10.FIREと時間を考えるきっかけになったもの:父の58歳という年齢
この話を書くかどうか、少し迷いました。
あまり軽く扱うべき内容ではありませんし、誰かの関心を引くための「ネタ」にしていいものでもないと思っているからです。
ただ、FIREを目指している理由を突き詰めていくと、どうしても父のことに行き着きます。
一度、きちんと言葉にしておきたいと思いました。
父の他界
私は、25歳の時に父を亡くしています。
父は58歳でした。
潰瘍性大腸炎と狭心症を抱え、入退院を繰り返していた時期でした。
今のような薬がなかった時代です。食事制限があり、ステロイドの影響で顔が大きく張れていました。
以前とは明らかに違う姿になっていくのを、家族として見ているしかありませんでした。
一時間おきにトイレに行かなければならない生活。
外出もままならない日々。
ある時、父がぽつりと言いました。
「あぁ、こんな体になっちまって。
好きなもの食べときゃよかった。もうどこにも行けない」
私は何か言わなければと思い、
「病は気からだから、前向きに考えれば良くなるよ」
と、精一杯の言葉を返しました。
ただ、それ以上のことは言えませんでした。
無責任な励ましを重ねるのも違う気がして、言葉が続きませんでした。
その後しばらくして、父は命を絶ちました。
母と私たちに、「ごめん」と書いた手紙を残して。
仲が良いとは言えない夫婦でしたが、入退院を繰り返す中で父の面倒を見ていたのは母でした。
短い言葉でしたが、父なりの精一杯の感謝の言葉だったのかもしれません。家族に負担を掛けたくなかったのだと思います。
若い頃の私と父
若い頃の私は、父のことをあまり理解していませんでした。
仕事から帰ると、すぐに二階の自分の部屋にこもる父。家庭内別居のような状態でした。
私と兄は、主に母に育てられたため、正直、父をどこか遠い存在のように感じていたと思います。けれど、思い返してみると、父なりに私たちに見せようとしてくれていたものがありました。
子どもの頃、「会社に遊びに行くんだ」と言って、職場に連れて行ってくれたことがあります。父は海外出張も多く、アメリカや韓国に駐在していた時期がありました。帰国すると、必ずお土産を買ってきてくれました。
「アメリカはでかいぞ」
「世界は広いぞ」
そう言っていた父の言葉を、今もはっきりと覚えています。
今思えば、それがきっかけだったのかもしれません。
私は自然と、海外に関わる仕事を選ぶようになりました。
父の仕事
父は、国立大学の工学部を大学院まで出た技術者でした。
他界後、炭素繊維などに関する特許を多く取得していたことを知りました。特許検索ツールで父の名前を検索すると、いくつもの発明が出てきて、正直驚きました。
父は、とても努力家だったのだと思います。
一方で、会社では上司と衝突し、ストレスを抱えていたようです。
50代に入る頃から会社を休みがちになっていたのを覚えています。
家でも孤独だっただろうと思います。それでも離婚せず、私と兄を大学まで出してくれました。そして、その後、病気を抱えることになりました。
努力は大切ですが、努力を重ねることだけが、必ずしも人を幸福にするわけではない。
この年齢になって、はからずも、そんなことを考える時があります。
父の年齢に近づくにつれて
40代半ばを過ぎた今、父が亡くなった58歳という年齢が、現実的な数字として迫ってきています。
もちろん、人の寿命はそれぞれです。もっと長く生きるかもしれませんし、短い可能性もあります。ただ、人生に限りがあることだけは確かです。
そして、健康な時間は思っているより短いかもしれない。
サラリーマンは、時間と安定を引き換えに働いています。けれど同時に、人生の時間を少しずつ切り売りしていることは否めません。
それが悪いとは思いません。社会の仕組みとして合理的ですし、サラリーマンなくして、経済は成り立ちません。
一方で、残りの時間を考えたとき、このまま同じペースで続けていくことに、どこかで違和感を覚えるようになりました。
私がFIREを意識するようになったのは、単に働きたくないからではありません。残りの人生の時間を、もう少し自分の意思で使える状態にしたい。
その想いからです。
投資は資産を増やすためのものですが、本質的には、時間を確保するための手段だと考えています。
父の生き方を思い返しながら、自分はどう時間を使うのか。
今、noteを書きながら、改めて考えています。
時間を確保する一つの方法として辿り着いたのが、外貨インカム投資です。
安定した資産形成のご参考に。
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