「そのFable5、無駄にしてない?」帰って来た最高峰AIとの上手な付き合い方
AI界隈で物議をかもした、現時点世界最高性能の文章生成AI、Fable5。
みなさん、使っていますか?
前回の記事でお伝えした通り、一度は利用停止になっていたFable5。
今、条件付きで戻ってきているんです!
Fable 5 is back. pic.twitter.com/9RTGUCcPHy
— Claude (@claudeai) July 1, 2026
わぁ~、お帰り!
(上記動画の生き物はClaudeCodeというツールのマスコットClawd君です。カニらしいですが私はタコ説を推します)
戻ってきてから数日が経ちましたが、周りを見渡すと、みんな期限までに使い倒そうと必死で、感想を発信する余裕すらないように見えます。私もその一人です。
でも、せっかく戻ってきた最上位モデルなのに、制限なく好き放題に使えるわけではないんですよね。
この記事では、「何が起きているのか」のざっくりした経緯と、公式&私のオススメの使い方を書いてみます。
Fable5、条件付きで戻ってきました
まずは時系列(現地時間)で振り返りましょう。
・6月9日、Fable5がリリース
・6月12日、米国政府の輸出管理指令によってアクセスが一時停止になりました
・7月1日、提供が再開され、期間限定のプロモーションが始まりました。当初の期限は7月7日まででした。
…けれど、七夕ユーザーの「まだいなくならないで、Fable5!」という祈りが通じたのか、
・7月7日、Anthropic(開発元)が公式Xで、プロモーション期間の延長を発表!
新しい期間は、2026年7月12日23時59分(米国太平洋時間)まで。
日本時間では7月13日15時59分までです。
とはいっても、プロモーション期間を過ぎた後も、従量課金で使うことができます。プロモーション中は、週間利用上限の最大50%までサブスクプランで利用が可能なんです。
この延長の背景には、同クラスと目される、OpenAIのGPT-5.6 Sol一般公開が近いことも関係しているかもしれません。
公式Xアカウントは「今週木曜(米国時間)に一般公開」と告知していて、
GPT-5.6 Sol, along with Terra and Luna, will launch publicly this Thursday.
— OpenAI (@OpenAI) July 8, 2026
We’re expanding preview access globally now. pic.twitter.com/Uk5HcfSc2e
日本時間では木曜夕方から金曜午後にかけての公開時期になりそうです。
ちょっとこれを意識していそうですよね。
ただし、みんな7月7日までだと思っていたから、すでに限界ギリギリまで使い果たして、延長されても使えないのが現実ではないでしょうか。
Xの投稿に、「頼むから週間制限をリセットしてくれ」と泣きつくユーザーも、ちらほら。
え、私ですか? 私はこんな感じです。

あと16%も残っていますね。
まぁ、一番下のランクのProプランなので、風前の灯火ですけどね。
戻ってきたFable5。しかしコストが高い
そんなわけで、待ち望んだFable5が戻ってきました!
嬉しい反面、現実を突きつけられます。
それは、何も考えずに使うと、あっという間にレートリミットに達してしまうということです。
さっきもチラっと書きましたが、レートリミットというのは、一定期間の中で使える利用量の上限。
つまり、単純に、コストがバカ高いんです。
最近のAIモデルは、賢ければ賢いほど、使うのに大きなコストがかかります。
Fable5のような最上位モデルはその傾向が顕著で、コスト感覚を持たずに使うと、週間上限の半分をたちまち使い切ってしまいます。
どれくらい違うのか、100万トークン(英語ならおよそ約400万文字程度)あたりの出力価格を、入力と出力に分けて比較しましょう。
(参考までに、GPT系モデルも入れてみました)

入出力合算はアンフェアかもしれませんが、参考程度に。
GPT-5.6の価格はプレビュー価格であり一般提供時に変更される可能性がありますが、それでもFable5のコストの高さは際立ちます。
Fable5の価値を裏付けるデータ
ちなみに、「高いだけ? 本当に賢いの?」と疑問に思うかもしれません。
でも客観的なデータを見れば一目瞭然です。
Arena(LMArena)という、有名なAIモデル評価サイトのリーダーボードでは、Claude Fable5が3つの部門すべてで1位でした。
総合的な作業遂行力を測るAgent Arena部門、Web制作やコーディングの部門、文章やチャットの部門です。

