繰り返しては綴る日々の形
旅に浮かぶ素材
ものが織りなす形。つながる風景。ひとつひとつの
存在に焦点を合わせては、ずらす。旅を繰り返して
は綴るほどに、言葉は階層を帯びる。次に訪れたの
はあなぐまち。呼吸をするように増殖する世界観。

カンとよい音を響かせるような鍋の底

何気ない旅先の風景の

静かな色をたどり

形に沿って歩いては

旅先の街へとやってきた

まちの中に建つ建物に入居するのは

ささやかな日常の住人たち

団地のように並ぶ部屋には

作者が島で出会ったものが散りばめられる
角に陣取るのは焼酎の瓶

中央には赤と白の線を帯びる
島の未来をつなぐめおんの姿

過ぎゆく時間に
触れてはくぐる

にぎやかで楽しげに続く部屋では

ささやかな命に向けられたまなざしと

名もなき赤い花

繰り返す旅でゆらめく色と形
作者が得たのはTARO賞
岡本太郎が残した芸術への情熱が紡がれる

何気ない日々は
何気なくもなく

ものにあふれる力をすくいとるように
形への思いがあふれ出しては

親密さが宿るものと

作者に見える風景に思いをはせ

小さな世界に共感しながら

たどってきた形と
旅路を振り返る

構築された作者の世界に
引き込まれながら、同様の世界に思いをはせる

取ってはくるくるとまわり出すように
旅の音が響き出すように

鮮やかに彩られる花は

しんとした空気が流れる民家の中で

島の空き地で咲き誇る
日々の形は色をまとい

また明日へと回り続けるように

あなぐまちは、作者が想像しては
形となる町。過去から現在へ
そして今日から明日へと
繰り返される日々に、紡ぎ出される形

くるりと円を描くように
形や色を日々に見いだして
小さな視点を、積み重ねるほどに

まなざしとなっては像を結ぶ
日々に輝きを見つけて
ものが作るまち。宿る思いで世界が紡がれる。見え
ぬものが思いが形となり、言葉となるあなぐまち。
作者はまだ旅の途中。この先も空間を埋めていく。
呼吸をするように生み出されつづける形や言葉。
私も息をするように、日常を、旅を綴っていく。
