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建物が刻んだ時間に沿うように

その先にある形によってつむがれた時間へ

にぎやかな万博の会場の一角に、過ぎゆく時間が
刻まれたような建物が、風景が広がる場所がある。
雑木林に囲まれ焼杉板に、懐かしさが漂い、廃校と
なり解体予定であった校舎が、時をまたぎ万博へ。



緑に包まれた懐かしい雰囲気の建物は


前回訪れた万博でも気になっていて、あらためて



2度目の万博で訪れた。かつて木造の校舎であった建物は



当時の記憶を紡ぎながら、万博の地で時間を重ねる


解体が予定されていたという廃校の



平屋の校舎はコンクリートの上に、2階建ての校舎は



持ち上げられて、1階だった部分が2階へと



かつて入り口だった扉。建物の各部が当時を語る



昭和の初期に建てられたという校舎に



パビリオンとしての今のデザインが付加されて



古い時間と新しい時間が混在し



大きなガラスは、いつかの風景を映し出すかのようで



持ち上げられた建物の内部では、空間は生まれ変わり



2025年の風景へと接続される



ガラス越しに広がる万博会場の賑わい。建物は



最後の時間をここで過ごしたことを記憶に留める


ガラスに記された言葉には


愛することはどちらのものとも
つかない幸せを共有すること

すべてのものには、価値があり、
相対的であることに思いをはせる


新旧の建物が混じり合った内部空間に



目を留めながら、刻まれた時間を感じる



木の階段の軋む音



大きな窓から空間に広がる光



手触りのよい木の手すりの温かみ



デザインされた建具に、建物への愛情を察し



時代を語る型ガラスの光の屈折



床板に刻まれた染みや傷跡



窓の木枠のひび割れ



印された数字が示すもの。窓の外には



同じ中学校であった校舎が形をかえ、建てられている



足元に咲くいのちは、その存在をたたえるように



確かに建物に流れていた



活動の痕跡を、確かめるようにして



ギャラリーとして建てられた建物には



光に包まれる大きな空間が広がる



窓のリズムと、梢の連なり



錆びた鉄のトラスが伝える時の流れの中で



新しいデザインを帯び、最後の輝きを放つ建物を



建物が重ねた時間とともに後にする


古きと新しきが混ざる建物は

刻んだ記憶と共に最後の輝きを放つ


対話がテーマのパビリオンで


建物に流れる記憶を受け止めて


木造校舎のやわらかな雰囲気に



いつかの記憶も重ねながら


ダイアローグシアターというパビリオンには、昭和
前半に建てられた木造の校舎が再利用されている。
かつての記憶を帯びた建物の各部分は、分解され、
万博会場へ移築された。階段の手摺のやわらかさ、
窓の木枠のひび割れ、木の床板に残る染みや傷跡、
使い込まれた建具の雰囲気。建物が過ごした時間。

建物によって風景は作られ、風景は人々の心に記憶
として留まる。建物は時間を重ねつつ、その建物に
とっての本当の意味での完成へと近づき、形ある
ものはいつかは形をなくすように、時間を閉じる。

万博会場に移築された木造校舎は、ここで世界の
人々に記憶される。確かに校舎に流れていた時間。
万博での時間も終わり、建物は形をなくしてしまう
けど、建物が刻んだ時間は記憶としてつむがれる。



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