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「竹園」── 教育の聖地、ただし入口で予算と向き合う。

つくばで「教育で家を選ぶ」と決めたとき、最後に手が届かないと気づくエリアがあります。竹園です。

県内で最も高い住宅地。全国的に注目される小中一貫。研究機関が徒歩圏。条件を並べれば、答えはもう出ている。ただし、その答えは誰もが選べるわけではありません。

このシリーズではつくばのエリアを「教育」「安全」「資産性」で見ていきます。今回は竹園です。

教育 ── 公立ルートだけで完結する、市内最強の学区

結論:小・中・高を地域内で完結できる、つくば市内でも稀な教育密度のエリアです。

竹園の教育を語るときに、まず外せないのが「つくば竹園学園」の存在です。竹園東小・竹園西小・竹園東中が連携型の小中一貫教育を行っていて、全国的にも注目されるほどの高い学力で知られています。

小中一貫教育の全国サミットがつくばで開かれたとき、モデル校として授業公開を担ったのもこの学園でした。学区内には研究者や大学関係者の世帯が集中していて、家庭の教育意識が街全体の学習文化を底上げしている、という構造が他エリアにはない強みです。

そして竹園にしかない決定的な特徴が、隣接の県立竹園高校(偏差値68前後)の存在。茨城県内で屈指の進学校で、筑波大学への進学者を毎年多数送り出しています。

つまり竹園は、公立ルートだけで「小→中→高」を地域内で完結できる、市内でも数少ないエリアなんです。私立中受験を必須としない選択肢が現実的に組める、というのは、教育費の設計という観点でも大きな意味を持ちます。

もちろん私立志向の家庭にも動線は十分です。茗溪学園・県立並木中等教育学校・県立茎崎中等教育学校は、いずれも車圏内。

並木と比べたときに見えてくる違いもあります。並木では筑波大学やJAXAが「車圏内」でしたが、竹園ではこれらが「徒歩〜自転車圏」に入ります。子どもが「学者の世界」を日常風景として吸収できる密度という意味で、市内でもっとも濃い場所。

安全 ── 駅近の利便性と、研究学園地区の落ち着き

結論:医療の厚みと地形の安定、そして駅徒歩圏ならではの人通りが揃っています。

子育て世帯にとって、安全の話はまず医療から始まります。

竹園は地区内に小児科対応のクリニックがあり、夜おそくまで対応してくれる竹園ファミリークリニックも徒歩圏にあります。市内でも珍しい安心圏のエリアです。

総合病院も近く、筑波学園病院が車圏内、総合周産期母子医療センターを持つ筑波大学附属病院も近接しています。妊活から出産・産後ケア、駅前のつくばARTクリニックのような特化医療まで、歩いて回れる範囲に集まっています。研究学園と並ぶ厚さの、徒歩で完結する医療環境。

災害リスクの低さは、研究学園地区の住宅地に共通する強みです。市の中心台地に位置し、桜川など主要河川の氾濫想定区域からも、土砂災害警戒区域からも外れています。

ただし安全は地番単位で景色が変わります。購入を検討する家ごとに、つくば市の防災ガイドで該当地点を当たっておくのが確実です。

街の体感は、駅徒歩圏の利便性と研究学園地区ならではの落ち着きが両立しているのが特徴です。外国人研究者のファミリー世帯が多く、街灯と歩道がしっかり整備されていて、夜間も極端に寂れません。新興住宅地の賑わいとは違う、成熟した「動いている街」の安心感があります。

資産性 ── 県内1位の地価をどう読むか

結論:県内最高水準の地価は、すでに評価として織り込まれています。これからの上昇余地は限定的かもしれません。

竹園の資産性を語る数字は、ひとつ覚えておけば十分です。住宅地で県内トップ。

最新の地価公示では、竹園一丁目の地点が茨城県の住宅地でいちばん高い水準でした。坪あたりおよそ100万円、しかも10年連続の首位です。市全体の住宅地平均を大きく上回る、別格の土地。

