万博の建物とアートをたどる
様々に変化する万博の風景の中を
ようやく当日予約がとれたパビリオンへ。歩くほどに
建物とアートが入り混じる様子に目移りする。じっと
見ればきりがなくなりそうで、半ば焦点をずらしつつ
予約の時間に間に合うよう、風景をなぞるように進む。

連続するミラーのキューブを後にして

緩やかなラインが踊るように連なるパビリオンは

いのち動的平衡館。風景は絶え間なく変化しながらも
私の中で繰り返し、ある一定の状態を保つようにも

そのぐりんぐりんと、うねるような曲線に
体に刻まれた記憶が反応する

会場に散りばめられた建物やアートをたどる

多様な命の形で構成される金色に輝く球体は
それは都市鉱山由来の、金による金箔が施されて
その原型となる、いのち球の銀のフィギュアは
海洋堂によって製作されたもの

パビリオンを横目に、白いミストで包まれる

いのちパークという広場を抜けると

緑に包まれた静かな建物が連なる

ここは廃校となった木造校舎が移築されたパビリオンで
廃校舎の壁を覆うツタさえも移植されたという

場所と時間を超えて建つ校舎の周囲の緑の中に

そっと小さく花ひらくカワラナデシコ

そのやわらかで、繊細な花の表情には
いつかの旅でも目を留めていたり

ここは河瀨直美氏による、いのちのあかしというパビリオンで
記憶が刻まれた校舎、時を経たイチョウに、小さな草木
どこか懐かしい記憶を漂わせた建物に

大地の芸術祭で出会った廃校の風景がよみがえる
アートの視点はどこかでつながりあっている

その向かいに建つのは緑と一体となるパビリオン

その空中に浮遊するような構造物は、屋根も壁もなく
自然の額縁となるように、ボリュームとして存在して

アートのための装置でもあるパビリオンに赤いシルエット
といえば、糸により記憶をつなぐ塩田千春さんの作品

会場の中央に設けられた緑の空間に
記憶の中の時間と場所を結びつけるようにして

緑あふれたエリアを抜け

様々な国が集まる会場にも立ち寄って

うろ覚えの記憶の中の世界地図をひっぱり出して

それぞれの国の文化にもちらりとふれては

気になる国の前で立ち止まる。パラグアイには
ボトルダンス。その国の文化についても振り返る

様々な国の多様な文化や、その形に

脈々とワクワクを紡いでいきたい

パビリオンの壁面には、あなたの次のEXPOの目的地の文字
浮遊する森というコンセプトは未来へつながり

2027年の次なるEXPOの開催地はセルビアに

足元の、風景を身にまとうような子どもの像にも目を留める

セルビア館のテーマは遊び。奥には小学生が列をなしている

ミャクミャクが踊るように、楽しげな風景が続く会場には

息を呑むような斬新なアートも設置されている

車輪に設置された鏡は、周囲を歪めるように映し

白く塗り込められた車椅子は、折り重ねられるようにして

逆さまに、高く積み上げられるようにして、そのものの持つ

形や機能は意味を失い、ただ新たな視点が構築される

それは風景を変質させながらも、空へ溶けこむようでもある
檜皮一彦氏によるもので、車椅子は自身の移動手段に
以前にはグランフロントのアートスクランブルにも
選ばれていて、アートは場所と風景をつないでいく

そしてようやく、また大屋根リングをくぐった先の

水面に浮かぶような白いドーム状のパビリオンへ
万博の会場に散りばめられた様々な形。目に映る形の
持つ意味を感じながら、記憶の中の風景と今の風景を
重ねていく。時代や場所によって、形は様々に意味づけ
られ、解釈されてはまた書き換えられ、今に至る。その
今を切り取る万博を風景を楽しみつつ、次の目的地へ。
