巨大な倉庫はアートを増幅するように
過去の風景の面影が残る北加賀屋の街で
巨大な倉庫はアートの器となる
かつて造船業で栄えた街は、今ではアートが散り
ばめられる。行き場を失った倉庫が得た場所は、
新たな芸術の実験の場であり、継承の場ともなる。
アートがざわめく祝祭の時に、北加賀屋を訪れた。

始まりは2014年
過去の記憶の上に、創造の場が生み出され

必要性を得た倉庫と、居場所を見つけたアートは

時を重ねて今に至る

何げないものが、寄せ集められて

新たな意味を帯び

均一なものが、不均一に扱われ
作品は巨大な空間に満ちていく

猫たちは隙間を埋めるように

散り散りとなって

連なる作品の間、ともに歩んだ年月を

確かめるかのようにめぐりゆく

舞台となるトレーラーは

高々と翼を開く
人と人をつなぐアートが

宇宙船の大阪への着地とともに
北加賀屋の祝祭の時に姿を現す

先へと進むシップス・キャット

宇宙猫が乗り込んだボートは

支点を中心にぐるぐると回転するもの
あとからついてくる意味をたどるように

思考を溶かしては

揺らぎの中を歩く

今回の主役である猫はそこここに

かすかに残る日常の気配を
北加賀屋の街でまた触れる

色とりどりに組み合わされた形も
世界をつなげた祝祭の中に見た

形の持つ意味や、用途は横に置かれ

組み合わされることで生まれる何かの

縁を猫が行く

仮設材は階段状に組み上げられては

壮大なキャットタワーのようにもなり

時間を錯綜させるような形状が展開される

同じ作者による倉庫の入り口を閉じる壁は

少しずつずれては

内外を接続するように

ゆっくりと回転しては

人々を空間へ誘う装置となる

その隙間を抜けて

アート繰り返し体感しては

北加賀屋の倉庫を後にする

エネルギーが極限まで高まって
大爆発した猫たちが飛び交う下を、10年の歩みを
続けるアートの間をくぐる。ぐるぐると回転する
船。合理化や均一化への反力。日本各地をめぐる
トレーラー。記憶をつなぐ部材。仮設材が解き放つ
重力。異なる意味とものの集まり、組み合わせ。
不要であることの必要性。とどまることない創作
への渇望。祝祭的空間に、アートがつなぐ関係性。
街と人がアートを媒介に、揺さぶられては、接続
される。巨大な倉庫はアートを増幅するように。
