SoFi株の理論株価は38ドル──Anthony Notoのロジックを完全再現
※本稿は、YouTube動画「EXCLUSIVE: Anthony Noto Reveals SoFi’s 2026 Roadmap」で示された、SoFi CEO Anthony Notoの株価評価ロジックをもとに執筆したものである。
「適正株価はいくらか」という問いに対して、多くの投資家はPERや直近の業績をもとに判断する。
しかし、Notoは一貫して、
・株価は将来の利益成長を基準に評価すべきであり、
・そのために「PEGレシオ」を用いるべき
という立場を取っている。
本稿では、
・「PEGレシオ」と「割引現在価値」という2つの軸から、
・現在のSoFi株がなぜ割安と考えられるのかを整理する。
※Anthony Notoは、ゴールドマンサックス在籍時は、Amazonをはじめとする高成長企業を評価する一流アナリストであった。したがって、このPEGベースの評価手法は後付けの理屈ではなく、Notoが用いていた実務的なフレームワークである。
<PEGレシオとは>
株価が利益成長に対して割安かどうかを評価する指標であり、
・「PEGレシオ = PER ÷ EPS成長率」で計算される。
目安は「1倍未満:割安、1.0倍前後:中立、1.5倍以上:割高」とされることが多い。
※同じPER 20倍でも、利益成長が年10%と40%の会社では、割高・割安の意味合いが異なってくる。当然、利益が大きく伸びる会社のほうが、高いPERでも正当化される。
<Notoの株式評価ロジック>
Notoの株価評価の流れは極めて明確で、以下4ステップである。
1. SoFiの利益成長率を前提として置く
2. PEGレシオから適正PERを逆算する
3. 将来株価を算出する
4. それを現在価値に割り引く
SoFiは、2028年までのEPS年平均成長率は38〜42%という中期ガイダンスを示している。この利益成長率40%(中央値)に対し、Notoは金融サービス企業のPEGレシオの水準として1.1倍を用いる。
すると、適正PERは「1.1 × 40% = 44倍」となる。
PERを恣意的に置いているのではなく、「成長率から逆算」している点がポイントである。そして、このPER 44倍を将来のEPSに掛け合わせることで、将来の理論株価が導かれる。
※PERを成長率から逆算というのは、
・「PEGレシオ = PER ÷ EPS成長率」から、
・「PEGレシオ × EPS成長率 = PER」へ計算式を変換。
・そのうえで、金融サービス企業のPEGレシオ1.1を採用し、
・EPS成長率40%を乗じて、
・「1.1 × 40% = PER 44倍」を算出しているということである。
なお、現在の市場全体のPEGは1.4〜1.5倍程度とされているため、SoFiのPERは理論上、60倍程度(1.5×40%)まで許容される余地もある。
<株価は「割引現在価値」で評価される>
しかし、「将来の株価 = 現在の株価」ではない。
なぜなら、時間とリスクが存在するからである。
そこで登場するのが「割引現在価値」である。考え方はシンプルである。
・将来の価値を一定の割引率で「現在の価値」に直す必要があり、
・Notoは割引率12%を採用し、計算している。
例えば、
・3年後の理論株価50ドル、割引率12%の場合、
・現在価値 = 将来価値 ÷ (1 + 割引率)^年数 という計算式から、
・現在価値 = 50 ÷ (1.12³) ≒ 35.6ドルとなる。
※割引率12%という水準は、固定値ではない。米国株の長期リターンが約8〜10%とされる中で、成長企業特有の不確実性を加味すると、10〜14%程度が一つの目安となる。その中で12%は、楽観でも悲観でもない、バランスの取れた割引率と言える。
<このロジックは実際の契約にも反映されている>
Notoは、2025年8月に自身が締結した資金調達スキームについて、この株価評価ロジックを基に設計した旨の発言をしている。
この契約において、
・満期:2028年8月28日
・キャップ価格:49.18ドル
という条件が設定されている。
すなわち、
・将来EPSに対してPEGレシオ1.1を適用し、
・そこからPER 44倍を念頭に置いた結果、
・2028年8月末の株価として49ドル水準が設定された
と整合的に説明できる。
※ここからNotoは、2028年のEPSを1.12程度(49.18ドル ÷ PER 44倍)に見ていると考えられる。これは2025年EPS0.39ドルから、会社ガイダンスの通り、2028年まで年40%前後で成長した場合のレンジ感とおおよそ整合的である。(0.39 × 1.4 × 1.4 × 1.4 ≒ 1.07)
<現在の株価が意味するもの>
重要なのはここからである。
このNotoが想定する2028年8月末の株価を、割引率12%で現在価値に引き直すことで、「今の株価が割安かどうか」が判断できる。
2028年8月末時点の49.18ドルを、年12%で2026年4月末までの約2年4カ月割り引くと、
・49.18 ÷ (1.12^2.333) ≒ 37.8ドルとなる。※1.12^2.333 ≒ 1.30
この前提に基づけば、現在の株価は「理論値の約40%水準」という安値で放置されていることになり、大きな上昇余地が示唆される。
※ここでの理論株価は「EPS成長率40%」「PEG1.1倍」「割引率12%」という前提に基づく試算であり、前提が変われば算出値も変動する。
ここまでの前提を踏まえると、現在の株価の意味が見えてくる。
現時点のPEGレシオは0.68 となり、かなり割安な水準にあると考えられる。
・2026年4月10日時点の株価終値16.22ドルと
・2026年の予想EPS 0.6ドルから、
・予想PERは27.0倍(16.22 ÷ 0.6ドル)となる。
・EPS成長率40%を前提に評価すると、
・PEGレシオ = 27.0 ÷ 40 = 0.68
※上記EPSは上方修正されると見ているため、さらに割安の可能性もある。
※私自身のEPS予想は0.7のため、同様の計算からPEGレシオは0.58となる。
もし市場がこのような低いPEGレシオで評価しているとすれば、
・市場は会社ガイダンスの通りに成長しないと見ている
・あるいは、割安に市場に放置されている
のどちらかになる。
しかし、
・利益成長40%が実現し、
・PEGが1.1程度で評価されるという前提に立てば、
・PER 44倍は正当化され、株価はいずれ上昇する。
<まとめ>
株価を考えるうえで重要なのは、将来の成長とその評価方法である。
Notoが示しているロジックは一貫している。
・PEGレシオで成長とPERを結びつける
・将来利益から株価を導く
・それを現在価値に割り引く
そしてこの考え方は、自身の資金調達契約にも反映されており、
・「語っていること」と「実際の行動」が一致している。
また、SoFiの現在の株価は、40%成長を前提に見ればかなり割安である可能性が高い。
これは単なる楽観ではなく、「PEGレシオ」と「割引現在価値」というロジックに基づいた、合理的な評価である。
スキ💖やフォロー🍀で応援してもらえると嬉しいです🌿 SNSでの拡散もお願いします!!
📌2026年2月からメンバーシップを始めました。初月は無料です。ご加入いただければ、過去の有料記事や掲示板の投稿もすべて読めるようになります。
【免責事項】 本ブログは情報提供を目的とし、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。内容は執筆時点の情報に基づき、将来的に変更される可能性があります。投資判断は自己責任で行い、十分な調査のうえ決定してください。本ブログの内容を基にした投資損失について、当方は一切の責任を負いません。また、外部リンクや第三者情報の正確性も保証するものではなく、各自の判断でご利用ください。

