SoFiは2026年も上振れるのか?成長ドライバーとリスクを徹底整理【前編】
過去6回にわたり、2026年のSoFiの売上予測を行った。
・SoFiの2026年業績は保守的すぎる。上方修正が濃厚な3つの理由
・SoFi会社ガイダンスに基づく売上想定
・ローン事業
・金融サービス事業【前編】
・金融サービス事業【後編】
・技術プラットフォーム事業
※各費用項目を詳細に確認したところ、会社ガイダンスでは保守的な利益率設定がされているようには見えなかった。よって、利益率については、検証の対象とはせず、売上の上振れ余地から業績上方修正の可能性を探った。
売上予想をまとめると以下となる。
【SoFi会社ガイダンスに基づく売上想定】
SoFiはセグメント別の前年比売上を、以下のように発表している。
・ローン事業:約+23%
・金融サービス事業:+40%以上
・技術プラットフォーム事業:大口顧客の移行を除いたベースで約+20%
この数字に基づき、以下の通り数字を組み立てると、会社ガイダンスの売上46.55億ドルになる。
※技術プラットフォーム事業も、“大口顧客の移行を除いたベースで”+20%を想定して数字を組み立てると下記の数字となる。

※内部資金移転(FTP:Funds Transfer Pricing):銀行内部で、資金を調達する部門と資金を運用する部門の間に「内部金利」を設定し、資金を貸し借りしたものとして収益を配分する仕組み(例:預金部門とローン部門)。
【私自身の予想】
・ローン事業:約+35%
・金融サービス事業:約+59%
・技術プラットフォーム事業:大口顧客の移行を除いたベースで約+20%
この数字に基づき、以下の通り数字を組み立てると、売上51.7億ドルとなる。

<会員数>
・会社ガイダンス“少なくとも”+30%増に対し、
・+34%増(2025年末1,365.1万人→2026年末1,829.2万人)と予想
<EPS>
・会社ガイダンス0.60ドル(+53.8%増)に対し、
・0.70ドル(+79.5%)と予想
※EPS計算方法
会社ガイダンスに基づくと、2026年は売上成長率に対してEPS成長率が約1.82倍(53.8%÷29.6%)という関係性がある。そのため、売上は前年比+44.0%という予想の下、EPSは0.70ドルとしている。
・売上成長率+44% × 1.82 = EPS成長率+80.1%
・0.39 × 1.801 = 0.70ドル
もし予想通り、EPS 0.70ドルに到達することができ、2027年もEPS+40%成長を記録することができれば、2027年にもEPS 1ドル超えが視野に入ってくる。
ここから、上振れ要因と下振れ要因を整理していく。
<上振れ要因>
まず王道として考えるべき上振れ要因は、
・会員数増加→利用サービス数増加→ローン・金融サービス事業の売上増加
である。
2026年はSoFi Plusが、会員数と利用サービス数のさらなる押し上げに一役を買う可能性がある。
◆SoFi Plus
先日、SoFi Plusの特典がアップグレードされ、預金残高2万ドルまで、預金金利4.5%が適用されるようになった。これは、米国のオンライン銀行の中でもトップクラスの水準である。
これは新たな預金・会員獲得手段となると同時に、SoFi Plusは“行動変容装置”、すなわち「複数の商品を使い始める仕組み」として働く。
CEO Anthony Notoが「SoFi Plus加入者の40%が3つ目の商品を利用する」と繰り返し述べているように(2025年末の会員あたりの平均利用商品数は1.48)、SoFi Plus加入者による利用商品数増が期待できる。
すなわち、SoFi Plusは預金増・会員数増につながるだけではなく、クロスセル率も上昇する。その結果、会員あたりの利用商品数が増加していき、売上増加と利益率改善が同時に進んでいく。
※SoFi Plusを通じた預金増加は、預貸率の低下をもたらし、融資の原資が増えることから、ローン事業の売上拡大要因にもなっていく。
◆技術プラットフォーム事業
CEOのAnthony Notoは、2026年第1四半期以降に収益化フェーズに入りつつある案件が10件程度あると述べている。
そのなかには、次の話もあった。
・米国財務省によるDirect Express(銀行口座を持たない受給者が米国政府の給付金を受け取るための政府公式デビットカード・プログラム)における採用 ※Anthony Notoはこれを“Huge home run”(巨大なホームラン)と表現
・米国に拠点を置く大手金融サービスプロバイダーとの提携により、「2026年の早い段階にGalileoのプラットフォームに完全移行すれば、Galileoにとってトップ10の顧客になる」
しかし、これらは2026年第1四半期以降の決算を確認しないと具体的な規模がわからない。
現時点では、大口顧客の移行を除いたベースで、会社ガイダンスの+20%通りに数字を組み立てているものの、想定以上の強い数字が出てきた場合、上方修正の可能性が出てくる。
これらはいずれも単発収益ではなく、長期的な取引関係を前提としたストック型収益につながる可能性がある点も重要である。
さらに、今後はSoFiUSDという新たな成長ドライバーも控えている。
BaaS基盤を通じて、SoFiUSDの採用が広がっていけば、技術プラットフォーム事業の売上は想定以上に増加していく可能性がある。
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ここまで見てきた通り、2026年のSoFiには、すでに「見えている成長ドライバー」だけでも十分な上振れ余地が存在している。
とりわけ、会員数の拡大とクロスセルの進展、そして技術プラットフォームの収益化は、比較的早い段階で数字として表れてくる可能性が高い。
しかし、SoFiの成長ポテンシャルはこれだけにとどまらない。
むしろ、まだ業績予想に織り込めていない“新たな収益源”や、“評価軸そのものを変え得る要素”こそが、今後の株価を大きく左右する可能性がある。
次回は、それらの「まだ見えきっていない上振れ要因」と、「見方次第で下振れにもなり得るポイント」、そしてマクロ環境を含めた前提条件について整理していく。
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