行動力がありすぎて、中国旧満州の大学に直接メールして個人で留学した話
はじめに
私は大学四年生のときに、中国東北地方に位置する吉林大学に留学していた。その話を人にすると、よく「そんなとこにも交換留学あるんだ」と驚かれる。「いや、交換留学じゃなくて個人でメールしたんですよー」と説明すると、もっと驚かれる。今回は、意外に知られてない個人留学の世界について書いてみる。
留学決意が遅過ぎた
大学三年生の秋、アムール川を見に黒竜江省を訪れた私は、すっかり中国に魅了されてしまい、中国東北への語学留学を決意した。
↓そのときの記事はこちら
しかし、通常留学というのは大学一年、遅くても2年から志して準備をする学生が多い。そんな状況で、大学三年も終わりに差し掛かっているときから留学というのは、つまり留年を意味していた。
また、交換留学などの大学当局を通す正規の留学ルートは、学内選考もあり、締切は出発から半年〜一年以上先となってしまう。そうなると、留学を終える頃には大学五年生。そこから就活ということに。
それを避けるためには、四年次から休学して私費留学という手もあるが、留学費用は「自分でなんとかせよ」との父のお達しなので(当然)、ネットでいろいろ見ていると、仲介業者の手数料に怯んでしまう。
転機は突然に
いったいどうしたもんかと思案しているなか、とりあえず、すぐにHSK(中国語検定)三級を受けてみた。第二外国語で中国語を学んでいたため、拼音など基礎的なところは少しわかっており、普通に合格した。
ところで、私の受けていた二外の教師は非常に“ゆるく”、テストでは毎年一言一句同じ問題が出るため、出席もあまりしていなかった(事前に欠席のメールを先生に送ると出席になるという摩訶不思議なシステムだった)。そのため、2年も学んだはずなのに、逆に言うと拼音以外はほぼ理解していなかった。
当日HSKの試験会場では、たまたま中国留学フェアなるものがやっており、いろいろな大学のブースが出展されていた。私が留学したかったのは吉林省長春という都市にある吉林大学。もともと満州国の歴史に興味があり、初めての海外旅行も当時の満州国首都•新京(現長春)。長春では、満州国時代の歴史的建造物が吉林大学のキャンパスとして、いまも現存しているのだ。
そこで私は、吉林大学のブースの中国人お姉さんに聞いてみた。
私「あのー、留学フェアっていいますけど、そんな簡単に行けるんですか? 時間がなくて、すぐ行きたいんですけど」
お姉さん「全然行けますよ! いまからなら、来年三月開始コースには間に合いますよ。気になる大学があったら、直接問い合わせてみたら〜?」
あれ、留学ってそんな気軽にできるもんなのか。勝手に交換留学か、仲介業者に高額な仲介料を払う私費留学の2択かと思ってた。
さっそく家に帰り、Google翻訳を使い、吉林大学の公式メールフォームに、一通の連絡をした。

簡単に言うと、「個人留学したいけどどこから申し込んだらいいの〜?」
ということである。
これに対して、大学の学生課から、「このURLから登録して進めてくれればええんやで」と丁寧に返信が来た。留学生用の申請システムが整備されており、サイトにそって個人情報や在学証明書、成績証明書のアップロード、手数料の振り込み(確か1万円くらい)をこなしていくと、あれよあれよと留学手続きが完了してしまった。
11月中旬に申し込んで、12月末には、入学許可証が自宅に本当に届いた。
「あ、本当に留学できるんだ……?」
こんなあっさりと手続きが終わると思わず、拍子抜けした。
そんなこんなで、私は大学三年生の3月から半年間、大学を休学して、吉林大学に私費で語学留学することになった。
肝心のお金だが、実は同時期に遠い親戚が亡くなり、その遺産がひょんなことから私にも降ってきた。
それがまさに、中国に一年間留学(学費+生活費+渡航費)するために必要なくらいの額だったのだ。(金欠学生の参考にならなくてすみません)
ちなみに、一年間留学しながら中国で旅行もたくさんしながら暮らすと、当時は年間100万円あれば全て足りた。実際、自分のバイト代だけで留学に来た日本人学生も複数いた。
さまざまな偶然が積み重なって、数ヶ月前にも考えてもいなかった中国留学が始まろうとしていた。
はじめての休学申請
ところで、休学を申請した経験のある方はそこまで多くはないのではないだろうか。私ももちろん初めてのことで、ドキドキした。ただ、なんてことはない、実際には
休学願いの提出
↓
面談で休学意志と、入学許可証などの確認
↓
認定
という実にアッサリした流れだった。
面談では特に理由など深掘りされることもない。ただ、早稲田の場合、休学中であっても半期五万円の学費が必要なのが、少し納得がいかない気がする……。
自力でビザ申請
入学許可証に休学手続きが揃えば、あとはビザさえあれば留学可能だ。ネットで調べているとビザ代行なんていう業者もあるみたいだけれど、平日暇な学生なので、神谷町にある中国ビザセンターで取得することにした。
ビザセンターのホームページの日本語は怪しいけれど結構親切で、自分の申請したいビザの種類によって必要な書類と、申請の手順、よくある質問などを見ることができる。
また、オンラインで事前に申請表の入力も可能。
申請表からは日本語表記はなくなるが、英語表記があるのでありがたい。
最後に入力したものが申請表に埋め込まれた形でPDFに。それを印刷すれば完成。各書類を持ってセンターに行こう。

中国ビザセンターの何がすごいって、番号が呼ばれてから、該当の人が現れないと判断して次に切り替わる速度がめちゃめちゃはやい。中々来ないと同じ番号を連打してすぐ次へ行く。一見、待ち番号が遠くても、意外と早く自分の番になるのでそれはそれで良い。
呼ばれたら書類を出して、普通の速さで発行するか、課金して特急で発行するかを選ぶ。普通の場合6日後に来てくださいとのこと。また、発行後は1週間以内に取りにきてと言われた。
個人申請は代行で頼むより圧倒的に安く、そこまで大変でもない。平日の朝~夕方が空いている人や学生ならいいだろう。
留学準備完了!

入学許可、休学、ビザ、全て揃えば留学準備完了!
まさか11月に申請を始めて、翌年3月から行けてしまうとは。いったいどんな生活環境なのかも不明なままいくことになった長春。
3月の長春、寒いだろうな……。というか本当にこんな簡単に留学できるものなんだろうか? 実は詐欺でした、とかないんだろうか?
さまざまな不安を抱えながら迎えた留学生活が、始まろうとしていた。
初対面の人に18万円借りたり、モンゴル人のルームメイトと揉めたり、北朝鮮にゴムボートで近づいたり、行く前は予想もできなかった出来事が待ち受けてるとも知らずに……。
長春留学の日々については、また改めて記事にしたい。
(おわり)
武漢留学体験記についてはこちら👇
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