見出し画像

場の持つ力に引き寄せられて

倉庫にひしめくアートの間を通り抜け

時の流れが浮かぶ街を歩く。漂う鉄のじわりとした
記憶が、奥行を与える風景にふれる。新たに吹く
風に人は誘われ、出来事が重なり、街は熱を帯びて
いく。北加賀屋の場の持つ力に引き寄せられて。



弾けるような猫たちの間を抜けて



アートに包み込まれる空間を後にする



かつての倉庫は時を経て



時代を超えて、今に輝く



擦り減っては、錆びゆく質感に



繰り返された年月を思う



古びた倉庫が、空に浮かぶ


かつての喧騒に思いをはせる



鉄に刻まれる静かな色が



重なりあっては響きあう


色は褪せるほどに、深みを帯び



刻まれる時間の流れに


触れるように、沿うように



アートの力を得た街を歩く



屋根の上にはシップス・キャット



道沿いに並ぶトラックの色の連続と



際立つ青の倉庫の扉



アートへの視線は、街を色づかせ



褪せる色は鮮やかさの背景に



道端の石はアートそのものでもある



静かに時を重ねる街の空気を



アートが振動させていく



いたる所に描かれた壁画を



手に取るように



なぞるように進むその先に


連なる古びたトタンの壁は



かつて造船所であった場所で


今では伊万里にその場を移す


かつての旅の記憶を呼び起こす



残された造船所の欠片は



海への記憶をつなぎとめる



いつか巨大な船が浮かんだドックも



今では新たな関係を生み出す場となる


広大な敷地は、人をつなぐ場として


今を刻み、空間の奥行きは


新たな実験的な思考の土台となる


木津川の河口に面した、かつての名村造船所。金属
の高く、鈍くぶつかる音。大きなモーターがうなり
をあげる。潮風に運ばれる汽笛。おだやかな風景
に感じるかつての活気。工場の跡地に漂う残響が、
今の時代に重なり、新たな景色に流れるように。



いいなと思ったら応援しよう!