せせらぎに浮かぶ彫刻へ
打ち放しコンクリートの壁の間を過ぎれば
緑に包まれる水景庭園が広がる。斜面に沿い段々と
続く立体的な空間を、水はゆっくりと流れていく。
通路にそっと置かれた小さな石の彫刻に、ゆらりと
映し出される雲に、いつかの旅を懐かしみながら。

水と緑に

浮かぶように据えられた

恋のまつげという名の石の彫刻

ゆるやかな曲面に空が映る
小さな彫刻は風景を取り込んでは
訪れる人をやさしく出迎える

水の流れに沿って、通路を曲がり

階段を降りては

見上げる。水のせせらぎと

コンクリートの壁と石の彫刻

建築家が生み出した空間と

彫刻家が残した形が

時を越えて交差する

ゆっくりと滴り落ちる水の音が

石の上に静かに響く

水盤にすっと立つナガレバチ

空へと広がる曲面に緑が映る
流政之の手掛けた曲線を
一つ一つたどっては
またいつか大きなナガレバチが
設置された風景へ

空と緑の下に立つ彫刻は
遠い空の下では、壮大な風景を形作る

石段は交互に続く。石の彫刻はそっと立つ

水は静かに流れては

空と緑を揺らめかせる

石の彫刻と水と緑の空間の

接点に沿って、段々に続く庭園をめぐる

重なる石段と水の流れが

いつかの旅の風景につながって

水盤に浮かぶ通路を

小さな子どもたちを追いかけるように

めぐった風景を思い出しては

見上げる打ち放しコンクリートの壁を
旅の記憶に並べ

すっと先へと続く線に沿う
空ゆく雲と流れる水に、いつかの記憶を重ねては、
石の彫刻の柔らかな線に思いをはせる。果てない空
の下に広がるまだ見ぬ風景に惹かれている。彫刻家
の刻んだ時をたどり、また新たな旅を続けていく。
