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打ち放しコンクリートの記憶は時を超えて

風景は軽やかに、また厚みを持って記憶の中に



2025年の芸術祭への旅。小豆島を経て、船を乗り
継ぎ、久しぶりに直島へやってきた。旅人を迎え
入れる港を後にして、高速船に載せられなかった
自転車を高松港に置き、この距離感なら歩こうと
島の地形を体で感じ、海に沿いつつ先へと進む。



港に停泊する大型のフェリーを遠くにのぞみ



港にたたずむ赤いかぼちゃと、海を後にして



島の風景を感じながら歩く



途中の待合所には、島の写真が並べられる



島には、大きな海を越えてやってくる旅行者も



直島は世界にも名をはせるアートの聖地



思いのほかの坂道も、風景を眺めればあっという間で



広がる海と、溶けゆく空



レンタサイクルの方々に、どんどん追い抜かれるけれど



今回の旅は、一歩一歩、続く道を踏み締めるように



地中に位置する美術館の前までやってきた



時を経たコンクリートの声に耳を澄ませるように



続く坂道の先へと目を向ける



まだ開館する前の美術館



今回は、その壁の佇まいを懐かしみ



いつかの旅の風景を思い浮かべる



地中美術館への花咲く道を歩いたのは



もう10年以上も前のことで、記憶は



おぼろげになるけれど、小さくでも強く



夏に向けて勢いを増す芙蓉の花に



池に浮かぶ鮮やかな蓮の花



サルスベリの花は風景をつなぐ



道端でくつろぐ猫の横を抜け



見慣れたペンタスの深い赤



池に浮かぶ蓮の風景を懐かしく



緑に包まれた美術館へ続く道



水面に輝く光に浮かぶ緑の先の



美術館への道の入り口へ



地中美術館の看板にも足を止める



空間を遮る壁は、時の流れとともに色をなし



懐かしいチケットセンターの中には



また直島新美術館の広告も



3年に1度、瀬戸内国際芸術祭が行われる直島には



安藤忠雄氏の歴史が流れている



その日は、限られた時間を先へと進む



チケットセンターのデザインも洗練されて



確かに、この風景にはいつか訪れた



光を帯びていた打ち放しコンクリートの壁


木漏れ日落ちる美術館への道は



小さな花が連なって



その壁の先の向こうの風景を



足元に咲く可憐な花とともに



12年前へと思いをつなぐ



つかのまの、コンクリートの記憶流れる美術館を後にして



直島の風景を感じて、また先へ



安藤忠雄氏の思いが散りばめられた直島に


青いリンゴの気持ちを携えやってきた


地中美術館のおぼろげになる


記憶の糸をたぐりよせるように


様々な角度から地中美術館の姿を探す。直島には


そこにしかない風景との出会いがある


山道の先、時を刻むコンクリートの壁。坂の向こう
に美術館は姿を潜める。いつか訪れた地中美術館の
記憶をたどる。花や虫や緑、様々なものを見つめる
子供たち。打ち放しのコンクリートの壁に目をやる
私。池に浮かぶ蓮の花の鮮やかさにも目を留めて
花咲く旅の思い出を追いかけるように旅を続けて。



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