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日本ワイナリー巡り 坂城葡萄酒醸造【長野県坂城町】

今回は上田市への旅行の2日目にワイナリーを巡った記録です。
つまり、初秋の上田旅行の③です!

前回までの記事で、鹿教湯温泉の三水館に初訪問して、温泉と食事を堪能したことなどをご紹介しました。

その後、鹿教湯温泉から上田駅へのバスが遅延したため、予定していた「しなの鉄道」に乗れなかったこと、上田駅前からタクシーに乗ったこと、ワイナリーではない場所に到着してしまったことまで記載しました。

さあどうなったでしょうか。



珍道中

目的地に着いたというタクシーを降りてGoogle Mapで確認すると「坂城町役場」の前にいることがわかった。

目的地であるワイナリーまでのルートを表示すると徒歩13分とのこと。
思ったより遠い。

乗ってきたタクシーを振り返ると、すでに見えない。
もう、歩くしかないと決断。

時刻は13時、すでにワイナリーに予約を入れている時間になっている。
電話をして、タクシーで違うところに来てしまったので、予定より15分以上遅れるかもしれないとワイナリーに伝え、快諾してもらう。

Google Mapは、北国街道を戻るルートを案内。
歩道は草ぼうぼうで歩けない。
車道にはビュンビュンと車が走っている。

大きなトラックが通り過ぎるタイミングを待って、歩道ではなく車道の端を速足で通り抜ける。
店舗前の広いスペースで、一息つく。
この先も、このように車道の横を通らなければならないのかと呆然としていた。

すると、後ろを振り返っていた同行者がタクシーを見つけた。
タクシーが停車したので走り寄ると、なんと先ほどの運転手さんだった。

「さっきの場所じゃなかったです」
「あ~、悪かったね。お金はいいから乗って」
「もう一度ナビに電話番号を入れてみてもらえますか」

再度、ワイナリーの番号を入力してもらうと、「電話番号が登録されていないので、役所を目的地にしてもいいですか」といった注意書きが表示がされた。
こういうことか。

普段、車に乗らないのでカーナビの仕組みを知らなかったし、上田駅では気づかなかった。

「電話番号が登録されていないみたいですね」
「住所はわかる?」
運転手さんにスマホの画面を見せたが、文字が小さくて見えない様子。
「この先の線路を越えたところを左折すればいいみたいですよ」
「わかった。行ってみよう」

運転手さんは私たちを乗せて発車。
陸橋でしなの鉄道の線路を越えてから、すぐに脇道を左へ曲がる。
道なりに進んでいくと、ワイナリーの建物が見えた。
「ここです!」
「あ~よかった。ここね」
「ありがとうございます。助かりました!」

ワイナリー「坂城葡萄酒醸造」に到着して、タクシーを降りた。

坂城葡萄酒醸造株式会社

そして、隣にあるレストラン「ヴィーノ デッラ ガッタ サカキ」へ。

ヴィーノ デッラ ガッタ サカキ

ここは坂城葡萄酒醸造に併設するイタリア料理店で、ランチの予約をしてあるのだ。


「ヴィーノ デッラ ガッタ サカキ」でランチ

坂城葡萄酒醸造の公式サイトによると、代表である成澤さんは、生まれ故郷である坂城町に戻り、義弟であるシェフの小出さんとレストランを開店したのが2009年。

シニアソムリエとして坂城町でレストランを経営するうちに、次第に長野ワインをつくりたいと考えるようになり、ブドウの栽培やワインを醸造するメンバーを集めた。

ご本人はアルカンヴィーニュのワインアカデミーの1期生(先月訪問したラ・ボッチの本多さんと同じ)で、レストランの横にワイナリーを建て、2017年に坂城葡萄酒醸造を立ち上げている。


レストランの店内に入って名前を告げると、カウンターの奥の厨房でシェフが会釈してくれるのが見え、スタッフの方にテーブル席に案内される。

まず出してもらった水をいただくと、ひんやり冷たくて身体にしみる。
三水館を出てから水分をとっていない。

ランチはパスタのコースを頼んであり、「お飲み物のご説明をします」とメニューを広げてもらう。

飲み物メニュー

他にブドウのジュースもあったが、やっとたどり着けたワイナリーではワインを飲むしかないでしょうと白ワインのグラスを注文する。
ソーヴィニヨン・ブランとシャルドネを1つずつ。

よく冷えたシャルドネのグラス
グラス注文だがボトルも見せてくれた
左はソーヴィニヨン・ブラン「猫じゃらし」
右はシャルドネ「猫目石(キャッアイ)」

店名にある「ガッタ」はイタリア語で雌猫やネコちゃんといった意味で、ワインのラベルも猫。

テーブルに、アミューズのお皿がサーブされる。
青海苔のフリット、鴨の生ハムとナガノパープル。
(写真撮り忘れ)

