まちとともに歩むホテルを後にして
BED AND CRAFTはまちとともに歩むホテル

富山、そして井波のまちを旅した。そこで訪れたホテル
はまちに溶け込むように、まとうようにホテルの空間
は拡張されて。宿単体でなくゆるやかに、深く密接に、
また物理的にも、見えない何かでもつながっている。
ひとつの旅の経験が過去の旅の風景と重なり、混じり
合って、思い出は螺旋的にも、重層的にも連なって。
それはひとつで閉じることなく、円のようにイメージ
の中でつながっていく。まち全体をひとつのホテルと
見立て、旅のひとつひとつを大きな旅ととらえるよう
にして、そのつながりを楽しみながら旅を続けている。
街の中に溶け込むホテルの風景には

大阪の布施の商店街にあるセカイホテル
実は今回の旅では、高岡のセカイホテルへの宿泊も
検討したが予約がとれず。また高岡へも旅する理由に
街をホテルとしてとらえれば
街の風景もまた違って見えて

そこでは旅のフィールドはこの星のすべての街という
旅をして旅を振り返る。今回の井波の旅で、
アルベルゴ•ディフーゾという言葉を知った
それは地域全体をホテルとしてつなげていくもので
矢掛屋は2018年にアジアで初めて
アルベルゴ・ディフーゾに認定に
まちごとホテル。その風景にとてもひかれている。
そして住む人のまちへの思いが重なることで、その
まちは魅力を増していく。2022年の街の幸福度の
ランキングという調査では、中国地方の市町村で
矢掛町が1位にもなったという。矢掛町はかつては
宿のない宿場町とよばれていたが、矢掛屋の開業
で大幅に観光客も増え、町が活性化されたという。
旅をして、また次の旅への思いがつのる
宿場町の風景は日本各地に残されていて

まちへの愛がきっとまちを育てていくのだと思う
そして愛すべき宿場町の三重県の関町
私の父母はこの町で生まれた。そして出会い、私が
今ここにある。母を育ててくれた祖父母はもうこの世
にいないけど、その思い出は今も私の胸の中にある。
幼少期、盆正月にはいとこがたくさん集まり、田んぼ
で凧揚げしたり、町を走り回ったり、こたつでみかんを
食べたり、大人たちが次々とあけていく銚子の風景も。
今はその楽しみがとてもよくわかる。でもそんな楽し
そうだった笑顔も、とても懐かしい過去のこと。でも
その記憶はまだ私の心の中にあたたかく残っている。
幸せな場所と空間と時間が、関町にあった。とても大切
な思い出である。祖父母が営んでいたお店は、いとこの
おじさんに受け継がれたけど、それももうしまわれて、
空き家となって別の所有者にあるという。また関町を
歩いてみようと思う。子どもの頃の記憶をたどりつつ
また新たに成長を続けるまちの風景も。少ししんみり
としてしまったけど、愛しくてあたたかな思い出だ。


而今禾。魅力的なお店の日々の生活の美しさに
小川糸さんのツバキ文具店がつむぐ風景を思いだす
街と暮らしとつながる宿への旅。九州での2年半で
壱岐の島へも旅をした。宿で頂いたチケットを片手に

フィッシュフライを頂いたのも懐かしい思い出
伝統的な街並みにひかれていて、八女市の街並みにも

建物は記憶を引き継ぎながら新しい空間へ

そして今回の旅の振り返りで、まちやどという言葉に
もふれた。それはまちを一つの宿と見立てて宿泊施設
と地域とをつないでいくもの。それらの宿を運営する
事業者によって構成される日本まちやど協会。過去の
旅で訪れた宿や、魅力的で訪れたい宿にあふれている。
奈良はとても魅力的な町がある。奈良町に建つ

泊まれなくても、宿が生み出す風景だけでも楽しんで
でもまたいつか暮らすように泊まってみたい宿
熊本への旅で立ち寄ったHIKEも。小代焼の里への道を
オーナーに訪ねた際、街を愛する気持ちも伝わったり
その旅は自転車で玉名から小代焼の里へ

またいつか小代焼の里を訪れる時は、お世話になろう
日本まちやど協会にシーナと一平も
東京への旅では町と宿の風景にまたいつか
そして富山の、井波の旅で出会ったBED AND CRAFT
その宿はまちとつながるように、溶け込むように

井波のまちで出会ったBED AND CRAFT。そのホテル
はまちの文化や風景とつながる宿。そのまちでの風景
が今までの旅を思いおこさせ、新たな旅へのきっかけ
にもなる。日常に旅を思い、旅で日常を感じるように、
これからも旅を続けていこう。富山、そして井波への旅
もそろそろ終わりに。後はバスにゆられて帰路へつく。
