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第2節プレビュー②「日本に生まれるスペース」― 得失点差が、ピッチの形を変える ―

前回、チュニジアの得失点差−4が日本戦の構造を決めると書いた。

初戦の1−5。

この結果によって、チュニジアは第2戦で勝利を狙わなければならなくなった。

しかし、必要なのは勝利だけではない。

得失点差も整えなければならない。
この条件が、チュニジアを前へ押し出す。

そして、そのことが日本にとって大きな意味を持つ。

なぜなら、日本はスペースのある試合を得意としているからだ。


スペースは突然生まれない


日本に生まれるスペースは、試合中ではなく順位表の中で作られている。

スペース論では、スペースは空いている場所ではないと書いてきた。

相手がまだ到達していない時間。
認知の遅れ。
判断のズレ。

そうしたものがスペースになる。

しかし、そのスペースは突然現れるわけではない。

もっと前の段階で作られている。

勝ち点である。
得失点差である。
順位表である。

チュニジアは勝たなければならない。
得点も欲しい。
できれば複数得点が欲しい。

その瞬間、守備ラインは高くなる。
中盤の距離は伸びる。
選手同士の間隔は広がる。
そして認知の負荷が増える。

スペースは戦術だけから生まれるのではない。

時には順位表から生まれるのである。


得失点差−4が、チュニジアを前へ出させる


チュニジアを前へ出させる最大の理由は、戦術ではない。得失点差である。

初戦の1−5によって、チュニジアは勝ち点だけでなく、得失点差でも大きく遅れた。

ただ勝てばいい、という状況ではない。

勝つ必要がある。
できれば複数得点が欲しい。
そして、失点も避けなければならない。

この矛盾が、チュニジアの試合を難しくする。

守りたい。
しかし、攻めなければならない。

慎重に入りたい。
しかし、時間を使いすぎる余裕はない。

この状態になると、チームは自然と前へ出る。

守備ラインは高くなる。
中盤の距離は伸びる。
選手同士の間隔は広がる。

もちろん、チュニジアが最初から無謀に攻めるとは限らない。

大敗のあとだからこそ、入りは慎重になる可能性もある。

だが、時間が進めば進むほど、勝利と得点の必要性は重くなる。

その重さが、少しずつチュニジアの配置を前へ動かす。

そして、そのわずかなズレが、日本にとってのスペースになる。

スペースは、戦術だけから生まれるのではない。

得失点差から生まれることもある。

日本vsチュニジア戦で何が起こるか

森保ジャパンは何が得意なのか


日本が得意なのは格上との試合ではなく、スペースのある試合である。

森保ジャパンはよく「格上に強い」と言われる。

ドイツ。
スペイン
ブラジル。

確かにそうした試合で結果を残してきた。

しかし、本当に見なければならないのは相手の格ではない。

試合の形である。

これらの試合には共通点がある。

相手が前へ出てきた。
背後にスペースがあった。
日本はそのスペースを使うことができた。

つまり日本が得意なのは格上との試合ではない。

スペースのある試合なのである。

相手が前へ出る。
背後が空く。
中盤の距離が伸びる。
判断のズレが生まれる。

その瞬間、日本のスピードと技術は生きる。

森保ジャパンの強みは、そこにある。


日本が苦しむ試合


日本が苦しむのは、相手が引いてスペースを消した試合である。

逆に日本が苦しむ試合にも共通点がある。

相手が引く。
背後がない。
守備ブロックが整っている。

ボールは持てる。
しかし前進できない。

保持率は上がる。
だが、相手の嫌な場所には入れない。

パスは回る。
しかし、ゴールに近づけない。

日本にとって重要なのは保持率ではない。

スペースの有無である。

だから日本にとって最も嫌だったのは、チュニジアが初戦を0−1で負けることだったかもしれない。

その場合、第2戦はもっと慎重な試合になっただろう。

チュニジアは無理に前へ出る必要がなくなる。

得失点差を守りながら、勝ち点を拾う戦い方を選べる。

しかし現実は1−5だった。

チュニジアは前へ出る。
そして、その行動が日本にスペースを与える。


分岐点は前半15分


チュニジアの時間は前半15分、日本の時間はそれ以降かもしれない。

もっとも、試合が最初から日本のものになるとは限らない。
むしろ危険なのは立ち上がりだ。

チュニジアにとって、この試合は事実上の決勝戦である。

勝たなければならない。
得点も欲しい。
初戦の大敗を取り戻したい。

そうした感情を持ったチームは、立ち上がりに強度を上げてくる。

球際は強くなる。
プレッシャーも速くなる。

前半15分は、かなり危険な時間になるだろう。

しかし、その時間を越えると状況は少しずつ変わる。

時間が経つほど、チュニジアは焦る。

焦りは距離を広げる。
距離はスペースを生む。

スペースは日本の武器になる。

この試合の鍵は、技術だけではない。
時間である。

チュニジアが急ぐ時間。
日本が待つ時間。

そのズレが、試合の形を変えていく。


勝ち点が、ピッチの形を変える


順位表が戦い方を決め、その戦い方がスペースを生む。

サッカーでは戦術が試合を作ると言われる。

それは正しい。

しかし、その戦術を選ばせているものがある。

勝ち点である。
得失点差である。
順位表である。

今回のチュニジアは、勝ち点0と得失点差−4によって前へ出ることを求められている。

そして、その結果として日本にスペースが生まれる。

勝ち点が順位表を作る。
順位表が戦い方を作る。
戦い方がスペースを作る。

第2節は、その連鎖の中で行われる。

チュニジアは前へ出る。
その理由は戦術ではない。

得失点差である。

そして、前へ出ることで日本にスペースが生まれる。

日本にとって重要なのは、そこをどう使うかである。

焦らず、耐える。

前半の圧力を受け止める。

時間が進むにつれて生まれるズレを見逃さない。

この試合は、スペースを探す試合ではない。

スペースが生まれるまでの時間を管理する試合である。


次回予告

では、日本が勝った場合。

引き分けた場合。
負けた場合。

F組はどのように動くのか。
最終回では、

「日本に追い風が吹く理由」

という視点から、第2節の意味を考えてみたい。


スペース論

第3回|選手が感じているのは「スペース」ではなく「時間」である

第5回|認知が時間を作る

勝ち点4の哲学


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