フリットは揚げたてで青海苔の風味がよく、ハーブのような青いニュアンスのあるソーヴィニヨン・ブランに合う。
鴨の生ハムは、まろやかな印象のシャルドネに合う。

続いて、前菜が登場。

左上が蛸の黒オリーブペーストのせ、中央下がマグロ、
ピンク色はビーツのソース、
右上がサーモンのサラダ

昨日から海の食材を食べていなかったので、嬉しい組み合わせ。

特に、蛸が美味しい。
写真ではわかりにくいと思うが、柔らかくマリネされていて、吸盤のプチッコリッとした食感もいい。

ビーツのソースは、色合いも風味もいいアクセントになっている。
トーストされたバゲットにつけてもいい。

ちょっとちぎったバゲット

前菜で白ワインのグラスを飲み終える。
赤ワインも頼んでみよう。

スタッフの方に「赤のグラスだと、何がお料理に合いますか」と聞いてみる。
「次のサルシッチャのパスタには、カベルネ・ソーヴィニヨンをお薦めしています。通常、カベルネ・ソーヴィニヨンは重めのワインになりますが、隣のワイナリーでつくっているこのワインは比較的軽いのが特徴で、サルシッチャにも合います。あとは、この赤獅子がいいです」とのことで2種類を注文。

左がカベルネ・フラン「赤獅子」、
右がカベルネ・ソーヴィニヨン「猫パンチ」

本日のパスタはこちら。
サルシッチャとハーブのソースが絡んだショートパスタ。

パスタはねじって10センチくらいの長さで
もっちりしている

ショートパスタにはややヒダがあって、そこにソースが絡む。
ソースはハーブも効いているが、サルシッチャの旨味やチーズのコクもあり、赤ワインに合う。

カベルネ・ソーヴィニヨンの「猫パンチ」というワインは、ブラックベリーやスパイスの香りがして、裏ラベルに「アタックから余韻までストレートでシャッとした猫パンチのよう」とかかれていてユニーク。
なるほど、それで「猫パンチ」。

もう一方の「赤獅子」は、色調に透明感がありエレガントな印象で、若干青っぽいニュアンスがあるのがパスタとよく合って美味しい。
ピュアな印象の赤ワインで、とても好感をもった。

ショートパスタは写真だと量が少なめに見えるかもしれないが、食べ応えがあって赤ワインと共に堪能。
お皿に残ったソースもバゲットにつけていただいた。


最後にシェフがサーブしてくれたのが、こちらのデザート。

桃とバジルのシャーベット

上にのっているバジルのシャーベットは、シャリっとして、フレッシュなハーブの香りがして、甘くなく爽やか。
軽くコンポートした桃、ジュレ、フランボワーズのソースと合わせると、様々な香りが層を成し、優しい甘味が広がる。

このデザートはすごい。

甘味は極力抑えて、素材の風味を生かしている。
スプーンですくって1口ずついただく度に、バジルや桃などのバランスが変わって、味わいに変化がある。
バジルのシャーベットが溶けてしまう前にいただいた。

美味しいランチだった。
食後のコーヒーをいただきながら余韻にひたる。


さて、どのワインを持ってかえろうか。
オンラインショップでは、ソーヴィニヨン・ブランの「猫じゃらし」はソールドアウトになっていた。
「猫じゃらし」は明るい印象で、裏ラベルにも「じゃれている猫のような明るく楽しいワイン」と書かれていた。

スタッフの方に聞いてみると、ソーヴィニヨン・ブランはやはり売り切れとのこと。
「では、赤獅子は?」と聞いてみるとストックがあるとのことで、ショップコーナーの方で購入。

ショップに飾られていた「赤獅子」ラベルの原画等

こちらのワインのラベルは2人のアーティストがデザインしている。
先ほどから紹介している和柄ラベルのワインは、セカンドライン。

トップキュヴェのラベルやワイナリーのロゴとなっているのは、現代アーティストの小松美羽さんとのこと。

トップキュヴェのデザイン原画

こちらのラベルは狛犬こまいぬならぬ狛猫こまねこ
また、レストランの壁に、大きな絵が描かれている。

大人になった狛猫とその子猫や仲間の動物たちとのこと

シェフによると、小松さんが1日で描き上げたとのこと。
左下に「2018.7.2」とあり、この日に朝から夜までかけて一気に仕上げられたそうで、後ろで見守っているのも楽しかったとのこと。
猫達のバックには、ブドウやワインボトル、しめ縄も描かれていて、密度の高い作品である。

ふと、横の壁に土を枠に入れたものが立てかけられているのが目にとまる。

ブドウ畑の土

すると、「これはシャルドネの畑の土をくり抜いてきたものです」とシェフが説明してくれる。

表土は上20センチほどで、その下にはゴロゴロとした石があって、とても水はけがいいという。
また、地域が少しズレると浅間山の火山灰が混ざった黒い土が多いとのことだが、それらとも違うとのことで、この土壌に合わせてブドウを栽培をしているそう。

