ぐらりと揺れて、沈んでは浮かぶように
風がすっと吹き抜ける
緑の先に橋がかかる。シラクチカズラが束となり、
ゆらゆらとしなるかずら橋。徳島の祖谷に伝わる
ツタの橋が四国村にかけられる。みしみし軋む橋を
踏み外さないように、そっとゆっくり向こう岸へ。

複雑に絡まり合う緑の先に

そっとかかるツタの橋

より合わせられたシラクチカズラ

一歩一歩と進むほどに

ゆらゆら揺れるかずら橋を、慎重に

渡り終えては振り返る
ここは四国の歴史を伝える場所
年を重ねては、掛け替えられる橋は
先人たちの知恵をつなぎ

訪れる人を迎え入れる
祖谷に残るかずら橋が

四国村の歴史をつなぐ

風景が色を帯びていく

かずら橋は水の上にふわりと浮かび
漂う気配は軽やかに

時の重さを帯びるようにずっしりと

上から下へと振幅する
足裏に凹凸を感じ歩いては

段々と連続する

素材の質感にふれながら

積み重ねられた石を踏む

傾き始める光の温度を

洋館が淡く帯びていく

薄緑色は輝いて

異国の風情をまとっている
四国村に漂う空気が

ふと、かつての旅を呼び起こす
見上げる色はあせては鮮やかに

異国の気配が重なって
旅の視線を震わせながら
四国村が帯びる重力を、ひとつひとつ踏みしめて、
村の入口へと戻る。足裏に残る感触。周囲に流れる
気配。見上げる洋館は異国こ風情を残す神戸から
やってきた異人館。旅の始まりの神戸の地。薄緑色
が遠い国からの風が吹く長崎をふとつなぐ。旅の
空気は、ぐらりと揺れて、沈んでは浮かぶように。