つくば駅前の商業地でトップだった地点は、調査地点の入れ替えで隣接の吾妻へ移りました。ただ住宅地の首位は、竹園のまま動いていません。

この高水準を支えているのは、教育需要・TXつくば駅至近・研究学園都市の中心地、という三重構造です。一過性のブームではなく、構造的に高い土地と言えます。

ただ、楽観しきれない点もあります。教育・駅・中心地という上昇要因の多くは、もう価格に織り込み済み。これから先も同じペースの上昇が続くかどうかは、また別の問いになります。

短期で売却を視野に入れるエリアではありません。研究学園のような新規開発による押し上げ余地も大きくはない。長く住む前提で、教育環境と立地利便性に予算を払う、という選択になるエリアかなと思います。

向く人・向かない人

結論:予算が届くなら教育環境は市内最上級。届くかどうかが、最初で最大の関門です。

向くのは、こんな家庭です。予算の範囲で教育環境を妥協したくない家庭。駅徒歩圏で公立ルートの完結を望む家庭。研究機関や大学が日常風景にある環境を好む方。

逆に向かないのは、予算ハードルを超えられない家庭。新興エリアの賑わいや新しさを求める方。静かな郊外の落ち着きを最優先する方。

予算の中心が手前にある家庭ほど、駅近の竹園は届きにくい。逆に、上に振れた家庭なら、土地から戸建てを組む選択も視野に入ります。同じ街でも、入口は年収で割れるエリアです。

研究学園が「いま選ぶには高いが、選ばないには惜しい」、並木が「派手さはないが長期で価値が残る」だとすれば、竹園は「答えは出ているが、入口の予算で問われる」エリア。判断の鍵は、教育という固定資産にどこまで予算を割けるか、その読みにあります。

次に読むなら

竹園が住宅地で県内トップなら、商業地でトップの地点は、いま隣の「吾妻(あづま)」にあります。次回はその「吾妻(あづま)」を歩きます。駅前そのものを資産性で見るとどうなるか、というテーマです。
吾妻:https://note.com/yuji378/n/nca06055117a9

あわせて読みたい|つくばの街選び

1本目「並木」 竹園と並ぶ教育の街。ただし駅は遠く、暮らし方の前提が変わります。中等教育学校を軸に選ぶなら次はこちら。
 並木:https://note.com/yuji378/n/n93bb85898dc7

2本目「学園の森 」 『駅は遠いのに子育て世帯が選び続ける』のはなぜか。竹園とは違う選び方の街を見てみる。
 学園の森:https://note.com/yuji378/n/n0a47cb81d903

3本目「春日」同じく筑波大に近い駅徒歩圏。教育と安心は強いが、出物の少なさという別の壁があります。
春日:https://note.com/yuji378/n/n4c1e0861eddf

4本目「同じつくばでも、駅前と駅から遠い場所では街の育ち方が違う」 竹園に手が届くかを考える前に、そもそも駅前と郊外のどちらが自分の家族に合うのか。

5本目「【第1回】住宅購入のお金──年収・ローン・手取り25%」 竹園の予算ハードルを、自分の年収から逆算するための回です。

このシリーズでは、つくば市内の街を、教育者の視点で一つずつ取り上げています。次の街も読んでみたい方は、フォローして更新をお待ちいただけたら嬉しいです。
つくばのどのエリアが合うか迷ったら、コメントへ。本業は教育、県外移住&自分もローンを組んだ当事者の視点で、中立にお答えします。
例:「竹園と並木で迷い中」「予算◯◯万台だとどこ?」「学区で選ぶならどこ?」

情報ソース

情報ソース

地価・坪単価:国土交通省「地価公示」(不動産情報ライブラリ)
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

人口:つくば市「行政区別人口表」(住民基本台帳)
https://www.city.tsukuba.lg.jp/shisei/joho/jinkohyo/index.html

学区・小中一貫教育:つくば市教育委員会/各校公式サイト

県立竹園高校:
https://www.takezono-h.ibk.ed.jp/

医療:厚生労働省 医療情報ネット

災害リスク:つくば市ハザードマップ・防災ガイド

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