変革期に立つウェルスナビの「現在地」―事業戦略と求められる思考とは(前編)
こんにちは。ウェルスナビ採用note編集部です。
ウェルスナビは「働く世代に豊かさを」というミッションのもと、日本の働く世代の豊かな老後に向けた資産形成をサポートする会社です。2025年3月に三菱UFJ銀行の完全子会社となり、同年5月には三菱UFJ銀行と共同でデジタルバンクの立ち上げを目指すことを発表しました。
設立から10年目を迎えた我々は何を目指すのか。ウェルスナビの「いま」の事業戦略と課題について、取締役COOの須藤にインタビューした内容を公開します。

銀行、証券、リース、保険会社にて20年以上M&A、営業企画、マーケティング、事業開発などを経験。投資銀行でM&Aアドバイザーやプリンシパル投資業務に従事した後、スタートアップでのマネジメントや、GEにて事業開発、デジタルマーケティングによる事業変革をリード。前職のメットライフ生命では営業企画統括部長を務め、事業成長のための中長期戦略立案と実行の責任者を担う。2022年よりウェルスナビに入社しアライアンス事業および全社の事業戦略の責任者を担う。2024年執行役員、2025年取締役COO就任。
ウェルスナビとは

ー ウェルスナビのミッションと事業内容について教えてください
ウェルスナビでは「働く世代に豊かさを」というミッションのもと、資産運用を全自動で提供するロボアドバイザー「ウェルスナビ」を中心に事業を展開しています。このサービスは、CEOの柴山が日米の金融環境の差を実感した経験をもとに「誰もが安心して使える金融サービスを日本で広めたい」という思いから生まれました。
「ウェルスナビ」は20~50代の方々を中心に支持を集め、ロボアドバイザー市場でNo.1(※1)の地位を確立しています。10年以上の利用意向を示してくださるお客様が60%(※2)となっており、長期でご利用いただくことが多いのも大きな特徴です。サービスリリースから9年で、預かり資産は1.5兆円(※3)、運用者数は44万人まで成長しました(※4)。10年後には、20兆円規模の事業成長を目指し、更なる顧客価値を追求していきます。
さらに、資産運用だけでなく、生命保険や金融教育などの新サービスを順次提供していき、お客様のお金の悩みに幅広く応える総合的なアドバイザリープラットフォーム「MAP(Money Advisory Platform)」の構築を進めています。

▼ ウェルスナビ創業ストーリー
▼ サービスサイト
一人一人のお金の悩みを解決する、プラットフォームへ

ー MAP構想について詳しくお聞かせください
MAP構想とは、ウェルスナビが掲げる成長戦略の1つで「お金の悩みを総合的に解決するアドバイザリープラットフォーム」のことを指します。働く世代が抱える将来のお金に関する不安、金融商品の選択や手続きの煩雑さといった多様な課題に対し、診断から具体的な商品・サービスのアドバイス・提案、実行サポートまでを、使いやすいシンプルなプロダクトを通じて提供していきます。
将来に向けたお金の計画がなくて何となく漠然とした不安を抱えている、お金の管理を包括的にできていない、いざNISAをやろうとしても金融商品の選択肢が多くて何をしたらよいかわからないし手続きが面倒、と感じている方も多いかと思います。
MAPでは、そんな課題を解決するために、自分のお金に関する状態が簡単に確認・理解できて、状態改善に向けて、簡単ですぐに金融商品を契約したり見直したり、資産を動かしたりできるような体験を作っていけるようにしたいと考えています。
MAP構想を実現するうえでは複数の金融商品それぞれが業法規制に基づいて分断されているなど様々な障壁がありますが、ロボアドバイザーで培った経験を活かし、「働く世代に豊かさを」というミッションを基に、これらの悩みを解決することを目指しています。

