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島に吹く風を感じながら

島に吹く風を

防ぐもの。受け入れるもの。ひらひらとそよぐもの。
うとうととするもの。海からの風が島に舞う。入り
組んだ路地を吹き抜ける。壁にあたっては消える。
新しい風が吹いては、島に重なるアートが揺れる。



積み重ねられたコンクリートブロックの隙間を



剥げかけた塗装の表面を



うとうととする猫の脇を



風がそよぐ。風を防ぐ石垣の間をぬけて



海への道をたどる



割れたガラスに時間の静止を



ブロックや格子にリズムを感じては



海へと出る。海岸にそびえ立つ



オオテと呼ばれる石垣の壁は



海から吹く強風を防ぐもの



島に吹く新たな風は



多くの人を島へと運び



瀬戸内の島々の風景を



色とりどりに変えていく。島をたどった記憶は


鮮やかに風景の中に浮かぶ



風に揺れるかもめの隙間を



石垣の間を抜ける



アートはひらひらと揺れる



島に吹く新たな風を受け止める



石は憶えている。かつて山に固定されていたことを



いっせいに向きを変えるかもめ



いつかのフェリーの旅では


風を読んでは空を舞う


石垣に守られたおにの館が遠ざかり



船はゆっくりとエンジン音を響かせる



風を防いでは、風にそよぐ女木島で


今に息づく形に出会い


祝祭に揺らめく島を歩いては、細部に目を留める。
重ねられては沈む色。島はオオテに守られ、新しい
風にそよぐ。アートに誘われ、海を渡り、風を感じ
ては、鮮やかさと静けさの混じる風景を後にして。


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