです。ここから先は、その具体的なやり方をご紹介します。

手順1: データを学習に使わない設定を確認する

ChatGPTの設定のなかには、あなたとの会話をAIの改善・学習に使うかどうかを選べる項目があります。多くの場合、設定画面のなかの「データ管理」に関する項目から確認できます(出典: OpenAI Help Center「モデルのパフォーマンスを向上させるためのデータの使用方法」)。

画面の文言やメニューの場所は、アップデートで変わることがあります。見当たらない場合は、設定のメニュー内をひととおり探してみてください。分からないときは、公式のヘルプページで最新の案内を確認するのが確実です。

この設定をオンにしておく(学習に使わない側を選ぶ)ことで、情報が意図せず広がっていくリスクを下げられます。ただし、これで「何を貼っても大丈夫」になるわけではない、という点は覚えておいてください。

手順2: 一時的な会話モードを使い分ける

ChatGPTには、履歴として残らない一時的な会話ができるモードが用意されていることがあります(「一時チャット」のような呼び方をされることが多いです)。この一時的なモードでの会話は、モデルの学習には使われない仕組みになっています(出典: OpenAI Help Center「Temporary Chat FAQ」)。

取引先の固有名詞や金額など、少しでも気になる内容を含む相談をするときは、この一時的なモードを選ぶ、という使い分けが安心につながります。呼び方や場所はここでも変わる可能性があるため、設定・新規チャットまわりのメニューを一度触って確認しておくと良いでしょう。

使い分けの目安はシンプルです。固有名詞や金額など「これは書いてもいいのかな」と一瞬でも迷う内容が含まれる相談は一時的なモードへ、一般的な文章の作り方やアイデア出し・調べもののように誰が見ても問題ない内容は通常のモードで、と考えれば十分です。迷ったときは、一時的なモードを選んでおく——くらいの気持ちで構いません。

手順3: 取引先情報のNG例→OK言い換え一覧

設定を整えても、入力する文章そのものに取引先が特定できる情報が入っていれば、リスクはゼロにはなりません。ここが実務でいちばん効くポイントです。

貼る前に、次のように言い換える習慣をつけてみてください。

  • 取引先名:NG「株式会社◯◯商事」→ OK「A社/取引先1」

  • 個人名:NG「田中様、鈴木部長」→ OK「ご担当者様/Bさん」

  • 金額:NG「契約金額320万円」→ OK「金額A(数百万円台)」

  • 契約内容:NG「独占販売に関する第3条の条項」→ OK「契約の一部条件(詳細は伏せて要点のみ)」

やり方はシンプルで、固有名詞と具体的な数字を、意味が伝わる範囲でぼかすだけです。相談したい内容の「構造」さえ伝われば、ChatGPTは十分に力を発揮してくれます。


ちなみに、「うちの場合、この情報はどこまでぼかせばいいか」といった線引きの相談も、ココナラのわたぬきのページで個別にお受けしています(見積り・相談は無料です)。

手順4: それでも不安なときの、最後の一呼吸

設定と言い換えを済ませても、「これは貼っていいのかな」と迷う瞬間はあると思います。そのときのために、私からひとつだけルールをお伝えします。

貼るボタンを押す前に、一呼吸置いて読み返す。


「これがそのまま誰かに見られても困らない内容か」を自分に問いかけるだけで、ヒヤリとする貼り忘れの多くは防げます。完璧な仕組みより、この一呼吸の習慣のほうが、実務ではずっと頼りになります。

おまけ: 有料プランは個人にどこまで必要か

ChatGPTには無料版のほかに、有料のプランや、法人・チーム向けのプランも用意されています。現時点では、法人向けのプランほど情報の扱いに関する契約上の取り決めが明確にされている、とされていますが、プランごとの詳細な仕様は変わることがあるため、契約前に必ず公式の最新情報をご確認ください。

一人・小規模の事業者さんにとって、いきなり法人向けプランへの切り替えが必須というわけではありません。目安として、①扱う情報の機密性が上がってきた(複数の取引先の契約情報など重要な情報を日常的に扱うようになった)、②チームや外部スタッフと一緒にAIを使う機会が増えてきた、③契約上の取り決めを書面で残しておきたい、といった状況が出てきたタイミングで検討すれば十分です。逆に、一人で日々の相談ごとに使う分には、まずは今回ご紹介した無料でできる設定と言い換えの習慣だけで、十分に安心して使えるケースがほとんどです。

まとめ——不安を「習慣」で乗り越える

ChatGPTの情報漏洩対策は、難しい知識よりも、次の3つの習慣で大きくリスクを下げられます。

  • 設定のなかで、データを学習に使わない項目を確認しておく

  • 気になる相談は、一時的な会話モードを使う

  • 取引先名・個人名・金額・契約内容は、貼る前に言い換える


一つひとつは小さな行動ですが、積み重ねることで「なんとなく不安」から「安心して使える」に変わっていきます。まずは次にChatGPTを開いたときに、設定画面を一度のぞいてみることから始めてみてください。

なお、会議メモをChatGPTで議事録にする手順についてはこちらの別記事でご紹介しています。あわせて読んでいただくと、日々の業務での取引先情報の扱い方がより具体的にイメージしやすくなると思います。


☁️ わたぬきに直接相談してみる

ここまで読んで「うちの場合、何をどこまで気をつければいいんだろう?」と思った方へ。その"あなたの場合"を一緒に考えるのが、私の本業です。

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AIに書類を読ませるときの線引きについては、こちらの記事で詳しく書いています。




参考にした情報


※ ChatGPTの仕様・設定画面は変更されることがあります。投稿前に必ず上記リンク先の最新情報を確認してください。

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