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SoFiが狙う新たな収益源 ―ステーブルコインがもたらす送金革命とBaaS戦略【後編】

前編では、GENIUS Act(支払い用ステーブルコインに関する包括的な規制法案)の概要と、SoFiのその環境下における新たなビジネス展開の可能性について解説した。特に、クレジットカード決済の課題と、それに代わるステーブルコインの優位性に焦点を当てた。

後編では、国際送金における課題と、それに対してステーブルコインがどのように解決策を提示できるかを考察する。また、SoFiが独自のステーブルコインを発行した場合の事業インパクトについても検証したい。

<国際送金における課題>
現在の国際送金には以下のような構造的な課題がある。

1.送金コストが高い
送金には、銀行や為替業者など、複数の仲介業者が介在する。そのため、それぞれに手数料が発生するうえ、為替手数料も発生する。また手数料が事前に明確でない場合もある。一般的に、送金額の5~10%程度の手数料がかかるとされており、特に発展途上国向けや少額の送金は、コストが割高になる傾向がある。

2. 受け取りまで時間がかかる
取引業者間の確認、通貨の変換など多くのステップを経るため、即時決済・即時着金が難しい。取引を中継する銀行が多い場合、受け取りまで1週間以上かかることも珍しくない

<ステーブルコインの活用による変化>
上記問題に対して、ステーブルコインの活用により、以下のように変わる。

1.手数料の激減
中間業者が不要になるため、一般的に手数料は送金額の0.1~1.0%程度と、圧倒的に安くなる。手数料や為替レートは事前に提示され、透明性が確保される。

2. 即時決済・即時着金
完全に自動化された取引により、ほぼリアルタイムで決済が完了し、現地通貨に換金されたうえで、数秒から数分で送金される。また銀行の休業日に左右されることなく、24時間365日送金可能となる。

もっとも、ステーブルコインの利用により、すべての問題が即座に解決されるわけではない。

ステーブルコインの利用は、国によっては課税対象となる場合もある。また、現在の決済インフラはクレジットカードを中心に法定通貨を基軸とした仕組みのため、この置き換えには時間を要する。さらに、ステーブルコインを用いた送金であっても、厳格な本人確認やマネーロンダリング、テロ資金対策は不可欠だ。

<ステーブルコイン発行のメリット>
ステーブルコインの発行は、決済や送金からの手数料収入だけではなく、以下のようなメリットも生む。

1.資産運用益の増加
仮にSoFiが独自ステーブルコインを発行した場合、ユーザーからは対価として現金を受け取ることになる。ステーブルコインの発行額が増えるにつれ、対価として受け取る現金も増え、それを短期国債などで運用することで、金利収入を得ることが可能となる。

2.技術プラットフォーム事業における収益増加
SoFiは、自社の決済インフラや銀行機能を活用し、BaaS(Banking-as-a-Service)としてクラウドベースの金融サービスを提供している。今後は、ステーブルコインの発行やステーブルコインを利用した決済システムの提供により、新たな収入が見込めるようになる。

※補足
わざわざ独自のステーブルコインを発行するのではなく、ビットコインを使った送金で十分ではないかと思われるかもしれない。しかし、ビットコインは価格変動リスクが高いうえ、決済に時間を要し、さらにネットワーク混雑時には手数料も高くなることが多い。そのため、本来、ビットコインを送金手段として使用するのは得策ではない。なお、Lightning Networkという高速送金レイヤーも存在するが、これは価値伝送に特化した仕組みであり、法定通貨の安定価値や規制対応を満たすためにはステーブルコインの併用が不可欠となる。

最近、SoFiの株価が騰勢を強めているのは、2025年第2四半期決算への期待というよりは、今回記載した暗号資産関連サービスへの取り組み期待の方が大きいように感じている。SoFiはフィンテック企業としての評価をさらに高めつつある。

次回は「【補論】SoFiが切り拓く「ポストVisa・Master」の世界に迫る ― ステーブルコイン決済」をお届けする。

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