アメリカ/ハリウッドが日本アニメに与えた影響
皆さんは、この人物↓↓をご存じですか?
氷川竜介(1958年生まれ)

はい、明治大学大学院特任教授にして、アニメ/特撮評論家の氷川竜介さんです。
私の知る限りで、現在「日本で最も権威あるアニメ/特撮評論家」だと思う。
あの庵野秀明からの信頼も厚く、最近では彼の参謀役のようなことをやっているし、あの「オタキング」岡田斗司夫でさえ、氷川さんのことは「本物」と認めてましたからね。
で、やはりこういう本職の方の話を聞いてると、目からウロコということが時々あるんですよ。
特に私が好きなのは氷川さんの「ロボットアニメ史観」で、まず、もともとの私自身の「ロボットアニメ史観」は次のような感じのものだったのね。
鉄腕アトム
⇓⇓⇓
鉄人28号
⇓⇓⇓
マジンガーZ
⇓⇓⇓
ガンダム
⇓⇓⇓
エヴァ

しかし、氷川さんの史観はもう少しヒネったもので、
ゴジラ
⇓⇓⇓
ウルトラマン
⇓⇓⇓
マジンガーZ
⇓⇓⇓
ガンダム
⇓⇓⇓
エヴァ

という捉え方らしい。
なるほど、まずは<巨大怪獣>ありきだ、と。
特に氷川さんが重要に捉えてるのが「ウルトラマン」⇔「マジンガーZ」における継承らしく、
巨大怪獣(「ウルトラマン」)⇒機械獣(「マジンガーZ」)
巨大化宇宙人(「ウルトラマン」)⇒巨大ロボット(「マジンガーZ」)
というカタチで、永井豪先生はきっちりと円谷プロの精神を引き継いでいるんだ、と。


なるほど。
仮にそう捉えるのならば、「エヴァ」は「ガンダム」の継承というよりは「ウルトラマン」と「マジンガーZ」の間にあるミッシングリンク的位置にハマる作品なのかもね。

そう考えると、系譜の中で「ガンダム」だけ少し浮いちゃってる感があるともいえるのかな?
せっかく「マジンガーZ」の世界(漫画っぽい世界観)からリアル戦記寄り(小説っぽい世界観)に歩みを一歩進めたのが富野由悠季最大の功績だっただろうに、こういう表現は少しあれだが、庵野秀明はなかば確信犯的に時計の針を「ガンダム」以前に巻き戻しちゃったわけよね。
また怪獣(「ゴジラ」「ウルトラマン」)に戻ってるじゃん(笑)。
ただ語り口は決して「漫画っぽい」カタチではなく、敢えて「小説っぽい」カタチにアレンジしてるあたりが巧いところではあるが・・。
面白いなぁ・・と思う。
文化は、歳月を重ねればそれに合わせて一定方向に上へ上へと進化していくものかと思わせといて、そうじゃなく、どっちかというと「ループしてる」わけよね?


確かに、そうかもしれんよなぁ・・。
ただ一定方向に上へ上へと進化していく構造ならば、数十年前のコンテンツなんざ、もう今は古臭くて見るに耐えないシロモノだろう。
でも実際は、古いアニメ/古い特撮などを見ても意外なほど今でも楽しめるのよ。
もっといえば、今から70年前の黒澤映画(モノクロ)を見ても十分楽しめるし、いやもっといえば、千年以上前の「源氏物語」でさえも今なお楽しめるでしょ?
とどのつまり、このてのコンテンツは語り口を時代に合わせて変化させてるにすぎず、案外コンセプトのところではずっとループしてるのかもしれないよね。


上のふたつの画は、後に東宝/円谷プロが「ゴジラ」の元ネタにしたとされる有名なハリウッド映画である。
ふたつとも着ぐるみタイプじゃなく、ストップモーションアニメなんだけどね。
氷川竜介的には、このふたつこそが「日本ロボットアニメ史」のルーツオブルーツなのかも。
さすがはエンタメ王国アメリカだと思う。
ただし、このアメリカですら思いっきりループしてるんです。
皆さんは、この映画↓↓見たことある?
「ゴジラvsコング」(2021年)

昭和生まれの人は、当然これ↓↓を思い出したでしょう。
「キングコング対ゴジラ」(1962年)

半世紀以上も経って、またここに戻ってきたんだね(笑)。
しかし、やっぱアメリカの3DCG技術水準は高いわ~!

