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【オトナになることのうた】Saucy Dog その1●ワクワクしていた子供の頃を忘れずに…「スパイス」

ついに来季からメジャーリーグ(MLB)でロボット審判が導入されますね。


今年のオールスターゲームではストライクボールの判定に使ってたし、韓国のプロ野球(KBS)のように導入済のところもありますが。うまくいくといいなと。
日本のプロ野球(NPB)は来年からリプレイ検証(ビデオ判定)のセンターを新設する話が出ていたし、セリーグは再来年のシーズンからDH制になるしで、いろいろ変わっていきますね。
まあ前回書いたみたいに、陸上であれだけデジタルによるジャッジが定着していることを思うと、当然な気がしますけど。遅いくらい。


最近のわたくしは取材仕事もしつつ、家で原稿書いてました。そんな中、音楽関係の映画2本を試写で観ました。

まず『レッド・ツェッペリン:ビカミング』は、このバンドの結成前~活動初期までのドキュメンタリー。メンバーそれぞれが回想しながら、その時々のライヴがどどーんと観れるのがとてもいい! IMAXで鑑賞するとなお良いようです。

とくに黎明期というか、プレ・ツェッペリン……最後期ヤードバーズの映像は興味深かった。あの時代に、よくこの時期のが残ってたものだな~と。

この映画、【 #オトナになることのうた 】視点では、「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」の唄い出しの歌詞が面白かった。こんな対訳になってました。

まだガキの頃 大人ってやつの意味を教わった
大人になると 教え通りベストを尽くしてみた


もう1本の映画は『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』。ビートルズの最初期~中期のマネージャーのストーリーですね。そこに創作を加えて、厚みを出しています。かなり昔に彼の自伝を読んでたこともあり、興味津々で観ました。

ブライアンの喜びと悲しみを描きつつ、そこに60年代のレトロなイギリスの空気感もあって、とても楽しめます。ビートルズの周辺のことは今までにいくつもの映画になっているけど、マネージャーにスポットを当てたのは新しかった。
ビートルズって楽曲の管理が厳しく、彼らの曲をこういう映画などでは使用できないことになっているのですね。角川映画の『悪霊島』で主題歌に使われたのは、遠い昔ですな。

で、ビートルズ楽曲が使えないのはこの『ブライアン・エプスタイン~』でも同じくなんですが、そこをなんとかマイナスポイントにしない気配りがされています。とくにデビュー前後は、なるほど、そうだよね、という手法で。そこは観てのお楽しみ。


さて、今回からはSaucy Dogです。

映画『クレヨンしんちゃん』最新作の主題歌「スパイス」はSaucyの書き下ろし曲


Saucy Dogのことは、このバンドが注目されはじめた2019年頃に認識した。
その理由のひとつには、ヴォーカル&ギターの石原慎也が島根県の出身だと知ったからだ。というのは、自分と同郷だからである。
島根出身のミュージシャンと言えば、昔は竹内まりや、山本恭司、ギターウルフのセイジといったあたりがおなじみだった。それが2010年代半ばからはOfficial髭男dismが島根で結成されていたり、そしてこのSaucyの石原、それにOmoinotakeの3人など、若返りが続いている。喜ばしいことである。

それもあってSaucyのことは心の片隅にあった。ただ、僕はこのバンドのライヴをイベントなどで観たことはあったものの、ワンマンはずっと観たことがなかった。その機会が巡ってきたのが今年の7月半ばのことで、それは何から何までSaucy Dogらしさに満ちた、素敵な夜だった。
この時は「スパイス」という新曲が映画『クレヨンしんちゃん』の主題歌をリリースすることは発表済だったものの、その歌自体は演奏されずじまい。ただ、石原はMCでこの曲のことを少しだけ話していた。それから来年1月、大阪の京セラドームでライヴをすることが会場のあちこちでPRされていた。

大人の目線だからこそ唄える曲

今回の焦点は、この「スパイス」である。
『しんちゃん』の映画も公開され、楽曲自体も8月にリリースされたので、知っている人も多いことと思う。

この歌で描かれているのは、無邪気で野放図だった子供の頃を思い返すストーリー。「スパイス」というタイトルは曲を聴くと理解できる作りになっている。

そして歌詞の中には、<大人になんかなりたくはない/そう思うのはなった後だな>という印象深い一節がある。大人になったあとのことを唄っているのだ。

さらに終盤には、<心から向き合った結果 間違いの連続が人生>という、これもやはり大人になった人だからこその言葉が出てくる。

このように「スパイス」の主人公は、あくまで大人……少なくとも、大人の年齢の人だ。しかも<僕ら>とも唄っているので、男子だろうと思われる。

そもそも『しんちゃん』自体が、5歳児が主人公ではあるが、その物語が子供たちの中だけで展開することはほとんどない。どこかに必ず大人の視点や価値観、大人という立場からの意見などが介在している。

アニメの『クレヨンしんちゃん』は、夕方から夜までに放送されていることからわかるように、一般的には子供のための作品と認識されていると思う。しかし原作のマンガ版『しんちゃん』は大人が読む漫画誌に連載されたもので(『漫画アクション』~『まんがタウン』)、それゆえに子供(しんのすけ)の目線を通した大人だったり、逆に、大人(両親ほか)から見た子供のことが描写されている。

こうした作品だからこそ、映画版の傑作『モーレツ! オトナ帝国の逆襲』のような感動作が生まれたのだと思う(この映画については過去のどこかの回で触れたはずだ)。

そんなふうに思うと、この「スパイス」という歌の大人からの視点は、その構造に乗っている。

以下はこの曲についての石原からのコメント。

【石原慎也(Saucy Dog) コメント】
「クレヨンしんちゃん」は昔から大好きで映画も全部観ていますし、
主題歌のオファーを受けた時は本当に嬉しくて、緊張や焦りもありましたが、
自分たちの未来にもつながるような楽しくて前向きな曲を書きたいという気持ちでした。
僕たちが小さかった頃、どんなことにワクワクして、何に希望を持っていたのか、本作の絵コンテや台本を見させてもらった際に再確認しました。
何でもなかった日常がすごく楽しかったし、いろんなことが謎だらけで、
それを解明していくワクワクさみたいなものを思い出して、これからもどんなに大変なことがあってもあのワクワクを忘れずに生きていきたいなという気持ちで「スパイス」を書き上げました。


「スパイス」はこの言葉の通りの曲になっている。子供の頃の気持ちを思い出し、そのワクワクした心を忘れずに生きていこうという主題が、とてもいい。これもまた、大人だからこその心情だろう。

そして思う。石原がこの歌にたどり着くまでには、これまでも彼が大人になることを意識した歌を書いてきている事実があるのではないかと。

<Saucy Dog その2 に続く>


ラケル池袋東口店にて
ラケルパンデザート チョコレート、583円。
何気なくオーダーしたのだが
ほど良い甘さと食感で、良かった

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