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旅の風景をゆるやかにつなぎながら

少しずつ旅の風景は立ち上がって

街にある何気ない風景を歩く。そこに散りばめられた
ものと、いつかどこかの風景を記憶の中でゆるやかに
つなげていく。過去の記憶が風景とともによみがえり
また今ある風景は、それらを背景にまたつながって。


街に散りばめられた何気ない風景の中
道行く先に咲くあざやかなサルスベリの花

記憶の中の風景をゆるやかに

花のあざやかさがつなげていく
道沿いに鎮座する狛犬にも

旅の風景を重ねていく。神社の名前は楠玉神社で

2000年まで、ここで操業されていた日本製紙都島工場内に

街に流れる歴史のかけらをたどりながら、見上げる

楠は樹齢900年ともいわれ、その姿が大戦の歴史を物語る
また新たに勢いよく育つ楠が、これからの時代をつなぐ
神社の前を過ぎ、しばらく西へ進むと川の風景へ
旅では、いくつもの橋を眺めては渡ってきた

橋がつなぐ風景も印象的な旅の記憶に

川の風景は空を広く見せ、風景を拡張し、水面のゆらぎは
確かなものをおぼろげに、記憶に溶け込ませるように
橋は構造物としてもおもしろく、その形に力の流れを感じつつ
橋を渡ることもあれば、くぐることも

下から見上げる橋の特徴的な光景は

富山の旅でも楽しんだ
街は様々な建物で立体的な風景を形作る
河川の擁壁に描かれるの落書きかグラフィティか
目に留まる風景をたどり、川沿いの豊かな緑の下を
風が心地よく通り抜けていく。輝く葉のゆらめきを感じつつ
足元に大阪市水道発祥の地の石碑。それは1895年のこと
川沿いの道を南へと進み、高架線路の下には
構造物の持つ時間流れと、人が描く時間が交差して
心地の良い木漏れ日を浴びながら、緑の下を進む
光は透過し反射しながら増加したり、遮られたり

光と緑の関係も楽しんでいる

木々の向こうにきらめく
太陽の光は、緑と水面の風景を輝かせ
物の形を地面に露わにもする

ささやかな風景を振り返り、旅を楽しんで

正面には帝国ホテル大阪とOAPタワー。ボートの航跡が
水面に白い線を描いては消えていく。時間の流れを感じながら

水と太陽の空の様々な風景をたどってきた

また街にあるいろんな形を楽しみながら

形の持つおもしろさに注目しつつ

それは、さながら自分の記憶と
混じり合っていくようで。風景をなぞりながら

文字でつむがれた風景に、遊び心も感じつつ

ピクトは意味をシンプルに伝えてくれる
街には人工的な色もあふれていて
その色や形も楽しみながら
次はまた、時の経過をその体に刻む狛犬のもとへ

自転車と歩きの旅の違いは、移動距離と視点にある。
自転車であれば、日帰りの旅でも大きな風景の変化が
あるが小さな視点には気づきにくい。その分、歩きの
旅はたどれる範囲は限られるものの、風景は手にとる
ようにつながれていく。今回は街の密度の高さを感じ
ながら、街の中に溶け込むように歩きの旅を楽しんで。


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