風景をつなぐ素材をたどる
重ねる旅路の上を
風が吹き抜ける。坂を上り、海を見下ろす。積み
重ねられた陶のブロック。風にそよいではなびく
ようにねじれる柱。土は色と温度を帯びる。かつて
段々畑であった場所に、並べられた素材の記憶。

ずれては交差する不在と存在

穏やかな海の上を雲が流れていく

かつて段々畑であった場所に

積み重ねられた陶のブロックの間を

風が吹き抜ける

地面に沿って並ぶ様子が

段々畑の記憶をつなぐ

素材が積み重なる

造形が連続する

ねじれた柱の間を

風がするりと抜けていく

土の温かみを感じる。素材の上に

風景が浮かぶ。風がふわりと宙に舞う
作品の名は、段々の風

風にねじれるように

陶の造形は動きを持つ

視線は隙間を抜けては

土と風の記憶を
島への旅に重ねていく

火の温度を帯びた土の色に

陶器の里の風景と
静かに響く音に思いをはせる

段々に連なる造形は

連続する登り窯の痕跡に
記憶の中で連鎖する

土の色が記憶を揺らめかせ

風景に折り重ねられるように
島の記憶をつないでいく

風との関係を生み出す造形は
過去から現在へと紡がれる

土の記憶にふれながら

重ねられた素材に

造形がつなぐ旅に

風景を立ち上げながら
素材と旅の間を綴る

海への旅をまた重ね
島から島をたどっては

視線を上下させながら

旅を繰り返す
風景をつなぐ素材をたどる。土の記憶を帯びた陶の
造形が段々に続く。陶芸の里に吹く風を思い返す。
坂を上っては下る。風を感じて歩く。旅に素材は
積み重なり、素材が旅を形づくり、風景は動き出す。