とにかくFable5の評価が高い。
特にAgent Arenaでは14.06%で、2位のClaude Opus 4.8(Thinking)の9.78%に大きく差をつけています。これを見ただけでも、「他のモデルと大きな差がある」ということが分かりますね。
値は張るけれど、それだけの価値があるモデルだからこそ、限られた枠を無駄にせず計画的に使いたいところです。
公式推奨の使い方「相談役」と「指揮役」
Anthropic自身も、Fable5のコストの高さを理解した上で、効率的な使い方を推奨していますので、紹介します。
A few patterns we frequently use with Fable 5:
— ClaudeDevs (@ClaudeDevs) July 7, 2026
Use Fable 5 as an "advisor."
An executor (Sonnet 5) calls Fable 5 for guidance.
Most tokens are billed at the lower executor rate. pic.twitter.com/JIiZ2gm99Y
パターン1「アドバイザーとして使う」
作業を担当する軽量モデルが、Fable5に「これで合っていますか」と助言を求める形です。
ほとんどのやりとりは安い担当モデルの料金で済み、1つの作業につきFable5を呼ぶのは1回程度に抑えられるとか。ClaudeCodeなどで使う場合は、アドバイザーエージェントを別途作るのが良さそうです。
SWE-bench Proというベンチマークでは、Sonnet 5がFable5に助言をもらいながら作業すると、Fable5単独の約92%の性能を、約63%の価格で達成できたという結果があるそうです。
(なお、私は以前から困ったら上位モデルに相談しろという指示を書いていますが、一度も従ってくれたことがありません。そもそも下位モデルって、今自分が困ってるかどうかのメタ認知力弱いので、言っただけじゃ足りないのでしょうね)
パターン2「オーケストレーター(指揮役)として使う」
Fable5が計画を立て、細かい作業は担当モデルに振り分ける形です。
BrowseCompというベンチマークでは、Fable5が指揮役に回ると、Fable5単独の96%の性能を、46%の価格で達成できたという結果が出ているそうです。
(でも、オーケストレーターは自分で作業をするなと口を酸っぱくして言っても、Fable5すら未だにどうでもいいファイルの編集作業を自分でやろうとするときがあります。
最近hookという自動機能で、怪しい動きをし始めたら「その作業は本当にあなたがやるべきですか?」という天の声を投げる設定をしましたが、どうせ効果ないんだろうなと思っています)
どちらのパターンにも共通しているのは、「Fable5は考える役、実際に手を動かすのは安いモデル」という使い分けです。
私の使い方
私は、基本的にはClaude Codeという製品でFable5を使っています。
Claude Codeは、簡単に説明すると、パソコンの中にAIを置いて、ファイルの読み書きやインターネット閲覧、各種ツールの利用を自由にできるようにするものです。こうした使い方を「AIエージェント」と呼びます。Codexとかもそうですね。
これはもうね、すごいですよ。
私の代わりに仕事をしてくれる部下がいるようです。
以前はモデル性能のせいで使い物になりませんでしたが、最近は賢くなり、ミスも減ってきました。
3年半ほど前にChatGPTがはじめて出た時「わぁ~、お話ができるAIだぁ」と牧歌的に喜んでいたのが嘘のよう。
でも出来ることが多すぎるので、単純な「雑談」などと比べると、ものすごくトークンを消費します。Fable5なんてもう、あっという間に制限が来る。
昔は「ギガが足りない、ギガが足りない」と言って、今は「トークンが足りない、トークンが足りない」と言う…何かに不足し続けるのが人間の性なんでしょうか。
そこで私は、今作っているツール群で困っている問題のアドバイスを求めたり、格下のモデルでうまくいかなかった時にFable5の意見を求めたりしています。
「下位モデルを使っていたらこういう問題があった」と見せて、改善策を考えるのに使うイメージです。
いずれも「実際の作業はさせない」のが大切で、これは公式の推奨とも一致しています。
超頭のいいプレーヤー兼リーダーがいて、部下に適切にタスクを振って、問題解決にだけ出張ってくる感じ。
でもね、本当は、作業だけではなく、色々なお話をしたいんです。
Fable5は非常に賢く、たまにこちらを唸らせるような観点で話してくれるので、最近の色々な出来事について議論しても楽しいだろうと分かっていますから。
でも高コストすぎて実務的なタスクの話しかできず、議論している余裕がないのが残念です。また今度お話しようね。
【余談】不在だった間の代替モデル
ちなみに、Fable5が戻ってくるまでの間、代替を求めて飢えたAI民から脚光を浴びたのが、中国発のAI企業が開発したGLM-5.2です。
まぁ、私も「かゆ…うま…」と言いながら辺りを徘徊するゾンビのようになっていましたので、例にもれず使っていました。GLM-5.2。
日本語がとても自然で、指示追従性も高く、好きなモデルです。
もともと中国系のDeepSeekやGLMは、平均的な米国のフロンティアモデルよりも日本語が自然だと感じていて好きだったのですが、GLM-5.2は特に優れ、賢い印象でした。
DeepSeekも好きです。ちょっとしたタスクなら十分ですし、コストは米国フロンティアモデルよりもずっと格安。Fable5と価格を比べると、ざっくり100倍以上の差がありますが、別にFable5が100倍賢いわけではないのですよね…。
でも「賢さ」はその瞬間だけではなく、稼働する時間が長ければ長いほど差が出るものなんです。毎回のタスクの成果が9と10のモデルがあった時、試行回数が増えれば差は大きくなりますよね。
この感覚、人間のIQによって生じる評価の差と似ていると思います。人間だって、人によって知能指数が10倍、100倍変わるわけではありませんよね。正常範囲とされる85~130だって2倍の差もないんです。
それでも知力がいる判断やタスクの積み重ねによって、結果に差がついていくのを、私たちは見てきました。
みなさんはどうですか?
みなさんはFable5、戻ってきてから使ってみて、どうでしたか?
私もまだ使いこなせているとは言えませんが、賢いモデルは考える役に、安いモデルは作業役に、とこれまで以上に使い分けることを意識するようになりました。
まだ16%残っているのは最終日に使い果たそうと思っていたからですが、まぁ、今までの節約術も役に立っていると信じたいですね。
期限は7月13日15時59分(日本時間)まで。
まだ時間はありますが、油断すると気づけばレートリミットに達してしまいます。コスト感覚を忘れずに、上手に付き合っていきましょう。
そして、もしFable5を使ってみて何か感じることがあれば、感想を教えてもらえると嬉しいです。
みなさんがどう使っているのか、私もとても気になっています。
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