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響くリズムは、懐かしい音の記憶を呼びさまして

どこか記憶とつながるような風景を


緑の中を進めば、青いのぼりが見えてくる。神社
で見かけた石臼は、のぼりの土台に使われている。
田植えを待つ、鮮やかな緑の稲の苗。奥には農村の
時間を刻む家屋が建つ。次の作品はその中にある。



瀬戸内国際芸術祭では、青いのぼりを頼りにして



旅は田植えの季節のこと。苗の鮮やかさの向こうには



時を刻む家屋が建つ



建物の内部に構築される作品は



唐箕という農具の持つ歯車などが



機械仕掛けのように組み合わせられて



リズムを奏でる装置となる



農具に紛れるように並べられたバチ



ハンドルのついた農具のイメージを



モチーフとして、作品は複雑な形となり



その影さえも、作品となるようで



奏でられるリズムが、体の中に入り込んでくる



それは農具なのか、アートなのか、楽器なのか



空間を満たすリズムの中を



小気味よく階段を上り、思った以上に



広がりのある2階の空間で、またリズムをたどる 



農具の機械は、分解されて、



パーツとなって、バラバラにされて



そしてまた組み立てられて、音を奏でる



歴史を感じる家屋も、文明の力を得て



アートの器となって、作品に光をあてる



ソーメン箱はカホンとなって、リズムを刻み



カケバ機は、そもそも楽器のような気配で



カタカタと重ねるリズム



中山ミルと名付けられたリズムボックスは



軽快な太鼓のリズムを軽やかに放つ



入口に設置されてた唐箕も楽器のようで


作品の名は、Reverberations 残響 ~ 岡八水車


ジャズミュージシャンの岡氏は、曽祖父の名のつく


岡八水車をモチーフに、音楽水車プロジェクトを


展開し、様々な音楽祭や芸術祭を経て、今に至る


水車が奏でる音楽は、人と自然をつなぎ合わせる


そしてアートが紡ぐ音の記憶は


空間をつなげる媒介となり、音のある風景として



ふと遠く懐かしい記憶を思い起こさせる。大地の芸術祭の


音のワークショップではしゃぐ子供たち



回る水車と音の連続が、懐かしい記憶を呼ぶように


奏でられるリズムに乗る。それは機械的でもあり、
やわらかくもある。ガタン、カタカタ、ガラガラ、
ジージーと、叩く音、擦れる音、様々な音が重なり
あって、この場の固有のリズムを作り出す。規則的
かつ不規則なリズムに耳をすませながら、音の風景
がいつかの日の風景に重なるように。音の記憶と、
懐かしい旅の記憶。あの日のリズムを思いだして。


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