芸術へとつながる島への旅
降り注ぐ日常を加速させるベクトル
アートにまみれては包まれるほどに、日々の視点
は少しずつずれていく。島への旅を繰り返しては、
空を仰ぎ、海を渡る。やわらかな空気感、穏やかな
時間。出迎えてくれる猫になごんでは、また島へ。

モフモフとした質感に
紡がれたアートの記憶と

奥にそびえる温かな気配

森の中の湖に浮かんでいた猫の姿をした島が

北加賀屋のアートの街にやってきた

SHIP’S CAT ISLAND

湖面を漂う宇宙猫の島は

新たな美術館の開館のオープニングを飾ったもので

限られた期間に浮かぶもの
シップス・キャットが振りまく空気は

世界の緊張感を少し緩めるようにして
訪れる人を優しく迎え入れる
島をめぐっては猫との出会いを重ね

水の上ではないけれど

猫たちに引き寄せられるように

内部へとそっと足を踏み入れる

尻尾までついた猫足バスタブの

蛇口ももちろん猫の姿の

優雅な暮らしをのぞいてみる

宇宙猫の物語。偵察船に乗った猫が一匹

不時着した場所が、美術館が開館した飯能の地

そこで創造性あふれる宇宙猫は

豊かな暮らしと、さまざまな作品を生み出し

自らの姿もデフォルメしたり

二つならんだ窓の下には

ひげを表す太陽の塔

もちろん実際はヤノベケンジ氏によるもので
何ともいえない世界観が広がっていく

窓の向こうはアトリエで

宇宙猫によって生み出された創作物は

人類に発見される前のことという物語
宇宙猫の島が大阪へとやってきた。ボートに乗り
込み、湖面に揺れる島に近づくという視点の動き。
湖に浮かぶのどかな姿に、思いを寄せながらも、
訪れることの出来なかった場所。その島が、多く
のシップス・キャットともに目の前にそびえる。
ヤノベケンジ氏の思いは宇宙へと遡り、生命への
進化の過程につながる。生命はどこからどこへ
向かうのか。闇が漂う時代に、ささやかな希望と
ともに、シップス・キャットは世界を見つめる。
芸術家は引き寄せられる。生命の起源に、遥か宇宙
の始まりに思いはせ、創造は重なり、爆発する。