また、「どちらからですか?」「東京からです」といったやりとりの後、「鹿教湯温泉に行ってきたんです」とつげると、シェフから「鹿教湯温泉なら、僕は三水館が好きです」と言われて意気投合した。

シェフとスタッフの方に見送られながら、お店を後にする。

レストランの外にはオリーブやバラが植えられていた
坂城駅

徒歩で駅に進むと、7分程で坂城駅に到着。
駅から近いところにワイナリー&レストラン・ショップがあって、アクセスしやすくていい。
(次は「しなの鉄道」で来たい(笑))


上田街歩き

上田駅まで「しなの鉄道」で戻ってから、帰りの新幹線の時間まで街歩きタイムにする。

旧街道沿いに古い建物が残るという「柳町」を目指す。
駅から路線バス(このバスも10分弱遅れた)に乗って、3つ目くらいのバス停「房山」で降りる。

脇道に入ると、銭湯好きな人が興味をもちそうな「柳の湯」がある。

レトロな銭湯

更に進むと、味噌屋などの建物がならぶ、旧北国街道に出た。

味噌蔵
北国街道の宿場町だった柳町
ルヴァンのパンは既に売り切れ
岡崎酒造 外観①
店内へは「亀齢」を買い求めるお客さんが続々と
岡崎酒造 外観②
岡崎酒造のすぐ横には
のらのらファームのワインショップ&カフェ

ほどほどに観光地された印象の街並み。
まだお腹いっぱいなので、カフェにも入らずに素通りする。

さあ、最後に「ツルヤ」へお土産を買いに行こう。
ツルヤは長野県内に多数あるローカルスーパーで、2年前の旅行では茅野店に立ち寄った。

ツルヤ 上田中央店

連休中の夕方、店内は地元のお客さんでいっぱい。
近所のスーパーよりすごく広くて、どこに何があるのか把握するのに時間がかかる。

旬のブドウを買おうかと思ったが、スーパーの棚にはあまりなく。
お昼までに売れてしまったのか、地元の人は直売所などで購入するのか。

結局、ツルヤのオリジナル商品3点、信越限定発売の巨峰コロン、帰宅してから食べる惣菜類を購入。

ツルヤオリジナルのきのこチャウダーは残り1点だった
信州味噌マヨ風のドレッシング
りんごのコンフィチュールラムレーズンの香り
(自宅で撮影)

上田駅で旅行バッグをピックアップして、新幹線で帰路につく。
1日目ほどではなかったが、新幹線内も東京駅も人は多かった。

帰宅してから、鹿教湯温泉で購入したおやき、ツルヤで購入してきた山賊焼きとサラダなどで、軽い夕食をとりつつ今回の旅行を反芻した。


🍇      🍇      🍇


上田市旅行&坂城町ワイナリー巡りは、いい気分転換になりました。
宿にもレストランにも恵まれました。

ここ1年程、小規模ワイナリーとの向き合い方・楽しみ方を模索していますが、今回のような駅からアクセスのいい「ワイナリー&レストラン」のスタイルはとても良かったです。
もともとレストラン経営をされていたからこそだと思いますが、作られたワインに合うお料理がいただけるのはとても魅力的です。

また、私自身もイタリアワイン&料理が好きということもあり、「ヴィーノ デッラ ガッタ サカキ」の食事はとても好みに合いました。
常ににこやかな小出シェフとスタッフの方々もよかったです。
できれば、次は夜にゆったり訪れたいですね。

自宅に持ち帰った坂城葡萄酒醸造「赤獅子」


既に5千字超えの長文になっていますが、最後にあと1点だけ。
「2次交通」についてです。

今回、タクシーのことを書いたのは、耳の遠い高齢の運転手さんに文句があるわけではありません。

地方に行き、車を運転しないでワイナリーなどを周遊しようとすると、色々困難なシチュエーションに出合います。
例えば、バスやタクシーなどの少なさ、遅延、乗り継ぎの悪さなどで、旅先で時間がとられることがあります。

今回のナビについても、個人タクシーではなかったので、タクシー会社としてナビの仕組みを導入しているはずです。
2009年からあるお店の電話番号が登録されていないということは、ナビをアップロードしていないのではないでしょうか。
それだと、新しいスポット・店などにたどり着けないこともあるでしょう。
(追記::このように書きましたが、コメントでカーナビの更新ってお金がかかるので難しいと教えていただきました…。)

ましてや、現在、インバウンド客が地方に行きつつあります。
都市だけでなく、地域に興味をもって消費をしてくれるインバウンド客にとって、2次交通はとても重要です。

地域内の交通をきちんと維持することは、そこに住んで運転免許を返納した高齢者等にとっても、スーパーや病院などを利用する際に重要なはずです。
このあたりのことは、今後も注目していきたいと考えています。


以上、長い記事にお付き合いいただき感謝です!

今回もお読みいただきありがとうございました🍷

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