衝撃のデビュー「レッツゴーニャンニャン」[茶トラ猫まいけるアイドル伝説] 第3話
〜六本木の夜、ミラーボールに誓った肉球〜
ついに、まいけるたち「ニャらシ」のデビューが決まりました。
ニャらシはデビュー曲を、何回も練習していた「雨のちチュール」を予定していましたが、ジャニー猫さんが用意した舞台は、泣く子も黙る東京・六本木の伝説的ディスコ「マハラニャ」でした。
黄金の装飾と巨大なミラーボールが回る、猫界・人間界を通じてもっとも華やかで、もっともシビアな場所です。
まいけるたちは、デビューにあたり、いくつかの曲を、秘かに準備していました。
そして、この六本木の「マハラニャ」で、最も猫のジャンプパフォーマンスが出る、ノリノリの曲「レッツゴーニャンニャン」にすることをジャニー猫さんに嘆願しました。
1. 緊張の六本木、またたびの罠
デビュー当日の夜。六本木の交差点には、お洒落に着飾ったセレブ猫や、最新の毛並みをチェックしに来たギョーカイ猫たちが続々と集まっていました。
バックステージでは、まいけるたちが極度の緊張に震えていました。
「ねえ、見てよ。あのミラーボール……。あれ、巨大なレーザーポインターの光が何千個も出てるようなもんでしょ? 追いかけ出したら踊りどころじゃないわよ」 クールなルナが、珍しく尻尾をパタパタと激しく振って不安を隠せません。
そこへさらなる悲劇が。
メインボーカルのプリンが、緊張をほぐそうと楽屋に置かれていた「最高級・大間産またたび」を少し舐めたところ、あまりの効き目に喉がトロットロになり、歌声が「ニャ〜ン(超低音)」と、まるでおっさん猫のようなガラガラ声になってしまったのです!
「YOUたち、何やってるの! 出番まであと5分だよ!」 ジャニー猫さんのカミナリが落ちます。
2. まいけるの「猫の手」大作戦
「プリン、大丈夫だよ。僕たちがコーラスで支えるから!」 まいけるは、パニックになるメンバーの背中を、一匹ずつ優しく「猫パンチ(マッサージモード)」で叩いて回りました。

「いいかい、みんな。僕たちは代々木の路地裏で、小さなサッカーボール一つで笑い合ってた仲間だ。あんな豪華なミラーボールより、僕たちの瞳の方がずっと輝いてる。六本木の猫たちに、野良の底力を見せてやろうぜ!」
まいけるの言葉に、メンバーの瞳に再び火が灯りました。プリンも喉をゴクンと鳴らし、気合を入れ直します。
3. 開演!「レッツゴーニャンニャン」
会場の照明が落ち、真っ赤なレーザーが交差します。 重低音のビートが「ドッドッ」と床を揺らし、猫たちの本能を揺さぶります。
「レディース・アンド・ジェントル・キャッツ! ニャらシ、オン・ステージ!」
ジャニー猫さんのアナウンスとともに、5匹がステージ中央へせり上がってきました。彼らの首には、ミラーボールの光を反射する「特製スパンコール首輪」がキラキラと輝いています。
イントロが流れます。デビュー曲のタイトルは『レッツゴーニャンニャン』。 アップテンポでキャッチー、一度聴いたら耳から離れない、猫界のアンセムとなる一曲です。
(歌詞の一部) 「レッツゴー! ニャンニャン! 尻尾を立てろ」 「レッツゴー! ニャンニャン! 爪は隠すな」 「今夜の月は マタタビ色さ 踊り明かそう 宇宙の果てまで」
4. 伝説の「キャット・グルーヴ」
サビに差し掛かると、まいけるたちは第2話で猛特訓した「シンクロ・ステップ」を披露。 5匹の動きが完全に一致し、残像が見えるほどのスピードでステージを駆け抜けます。

心配されたプリンの歌声も、アドレナリン(と、少しのまたたび)の効果で、かつてないほどのハイトーン・ボイスへと変貌。
六本木の目の肥えた観客たちも、次第にリズムに合わせて前足を叩き(クラップ)始めました。
圧巻は、間奏部分の「大ジャンプ・フォーメーション」。
まいけるがレオの背中を台にして高く跳び、空中三回転ひねりを見せながら、着地と同時に完璧な「カメラ目線」でウィンク!
その瞬間、会場中の雌猫たちが「ギャーッ!」という歓喜の鳴き声を上げ、失神する猫が続出しました。
5. 黄金の夜明け
演奏が終わると、会場は割れんばかりの拍手……ではなく、猫たちの熱狂的な「ゴロゴロ音」に包まれました。
その地鳴りのような響きは、マハラニャの建物を揺らすほどでした。
ステージの袖で、ジャニー猫さんがそっと右手で右目を撫でました。その目には、小さな涙が浮かんでいたかもしれません。
「……YOUたち、時代を変えちゃったね。」
この夜を境に、日本のエンターテインメント界に「ニャニーズ」という旋風が巻き起こることになります。
翌日のスポーツ紙(キャット・タイムズ)の1面には、大きくこう書かれました。
『六本木に新星降臨! 茶トラのまいける、全猫の初恋泥棒に!』
しかし、栄光の影には、必ず「嫉妬」と「試練」が忍び寄るものです。まいけるたちの快進撃は、同時に厳しい猫社会の荒波へと彼らを突き動かしていくのでした。
第3話 完
次回予告
デビュー曲の大ヒットで、一躍トップアイドルとなったニャらシ。 しかし、超過密スケジュールのせいで、おもちが「アイドルとしてのアイデンティティ」を見失ってしまう!? 「僕、もう踊るより、ただの座布団になりたい……」 おもちの失踪!
そして彼らがたどり着いたのは、不夜城・新宿歌舞伎町。ネオンが激しく、野良猫たちが鋭い目で獲物を狙う、代々木の路地裏よりもずっと危険な街だった。!
第4話:黄金の時代、キラキラの首輪 をお楽しみに!
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