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空にひらりと浮かぶ文字

線をなぞってたどる旅

その先にひらりと浮かぶ文字の連なり。言葉の断片
に島の魂が込められる。旅を重ねては島をめぐり、
いつか旅した男木島にたどり着いた。白い文字は
変わらずそこにあり、あの日の空に記憶をつなぐ。




静かな時に揺れる赤と白の船に



重なる文字は軽やかに空へと



島の記憶を放つ。いくつもの言語が



風に揺らめき、水に浮かぶ



連なる言葉、入り組む言語



世界がゆるやかにつながりあうように



おだやかな光が辺りを包む



島への旅を繰り返し



風景に言葉を探す


 
足元に置かれた言葉が


旅の風景を立ち上げる



建物がまとう言葉に



出迎えられる。文字は踊るように



散りばめられては、空間を生み



水盤にゆらめき、滲み、溶け合い



言語は混然一体となる



水に揺れる白い文字の連続は



男木島の魂と名付けられた作品で



芸術祭の始まりの年に置かれたもの



白い文字と、いつかの旅で乗った船が



ふわりと記憶をあの日へ運ぶ



2010年の祝祭の気配が



脳裏に浮かぶ



風、光、影、色、形。旅の記憶を



言葉がつなぐ



風景に言葉を置いては



風と光に包まれた記憶をたどる


初めて開催された芸術祭への、まだ小さかった長男
との二人旅。目に映るきらきらしたものに走り出す
長男を追いかける。太陽の光が優しく滲む。記憶が
ふわりと降りてくる。旅の記憶を形にして、風景
と言葉を繰り返し、あの日の思い出を今に重ねる。



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