「空白」が怖かった私が、暮らしの余白を好きになるまで。①
最近、「ワークライフバランス」という言葉をよく耳にします。
直訳すると、仕事と生活の調和。
内閣府のホームページでは、ワークライフバランスについてこのように書かれていました。
我が国の社会は、人々の働き方に関する意識や環境が社会経済構造の変化に必ずしも適応しきれず、仕事と生活が両立しにくい現実に直面している。
という一文から始まり、
今こそ、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならない。
と、続けられています。
▼ 内閣府ホームページはこちら。
ざっくり言うと、仕事と生活のバランスを大切にする考え方であり、今の私はその考え方にとても共感しています。
しかし少し前までの私は、そうではありませんでした。
仕事を頑張ることは良いこと。
忙しいことは充実している証拠。
やるべきことを終わらせることが最優先。
そんな価値観で生きていました。
もちろん、仕事が嫌いだったわけではありません。
むしろ楽しく、好きなときも多くありました。
誰かの役に立てることもうれしかったし、自分なりに責任感を持って取り組んでいました。
だからこそ、気づかなかったのだと思います。
私は少しずつ、「余白」を失っていました。
予定が埋まっていてもなぜか満たされない
手帳の空白を見るのが苦手でした。
空いている時間があると、「何か予定を入れなきゃ」「もっと有効に使わなきゃ」と、そんなふうに思っていたのです。
平日は仕事。休日は家事や買い物。
空いた時間があれば、やらなければいけないことを片付ける。
気づけば、手帳の中は予定でいっぱいでした。
でも不思議なことに、満たされている感覚はありませんでした。
やることを終えても、「次は何をしよう」と考えてしまいます。
ひとつ終われば、また次。
達成感よりも、終わっていないタスクのほうが気になる。そんな毎日でした。
当時の私は、それが普通だと思っていました。
大人になったらみんなそうなのだと。
今、あらためて振り返ると、ずっと走り続けていたような気がします。
生活スタイルが変わり、考え方も変化
そんな私の考え方が少しずつ変わり始めたのは、生活スタイルが変わったことがきっかけでした。
パートナーとの将来について考えることが増えました。
家族との時間も以前より大切になりました。
なにより大きかったのは、父の手術です。
手術そのものは無事に終わりました。
でも私は、その待ち時間の中でたくさんのことを考えました。
病院の待合室で本を読んだり、ぼんやり窓の外を眺めたりしながら。
「人生って思ったより短いのかもしれない」
そんなことを考えていました。
父は元気です。
でも年齢を重ねれば、家族にも変化が訪れます。
ずっと今のままではいられません。
そのとき初めて、自分の時間の使い方について考え直しました。
私は本当に大切なものに時間を使えているだろうか。
仕事ばかりになっていないだろうか、と……。
▼ 父の手術に際して感じたこと、考えたことを綴っているnoteはこちら。
思い切って手帳を買い替えてみた
手帳を買い替えました。
選んだのは無印良品の手帳です。
以前使っていた手帳に不満があったわけではありません。
しかし、なんとなく今の自分に合わなくなっている気がしていました。
実際に見返してみると、その理由はすぐに分かりました。
そこに書かれていたのは、予定とタスクばかりだったからです。
何時に何をするか。
いつまでに終わらせるか。
やることリストと、仕事の予定。
まるで業務管理表のようで、そこには「私」がいませんでした。
その日どんな気持ちだったのか。
何を楽しいと思ったのか。
どんな時間を大切にしたいのか。
そういうことは何も残っていなかったのです。
▼ 手帳を買い替えたときのことと、そのあとのことを綴ったnoteはこちら。
手帳を予定管理に使うのは向いてなかった
手帳を変えたことで、一番変わったのは書く内容でした。
以前は予定を書いて終わりでした。
でも今は違います。
読書の記録。運動の記録。
noteのアイデア。その日に感じたこと。
家族との予定。パートナーと会う日。
うれしかったこと。楽しかったこと。
悲しかったことも、つらかったことも。
思うままに書くようになりました。
たとえば、パートナーとゆっくりご飯を食べる予定。
以前なら手帳に書くことはなかったと思います。
でも今は違います。
私にとって大切な予定だからです。仕事だけが予定ではありません。
家族との時間も。
好きな本を読む時間も。
noteを書く時間も。
全部、自分の人生をつくる時間です。
そのことを、手帳を通して少しずつ実感するようになりました。
空白を埋めるのをやめたらラクになった
手帳を変えたことで、スケジュールの考え方も変わりました。
以前の私は、空白を見ると埋めたくなっていました。
空いているなら何かできるはず。
もっと効率的に使えるはず。
そう思っていたのです。
今は、空白をあえて残しています。
予定は詰め込まないようにし、手帳を書けなかった日もそのままにするようになりました。
何もしない時間。本を読む時間。ドラマを見る時間。散歩する時間。
そういう時間を最初から確保するようになりました。
最初は少し不安でした。
「こんなにのんびりしていていいのかな」と思うこともありました。
しかし実際にやってみると、気持ちが驚くほどラクになったのです。
noteを書く時間も余白のひとつだった
そしてもうひとつ。
私にとって大切な「余白」になったのが、noteを書く時間でした。
以前の私は、自分の気持ちを整理する時間をあまり持っていませんでした。
でもnoteを書くようになってからは、手帳を見返したり、本を読んだときの気持ちを思い出したり、パートナーとの出来事を振り返ったり……。
そうやって言語化して、振り返る時間ができました。
誰かに伝えるために書いているようでいて、実は自分自身と向き合う時間にもなっていたのです。
だから今では、noteを書く時間も大切な予定のひとつになっています。
以前の私は、空白や余白はヒマな人が持つものだと思っていました。
でも、違った。本当は、余白は忙しい人ほど必要なものなのかもしれません。
仕事を頑張ることは素敵です。
しかし、人生は仕事だけではありません。
家族も。パートナーも。自分自身も。
すべて同じくらい大切です。
そして、その大切なものに気づくためには、少し立ち止まる時間が必要でした。
私が余白を取り戻せたのは、時間が増えたからではありません。
余白を作ろうと決めたからです。
少し長くなってしまったので、今日はここまでで、前編ということにします。
後編では、AIとの出会いや「休む勇気」について書いてみたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
▼ 後編の ② はこちら!
