見出し画像

パブリックトイレもアートのように

アートに港のいつかの風景を懐かしみ

そこに時代の記憶を折り重ねる。アートは視点を
多層的なものとして、今見えているものに新たな
価値観を与えていく。船のアートのすぐ側に建つ
パブリックトイレもアートのように。その曲線や
仕上げや視点は、日常を動かすきっかけとなる。



山並みの稜線につながるように緩やかな



曲線の屋根を持つ建物に



目印として描かれたピクトサインは



コンクリートの小叩きの壁にたたずむ


質感のある壁は、風景を変える力を持ち


その壁が仕上げに選ばれ育てられた物語を持つ



小叩きは壁から天井へ、そして空へと続き


曲面は視点を緩やかに導くように



壁の上にそっと立つピクトサイン


もちろん、ピクトの種別は確認を



小叩きの天井は、打ち放しコンクリートに対比するように



曲線の屋根は、直線の壁に対比されるように、空へ伸び



曲線と直線が織りなす建物の形は



空との他にはない関係性を作り出す



建物は小豆島のスケールに馴染みながらも



均質ではない各面の形や仕上げが


建物をアートとしての存在へずらすように



散りばめられた周囲との関係性を



視点を動かしながら、風景を切り取るようにして


このパブリックトイレの名前は、石の島の石といい


建築家の中村秀之に手掛けられたもの



アートの視点を感じれば、何気ない風景が



アートのようにも見えてくる



アートに溢れた小豆島の風景の中



変化し続ける空の表情を見上げ



穏やかな港と島並みの風景と


先に広がるどこかにもひかれている



かつて人の往来があった草壁港が



まとう静けさに、時間の流れを感じながら



旅先の港の記憶を心に仕舞う


中村英之氏の持つ視点は、風景を変え

旅も、日常も、見方を変えれば動き出す


旅では海を眺め、空を見上げ、トイレに立ち寄る。
視点を遠くに、近くに、自分の動きと共に風景を
切り取るようにして、リズムを感じながら進む。
アートにあふれる小豆島。パブリックトイレも、
旅を、日常を見つめる視点に変化をもたらして。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集