※画面はイメージです
ー 金融プラットフォーム構想を他社も掲げるなかで、ウェルスナビならではの強みや独自性はどういった部分にあるのでしょうか?
当社でこだわっているのは、徹底した顧客体験の追求とそれを実現するための体制やカルチャーです。
まず、顧客体験の追求においては、ウェルスナビは、日本社会において前例がないなかでロボアドバイザーの市場を築いてきました。そもそも自動で資産運用をするためには様々な法律的な制約がありましたが、制約を乗り越え、金融の知識がない方でも使いやすいシンプルな体験をしていただけるようなプロダクト開発をし続けています。
ロボアドバイザー事業はリリースから9年経った今も成長を続けており、この成長を支えているのは短期的な利益ではなくお客様目線でのプロダクトづくりを実行してきた結果だと考えています。
今でも新規プロダクト開発はもちろん、細かな機能の改修や、お客様のサポートにおいてもこの顧客視点は深く根付いています。金融という領域は知識のない方にとってはハードルも高く、難しい印象もあると思います。サービスとしても複雑で分かりづらい構造になりやすいからこそ、私たちはとにかく分かりやすくシンプルな顧客視点を重視したUI/UX設計や実装を心がけています。
ー 体制面での特徴はどういったところでしょうか?
お客様により良いものを届けていくための組織体制も創業期から重視してきました。弊社は現状、約240名程度(2025年6月末時点)の組織ですが、半数以上がエンジニア・デザイナーです。「ものづくりする金融機関」として、より柔軟にスピード感をもってお客様のニーズに応えられるよう自社内の少数精鋭のメンバーでのプロダクト開発を大切にしています。
プロダクトの企画・開発だけでなく、マーケティングや顧客対応のメンバーが一体となって企画の上流工程から一緒に動いていくことも特徴です。また、それを支える「伴走するコンプラ」を代表とするコーポレート機能も忘れてはならない重要なピースです。このように自律的なプロダクトサイクルを高いレベルとスピードで実現することがウェルスナビの事業成長を支えていると考えています。
新規事業開発を含めて、アマゾンCEOも提唱する「ピザ2枚ルール」の考え(ピザ2枚で食事ができる8~10名程度の人数で意思決定すること)に則り、少数精鋭で進めるからこそのスピード感を意識しています。実際に昨年リリースした保険サービスは構想から約半年でローンチを行いました。顧客視点を重視しながらも、スピード感を落とさない私たちの姿勢がこの結果につながったと思います。

何よりも「顧客視点」を重視したプロダクト開発

ー 顧客視点がかなり重視されているのですね
「お客様のためになるサービスか」という顧客視点を何よりも重視しています。自分たちの利益につながらないとしても、お客様のためになることを選ぶこともあります。会社全体にそのような意識が浸透しているのは、
「誠実に、正直に、お客様のために」
「助け合おう、向き合おう」
「一歩を重ねて、大きな前進を」
という3つのバリューを単なるスローガンやスタンスにとどめることなく、事業における意思決定や実際の行動で体現し続けることを常に意識しているからだと思います。
ー 具体的に、どのような事例がありますか
2024年5月にリリースされた保険サービスがその一例です。このサービスでは、お客様の家族構成やライフプランを丁寧に分析したうえで、あえて保険商品の提案は行わず、その分の資金を資産運用に回すことをおすすめするケースもあります。お客様一人ひとりの長期的な目線に立った結果、このように従来の金融サービスにはない価値提供につながることも多いですね。
▼ ウェルスナビ 保険サービスのプレスリリース
また、私たちは金融サービスを提供する企業として、お客様のセキュリティを最優先に考える義務があります。現在、証券会社などになりすましたメールから偽サイトに誘導し、IDやパスワードなどの情報を盗み出す「フィッシング詐欺」という手口による被害が急増したことから、各証券会社がセキュリティ強化に取り組んでいます。
当社では、これまでに口座の乗っ取りによる不正取引の被害は確認されていませんし、すでに、認証アプリを用いた多要素認証の導入(2018年8月)やログイン時の多要素認証の順次必須化(2025年6月~)などのセキュリティ強化を進めてきました。更にセキュリティを強化するために、スマートフォンなどの端末の所持情報と顔・指紋などの生体情報を組み合わせた多要素認証として「パスキー」の導入プロジェクトを最優先で進めています。
セキュリティの強化自体は、他の証券会社でも取り組んでいるところですが、当社としてこだわっているのは、お客様のセキュリティはもちろんのこと、使い勝手や利便性の向上です。このため、「パスキー」を最速で導入したうえで、お客様の体験の改善に取り組むことに振り切ることを決断し、全社を挙げて取り組んでいます。このように、お客様の体験を重視し、かつスピーディに取り組み、少しずつでも改善していくことで、セキュリティの面でも業界に先駆けた動きにつながるようにしていきたいと考えてます。
ー なぜ、そこまで顧客体験を重視するのでしょうか
私たちのプロダクトは「長期・積立・分散」の考え方に基づいて設計されており、お客様の人生に長い時間をかけて伴走するものです。だからこそ、短期的に使うだけでなく「ずっと信頼して使い続けたい」と感じていただける存在である必要があります。そのために私たちは常にお客様の声を聞き、サービスに反映させていくことを最も大切な使命のひとつと考えています。
例えば、 影響範囲が数人単位の障害でも、お客様の取引に影響を与える重大な障害発生時には、役員や責任者が即座に集まり議論を開始し、最善の方法を考え、対応します。 そういった万が一の事態に備え、経営陣をはじめとする各部門の責任者は毎日時間を確保し、常に準備を整えています。そして、お客様の不安を最小限に抑えられるよう、コミュニケーションの細部まで議論を行っています。
入社後「ここまで徹底しているとは思わなかった」と話す社員は少なくありません。驚かれる方は多いですが、顧客視点の追求こそウェルスナビの強みです。これから一緒に働く仲間にも、この考えに共感し、お客様のために真摯に向き合っていただきたいと思っています。
「デジタルバンクプロジェクト」を三菱UFJ銀行とワンチームで推進

