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建物は踊るように、そして舞台となるように

素材を連ね、互い違いに、織りなして


津山文化センターの周囲を歩き、その素材と形の連続
に圧倒されながらぐるりとめぐる。建物は踊るように、
訪れる人の舞台となるように。散りばめられた色や形
は建物を彩り、楽しげに動き出すかのようでもある。

打ち放しコンクリート、赤い手摺に、立体感のある黒いタイル
素材は単体で複雑さを持ち、光を屈折させ
他の仕上げと共鳴しあう
建物の動的な要素をたどれば
その複雑な立体感に心もはずみ
建物が踊るように、進む歩調も軽やかに
建物内部から斗拱をモチーフとした造形を間近に見て
様々に入り混じり、連続し、関係しあう素材の色や形を
それが織りなす立体感と陰影をなぞるようにして
リズムを奏でる建物の各部分は
変調しながら、さらに複雑な様相で
面を作り、形をなして、回転するように配置される
まるでその舞台に立つようなピクトにも

引き寄せられて。そのデザインにも目を凝らしながら

空間を彩る抑制された色と、解き放たれた光
光の溜まりは空間の中に散りばめられて、踊るように
それはいつか見た空間と近似して

旅をすれば、漂う光の記憶にもつながって

そして光は空間の中に均質に広がったり
建物がまとう素材の陰影を際立たせたりして
めまぐるしく転じる空間。そろそろ宿への時刻も気にしつつ
それでも、めくるめく素材の色や形を
角度を変えながら、引いて眺めては
寄ってその素材の質感にもふれる
建物内部に散りばめられた動きを
体全体で感じ、螺旋の持つ力も確かめながら、津山に
建つ踊るような建物を楽しんだ。そこで開催されていたのは
SPIRALという写真展
副題には、美しい建築で踊るというもので
稲葉なおと氏による名建築とダンスの写真展

建物は文字通り、ダンスの舞台ともなって、名建築の

持つ圧倒的な空間は、ダンスのエネルギーと共鳴を

文筆家で写真家で建築家でもある稲葉なおと氏は

津山の美しい建物を紹介する写真集も手掛けている

そして踊るような建物といえば、自由に形が構成された
動きのある内部空間を持つ建物へも、以前に訪れた
建物の各部は、それ自体が動きを持ち、絡み合い
複雑なリズムを奏で
視線を誘導し、空の形を動的を切り取る
直線と曲線が交差する楽しげな空間の

奈良に建つ松柏美術館。名建築は踊るように

そういえばかの建築家もそのように話し

実際に、素材は連なり、軽やかに空間が構成されて

などと建物めぐりを楽しんで、そろそろ津山文化センターを

石垣の上の動きのあるアートを振り返り、後にして

建物は踊るように、そして舞台となるように。抑制から
解き放たれた建物は、軽やかにステップを踏むように、
素材を変化させ、左回りに、右回りに、動的に存在して。
散りばめられた素材は、空間の質をまとい共鳴し合う。
建物にひかれる理由は、その空間構成にもあり、建物は
訪れる人の舞台にもなる。そして文字通りの舞台にも。
その空間に流れる質を感じながら、名建築で踊りたい。


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