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創作大賞感想 パラレルコネクター

「読者」が物語の一部になるという新鮮な体験

『PJ』作詞作曲/プロデューサーさんの「パラレルコネクター」を拝読させていただきました。

作品を読み始めてすぐ、「これは普通の物語とは少し違う」と感じました。

読者に語りかける作品はこれまでにも読んできましたが、本作はその距離感がとても不思議です。ページをめくっているだけなのに、自分まで物語の中へ招き入れられたような感覚になり、「読む」というより「そこにいる」という気持ちで読み進めていました。

最初は「どういう世界なんだろう」と少し身構えていたはずなのに、気づけばその感覚が当たり前になっていて、次は何が見えるのだろうと夢中になっていました。

世界観はとても壮大で、設定も次々に現れます。
それでも不思議と難しいとは感じませんでした。むしろ新しい扉を一枚ずつ開けていくような楽しさがあり、「もう少し知りたい」「この先はどうなるんだろう」という気持ちが自然と大きくなっていきます。

読み始めた時には「世界の謎」に興味を持っていたはずなのに、いつの間にか「この人たちをもっと知りたい」という気持ちに変わっていたのも印象的でした。

心に残るのは、人の温かさ

読み進めるほどに感じたのは、この作品は世界のスケール以上に、人と人とのつながりを大切に描いている作品なのだということです。

世界を揺るがすような出来事が描かれている一方で、誰かと向き合う時間や、何気ない会話、一緒に食卓を囲む空気がとても心地よく感じられました。

私はそういう場面になるたびに少し読む速度がゆっくりになりました。物語を先へ進めたい気持ちはあるのに、その時間が終わってしまうのが少し惜しくなるような、不思議な感覚でした。

登場人物たちはそれぞれ違うものを背負っています。それでも誰かを思いやったり、寄り添ったりする姿を見るたびに、自然と応援したくなります。

だからこそ、笑顔の場面ではこちらまで頬が緩み、静かな場面では空気まで伝わってくるようでした。派手な展開だけではなく、こうした何気ない時間が積み重なっているからこそ、人物たちがぐっと身近に感じられたのだと思います。

読んでいる間、「この人には幸せになってほしい」「また笑っていてほしい」と何度も思いました。設定や世界観の面白さだけでは、こんな気持ちにはならなかったはずです。

この世界を、最後まで見届けたくなる

読み終えたあと、一番最初に思ったことは「続きを読みたい」という、とても素直な気持ちでした。

もちろん、この世界にどんな秘密があるのかも気になります。
でも、それ以上に気になったのは、この物語を歩いていく人たちの「未来」でした。

これからどんな出会いがあって、どんな別れがあって、どんな景色を見るのか。その旅路を最後まで見届けたいと思いました。

読書をしていると、「面白かった」で終わる作品もあります。でも本作は少し違いました。本を閉じたあとも登場人物たちのことを考えてしまい、「あの続きはどうなっているのだろう」と自然に思い返していました。

作品の中に流れている優しさや切なさ、そして前へ進もうとする力は、読み終わってからも静かに心に残り続けます。だからこそ、この作品との出会いは「読んだ」で終わるものではなく、「これからも続きを追いかけたい」という気持ちにつながりました。

読者を物語の中へ招き入れる大胆な発想と、その中で丁寧に紡がれていく人と人とのつながり。その両方を味わえたことで、とても満たされた読書時間になりました。

物語はまだ始まったばかりですが、だからこそ、この先に待っている景色を見逃したくありません。最後のページまで、この世界と登場人物たちの歩みを見届けたい。そう素直に思わせてくれた、とても印象深い作品でした。


<PJさんの他応募作>

こちらもPJさんらしい、壮大でありながら、きっちりと練り込まれた設定が織りなす恋愛小説でございます。

……といいつつ、私もまだ読了はできておりません。これからじっくりと楽しませていただく予定です!

こちらも併せてお楽しみ下さいませ!


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