ー 2025年3月にウェルスナビは三菱UFJ銀行の完全子会社となりました。どのような変化がありましたか?
ウェルスナビの事業推進における基本的な姿勢はこれまでと変わることはありません。当社が掲げてきたミッションおよびMAP構想については、三菱UFJ銀行との資本業務提携のディスカッション中に強く賛同いただけたからこそ今の形になっています。当社の徹底した顧客体験思考やプロダクト企画開発力などの強みを評価いただいており、その強みが損なわれるような変化を感じることはありません。
一方、MUFGの顧客基盤は約6,000万人規模と非常に広く、ウェルスナビ単体でのユーザー数約40万人とはまったく規模の異なる新たなお客様へリーチできることは、大きな変化です。このスケールメリットを生かし、デジタルバンク構想やMUFGの新たなリテールブランド「エムット」との連携といった、新たな試みにも挑戦を開始しています。これはウェルスナビ単独では実現が難しかった規模で進行しており、よりスピード感を持って大きく展開できていると実感しています。
ー 2025年5月にMUFGから発表されたデジタルバンクの設立についても詳しくお聞かせください。三菱UFJ銀行とはどのような関わり方をしているのでしょうか
デジタルバンクプロジェクトは、三菱UFJ銀行と一体となって推進しています。現在は、経営層から現場レベルまで密な連携でプロジェクトを進めている状態です。
詳細についてはまだお話しできない部分も多いですが、弊社の開発プロセスや顧客視点を強みと捉えていただいていることもあり、ウェルスナビとしての考えや動き方を尊重してもらいながら、お互いの知見を活かし、ワンチームとして取り組んでいます。
当社からも相当な人数がデジタルバンクで提供していくプロダクトの開発に関与していますし、デジタルバンクのプロジェクトチームを立ち上げ一体となって準備を進めています。銀行領域と非銀行領域で開発手法を使い分け、お客様のニーズに素早く応えていけるようなプロダクト開発や、そのために必要な体制構築に取り組んでいます。開発の進め方だけでなく、日々のコミュニケーションでSlackを活用することなど、ウェルスナビがデジタル領域で培ってきた良さはできる限りそのまま活かす形で進行中です。
ー ウェルスナビにおける大きな挑戦となりますね
これまでの自社の40万人の顧客基盤が6,000万人に拡大するダイナミックな変革期と挑戦のフェーズを迎えています。今いる社員はもちろんのこと、これから入社いただく皆さんとも一丸となって、この挑戦を遂げていきたいと考えています。

▼参考
・MUFGリテール戦略の進捗と今後の方向性について
・株式会社三菱 UFJ 銀行によるウェルスナビ株式会社(証券コード:7342)の株券等に対する 公開買付けの開始に関するお知らせ
※1 一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2025年3月末現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較 ウエルスアドバイザー社調べ(2025年6月時点)
※2 2025年7月に実施したアンケートでの質問「ウェルスナビをどのくらいの期間続けていただく予定でしょうか。」に対する回答(調査対象:預かり有価証券の残高がある口座、回答者数:2,467人)。回答者の年代別割合を調査対象の年代別割合になるよう補正して集計(小数点第1位を四捨五入)。
※3 2025年7月18日時点
※4 2025年3月末時点
いかがだったでしょうか。後半記事では、事業戦略に携わるメンバーとともに、具体的な業務の進め方や変革期に必要とされるマインドについてご紹介しています!
▼後半記事はこちら
この記事を読んで、ウェルスナビに興味をお持ち頂けたら嬉しいです。募集内容に共感したら、もっと深くメンバーと話してみませんか?
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