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アートあふれる香川の原点ともなる場所へ

姿を新たにしていく港の風景を後にして

高松の街を進む。目的地はアートが散りばめられる
香川という地のデザインの起点となる場所。そこは
60余年の時を越え、輝きを放ち、偉大な建築家と
芸術家との出会いは、価値ある形となり今も残る。


敷き詰められた石が傾き始めた日の光を浴びる



素材は、質感と大きさ変えながら



建物の足元に立ち上がり、光を帯びる



すっと伸びる柱の影、階段の陰影、足元の石の彫刻



杉板の打ち放しコンクリートは荒々しくも繊細で



内外をつなぐような、温かみのある木の手すり



そこは香川の現代芸術文化の原点ともなる場所で



1開のロビーには当時を伝える資料が展示されている



香川県庁舎。それは丹下健三が67年前に手がけた建物で



今も街に溶け込みながらも、輝きを放ち続け



芸術との融合が目指された庁舎は、今も大切にされている



上部へとコンクリートを圧送する設備がない時代



美しい壁や柱を生み出す労力は計り知れないものがある



その多くの人達の情熱と努力の結晶をまとう建物で



展示された写真からも、この場所への愛情を感じる



階段室には遊び心。日常のふとした形は



建物を過ぎゆく人の心のどこかにひっかかる



ロビーの空間の主役の一つの階段は、空間に動きを作り



階段を下り、建物に沿って、外観を見上げる


連続するモチーフがつなぐ建物の記憶



出入り口はシンプルに、内と外をつなげ



重なる彫刻をぬうように



建物の足元をめぐり庭園へ



水盤は光を留め、建物の影をうっすらと映す



輝く太陽に照らされた石の彫刻や建物のシルエット



庭園と建物の関係を確かめるように



そびえる石の彫刻の大胆さと



均整の取れた建物の静謐さとを

つなぐ太鼓橋。めぐるほどに視線は移り、上下する



その繊細で、大胆で、圧倒的な外観は



日本を代表する建物となり今に至る



その建物と空間は、太陽の光を浴びて、輝いては


今も高松の街を見守り続けている


丹下健三により伝統的な日本建築の要素が



散りばめられ再解釈された建物は、広島の地にも建ち


日本で受け継がれる建物となる


香川県庁舎は戦後初、国の重要文化財に認定され



そのデザインは形を変えて、引き継がれ


奈良の県庁舎も同じ空気をまとう



芸術の起点となった建物の水平ラインは今も伸びやかに


荒々しい石貼。水平ラインを支えている繊細な梁。
コンクリートに映る木目の跡。敷き詰められた黒い
丸石。垂直と水平が交わる緊張感。ゆるやかに円を
描く庭園のシルエット。そこは誰しもが日常の中で
触れることのできる場所で高松の街の一部となる。


大胆で、繊細で、遊び心にあふれ、調和して、時の
経過を感じさせながらも、古びることなく、存在し
続ける香川県庁舎。訪れた時も1階のロビーを見学
されている方がいた。受付で撮影の許可を問うと、
撮るのが当然のように了解頂く。いつものように、
そこに漂う空気感と質感に触れながら、隅々まで
デザインされた美術館のような空間を体で感じる。
ぴんと張り詰める空気と、やわらかな気配。そこに
かつての時間と、風景が持つ価値を重ねていく。


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