「ゴジラvsコング」見た後に「キングコング対ゴジラ」を見ると、
正直、もうグダグダ・・(笑)

もはや着ぐるみの時代じゃなく、3DCGの時代なんだということを痛感させられましたね。
ちなみに「ゴジラvsコング」は
メカゴジラも出てきます

付け加えて、このメカゴジラ操縦するのが彼↓↓です。
小栗旬

彼は、かつてハリウッド版「ゴジラ」で渡辺謙が演じた、芹沢博士の息子という役柄。
雰囲気的に強キャラ感を漂わせた登場だったし、ハリウッドデビューとしては申し分ない役柄だな・・と思ってたんだが、
この面白い顔をラストに、彼の出番は呆気なく終わりました・・

この小栗旬の醜態を見られるだけでも視聴価値のある作品なので、未見の方はぜひ一度ご覧になってみてください。
あと、ついでに触れておきたいハリウッド映画がこれ↓↓です。
「パシフィックリム」(2013年)

さすがに、これは皆さんもご覧になってるでしょう。
地上波でも複数回放送してたし。
正直、この映画が日本人に与えた衝撃はかなり大きかったですよ。
「・・えっ、日本のサブカルって、外国人からそんなに愛されてたの?」
と、私はこの映画を見て初めて実感しましたね。
‥いや、厳密にいうとそれまでもタランティーノなど日本サブカルのファンを公言する人はいたんだが、でもタランティーノは変人っぽい雰囲気あったし、こういう人はあくまで少数派だろうな、程度に思ってたのさ。
ところが、今度はあの「パンズラビリンス」でお馴染みギレルモデルトロが思いっきり日本の巨大ロボットアニメのオマージュじゃん?

しかも、メインヒロインが菊地凛子って・・

当然菊地さんは英語で演じてるんだが、日本でテレビ放映された時は日本語吹替版になってて、しかし、その吹替がなぜか菊池さんじゃなく林原めぐみだったんでしたよね(笑)。
普通、こういうのは本人がやるもんじゃないのか?

一体どういう経緯でこういうcvになったのかは知らんが、おそらく制作側の「このマコというキャラを綾波レイに寄せたい」という意思だと思う。
確か、マコのキャラ設定は綾波が碇司令に忠実なのと酷似して、スタッカー司令(演/イドリスエルバ)にやたら忠実な女子だったし。

・・あるいは、林原めぐみcvはデルトロ監督のリクエストだった可能性も十分あるわな(笑)。
これだからオタクってやつは・・。
あと、この映画で特に面白かったのはイエーガーという機体の特殊な操縦法である。
搭乗者の動きとシンクロして機体が動くというシステム

思いっきり「機動武闘伝Gガンダム」やんw

妙にシブいところを拾ってくるなぁ~
でもホント、こういう細かい日本サブカルのオマージュが、私は当時見ててとても嬉しかったんです。
「日本のコンテンツは非常に面白いぞ」とハリウッドから公式なお墨付きを与えられたみたいで、なんか自信のようなものが湧いてきたのをよく覚えている。

思えば全ては大昔、「キングコング」「原子怪獣現わる」というハリウッドコンテンツから始まった流れである。
そのカルチャーが、極東の島国で何十年も熟成された末にガラパゴス化し、やがて今度は、その変容したカルチャーが本場アメリカに衝撃をもって受け入れられてるという、実に面白い循環。
・・そうそう、「パシフィックリム」は今なおシリーズが継続中なんだが、どうも第2作目の締め方を見る限り、第3作目は毎回怪獣が送り込まれてくる「門(ゲート)」の向こう側にこっちから攻めていき、いよいよ最終決戦という展開になりそう。
でもさ、それって
思いっきり「ワールドトリガー」やん(笑)!!


なんかね、世界一のエンタメ王国であるアメリカに対し不遜なものの言い方になるかもしれんが、
ぶっちゃけ、今「アイデア」という点ではハリウッドより日本のサブカルの方が一歩先を行ってませんか?
いや、「ゴジラvsコング」見ても「パシフィックリム」見ても、その映像の凄さでは「負けた・・」と思う一方、プロットでは「日本のアニメ/漫画の方がレベル上じゃね?」と感じちゃって・・。
不遜なことをすみません。
・・あ、でも個人的に「ゴジラvsコング」のあれは非常に気に入りましたよ。
それはもちろん、小栗旬の雑な扱い方だけど(笑)


ただ「怪獣8号」原作者の松本先生は、自分の作品が「パシフィックリム」に着想を得たものだということを公言なさってるみたいですね。

いまや、日米でボールが行ったり来たりという時代なんだな?
まぁ、近いうちに「怪獣8号」を実写化する予定があるなら、その時は是非ハリウッドで経験を積んだ小栗旬を主役に起用してあげてください。
彼、かなりイイ感じで白目むきますから。


