内と外、境界の間に沿うように
旅は日々の延長にあり
日常は旅との間にある。境界。内と外。見えない
何か。鬼が住んだ島と伝わる女木島で、日常と旅の
間に想像力をふくらませる。境界を象徴する存在
の鬼。訪れた建物には、鬼が持つこんぼうが並ぶ。

焼杉板に浮かぶ金の文字

境界をまたぐとぬっと現れる

異形の様相。女木島に残る鬼の形に

旅の間の形をつなぐ
日常と旅の境界にゆれる鬼瓦は

大きな屋根の上から旅と
日常を見守ってくれている

鬼といえばの

六尺を大きく超えるこんぼうが

円を描く台座に取り付けられて

空間の中にぐわんと横たわる

空間にみなぎる力に

鬼との出会いがふわりと浮かんでは
旅先に現れる鬼に見守られる

ずらりとならぶこんぼうの造形に

ぐらぐらと揺さぶられるように

視点をうつろわせながら

鬼の姿をしたものや

垂れた釣り糸を掴もうとするもの

でこぼこと波打つこんぼうは

昔からこの地を守る存在でもあるという

あちらとこちらの境界にすっと立つのは

うずまく造形に身をつつむ木彫の像

鏡は光を反射し、壁面に渦巻き模様を映し出すという
現代と歴史が入り混じる作品に

うずまく造形に

目をぐるぐるとさせながら

壁面の渦に吸い込まれそうになる
旅の空間や形は

つながっては円を描く
どこまでも続く連鎖の中に

円を描くように
旅の造形を重ねていく

求心力のある渦巻きのモチーフは
旅の風景をふと立ち上げる

眠らないもの、目覚めるもの

心を幾度と波打たせては
内と外、境界の間を縫うように、旅をめぐり軌道
に沿う。見えない何かを手がかりにして、ここから
向こうへまたこちらへ。旅の間に、ふと現れる空間
や形を重ねるほどに、旅と日常は円を描いていく。
