光は旅に彩りを与えていく
静かな朝。まだ目覚める前の街の色に
朝の暖かな光は彩りを与えていく。また新たな一日
が始まる。高まる心を抑えながら、いつものように
街に目線を重ねていく。パサージュのように光が
溢れる商店街を抜けると、朝日に輝く建物が建つ。

朝の光は、建物に色味を与える

建物は光を反射し、街は動き始める

光と影は物の形をあらわにし

光の向きと重なる建物の線分。浮かび上がるサイン

美術館のシンボルマークは
高松に建つタワーと、島並みの風景をモチーフに

直線的でも、やわらかなデザインは原研哉氏によるもので

氏がデザインしたサインの風景も
懐かしみ、形がつなぐ風景を心に留める

シンボルタワーと島の形。サインを手がけた
原研哉氏は瀬戸内国際芸術祭のポスターも手がけ
高松市美術館では、その記録の展示も行われた

まだ開館前の静かな街と建物にふれる旅のひととき
高松市美術館にある流政之のナガレバチには
会えずとも、街の彫刻の風景を重ねていく

向かいの建物の前にぽつりとたたずむ

顔の中心に大きな眼を持つような彫刻

その奥の建物は城の眼という喫茶店で
香川に生きた芸術家に愛された場所

アートは街に動きを与え

街はアートとともに動き出す

携帯電話を片手に歩く人、さっそうと、ひっそりと、

またゆったりと歩く人々が表現された石の彫刻

それらは白大理石、黒御影、庵治石など

地元の石が使われ、風景に根ざし

動き出す街に合わせて浮かび上がる

通りには道ゆく人の姿。私も人々に混じるようにして
彫刻を手がけたのはジュリアン・オピー氏で

2025年の万博会場ではデジタルにより行き交う人を
表現されていた。動的なもの、静的なもの
そのシンプルな形が、世界に動きを与えている

そろそろ港の風景へ。朝の光は水面に反射し

港と海の風景を、旅を鮮やかにしていく
街を構成する建物。そこに行き交う人々。太陽は
高度を上げ、街は動き出す。そのほんの少し前の
穏やかな一時。空気は清々しく、光は柔らかい。
建物も、彫刻も、光を帯びて、街を輝かせていく。
不意に、ゆっくりしすぎては、また昨日のように
フェリーへの乗船が危ぶまれると思い直して、また
港へ。海は光を帯びて、水平線で空とつながる。
風景の中に浮かび上がる島への旅がまた始まる。
