SoFi Technologies, Inc.(SOFI)⑤金融サービス事業詳細
前回はローン事業の詳細を取り上げたが、今回は金融サービス事業を掘り下げていく。
<金融サービス事業>
SoFiは金融サービス事業として、SoFi Money(銀行口座)、SoFi Invest(投資プラットフォーム)、SoFi Credit Card(クレジットカード)、SoFi Protect(保険)、SoFi Relay(財務管理ツール)、SoFi At Work(学生ローン返済支援や財務教育などの企業向け福利厚生サービス)などを提供している。

金融サービス事業は売上全体の約30%を占める。売上及び貢献利益(売上から変動費を差し引いた利益)の推移は以下のとおりで、直近の急成長は目を見張るものがある。


※貢献利益率:貢献利益÷売上=(売上-変動費)÷売上
2024年の金融サービス事業の売上は8.2億ドル(売上構成比は金利収入が70%、非金利収入が30%)、貢献利益は3.1億ドル、貢献利益率は37%(2024年第4四半期は45%)と十分評価に値する水準となっている。
一方で、2024年第3四半期の決算説明会において、Invest(投資プラットフォーム)、Credit Card(クレジットカード)は、まだ赤字であると述べているため、いずれこれらが黒字転換していくことでより高い利益率が期待できる。
また、足元では非金利収入の伸びが加速しており、これはデビットカード・クレジットカードや証券関連の取引手数料の増加を示しており、健全な成長要因といえる。

SoFiは2025年の金融サービス事業の売上成長見込みを60%~65%とするなど、始まったばかりと言えるこの事業はこれからも大きな飛躍が期待できる。
この売上の急成長は、アカウント数の増加に表れている。アカウント数およびその内訳の推移は、きれいな右肩上がりである。



2022年に取得した銀行免許がアカウント数の増加やサービスの拡大に非常に大きな役割を果たしている。
SoFiの預金は、米国大手銀行によくある最低預金残高(最低預金残高に満たない場合は手数料が必要)もなく、預金金利は全国平均の9倍(2025年4月現在、3.80%)と、オンライン完結型のコスト優位性による他行との差別化ができている。

魅力的な高金利をきっかけに預金口座を開設するユーザがいる一方、SoFiは投資・ローン・クレジットカード・保険などの幅広い金融サービスをワンストップで提供できるため、これらサービスから預金へつながるケースも多く、預金はサービスの起点であると同時にエコシステムの中核でもある。
その預金残高は、2023年第1四半期に100億ドル、2024年末に260億ドルと急速な伸びを示す一方、2024年3月31日時点のFDIC(連邦預金保険公社)に基づくデータによると、SoFiの預金額は全米78位と、10位のTD Bank(2,938億ドル)と10倍以上の開きがあり、まだまだ拡大の余地は十二分にある。(CEOのAnthony Notoは「米国トップ10の金融機関」になることを明言している。)

さらに、銀行免許取得後の預金残高の増加がSoFiの競争力を高めている点も見逃せない。
SoFiはローン事業も行っているため、ローン組成のために一定の資金が必要となるが、外部調達コストより預金者に支払う預金金利の方が安く、預金の増加が大きなコスト低減にもつながっている。この効果は2024年第4四半期における業界平均のNet Interest Margin(純金利マージン)3.28%を大きく超える5.91%に表れている(当面の間、純金利マージンを5%以上に保つというのがSoFiの目標)。またこの高い純金利マージンは今後の金利変動リスクへの高い耐性を示すものでもある。


なお、米国で銀行免許を取得するには、連邦または州レベルでの認可が必要であり、非常に厳格かつ長期にわたる審査プロセスを経る必要があるため、最低でも数年かかるなど取得の難易度は極めて高い。加えて、銀行免許取得後も各種規制への準拠が求められ、それに伴う運用コストの負担も大きい。よって、SoFiが持つ銀行免許そのものが高い参入障壁となり、今後も競合フィンテック企業との大きな差別化要因となっていくのは間違いない。
(続く)
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