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イスラム色漂うグラナダで無料タパスを堪能。サクロモンテ行きのバスで詰みかけた話。【スペイン旅行記⑪】

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バルセロナは3日間、本当にたっぷり浴びた。でも正直、まだまだ見たいところはあったし、心残りもいっぱいある。それでも旅程は待ってくれないので、次はグラナダだ。

知らない航空会社の知らない空。


グラナダまでは電車でも行けるらしいが、調べたら6時間超かかるらしく国内線の飛行機で移動することにした。

空港まで行く手間とか、空港代がかかるとか、面倒くさいっちゃ面倒くさいんだけど仕方ない。

11時50分発、国内線だから1時半着の予定。これだけ見ると余裕じゃん、って話なんだけど、ひとつだけずっと引っかかっていることがあった。

「ブエリング航空」

聞いたことない航空会社。LCC。大丈夫かな、時間ずれないかな、と出発前からじわじわ不安が育っていく。でも行くしかないので、航空会社のアプリを入れて会員登録して、Apple Walletにチケットを入れて準備。事前チェックインも完了。遅延したらTrip.comから連絡が来るらしいし、まあなんとかなるっしょの精神で前に進むことにした。

空港までは来た時と逆で、カタルーニャ広場から出ているバスに乗ればいい。ただターミナルが近距離線と長距離線で違うので、今回はA1バスに乗っていく。宿からは二つ目のバス停の方が近かったのだが、始発バス停から乗った方が絶対座れるしゆったりできると思い、スーツケースをごろごろ引きながらカタルーニャ広場まで歩いていった。


バルセロナの道、可愛いのよ

それにしても、バルセロナってすごく歩きやすい。段差もほとんどないし、石畳もガタガタじゃなくてきちんと整備されているから、キャスターがするする転がってくれる。あとでアンダルシアの石畳地獄を経験することになって、バルセロナのありがたみをヒシヒシと感じるんだけど、それはまだ先の話。

宿を出たのが8時前。2時間前には到着を目指していたから、朝は何も食べずにバスに乗り込んで、空港について荷物を預けたところでようやく「なんか食べよう」となった。まだ朝の10時だけど、空港についた安心感で、朝っぱらからビール(笑)

口の中がまだ荒れていたので、柔らかいものを食べようと、生ハムを挟んだトルティージャを注文。なかなかおいしい!

朝ビール!


そして不安だったブエリング航空、ちゃんと飛んでくれた。普通に定刻で出発したし、愛想もよかったし、良かった良かった。ただドリンクサービスはついていなくて、コーヒーをてっきりサービスだと思い込んでもらったら、あとでしっかりお金を取られた。日本はAIR DO とか、LCCでもコーヒーくれるのよ~。

長距離線は高度が高すぎて景色が全く見えなかったけど、国内線は高度低めに飛ぶので外の景色が見えるから楽しい。山が見えたり、海岸線が見えたり。

バルセロナ側を見ているうちは高い建物はないけど家がぎゅっと詰まっている感じだったのに、グラナダに近づくにつれて、たぶんオリーブ畑だろうという緑と茶色しかない世界に変わっていく。

オリーブ畑しか見えない


うわ、ど田舎来ちゃった!と思いつつ無事到着。

空港から市内へは、バスで行けるらしい。方向音痴だし荷物が重いので、宿はまたアクセスのよい場所に取ってあった。グラナダ市街のランドマーク、カテドラル前まで行ければすぐに宿に行けるはず。

バス乗り場を探してチケット購入。荷物は自分でバスの中のトランクコーナーに積み込む方式で、これがまた重い!日本の空港バスはスタッフが積み込んでくれるの、サービス良すぎだよ~としみじみ。

昔ながらのときめく部屋と、アナログなセキュリティ。

バスを降りて、宿に向かう。

そもそもグラナダはスペインの中でも異色の街で、15世紀までイスラム王朝が支配していた最後の砦だった。だから街の建築にも、料理にも、空気にも、ムーア人の痕跡がそこかしこに残っている。バルセロナとは明らかに違う、異国感の正体はたぶんそれだ。

アルカイセリアというイスラムバザールを覗いたら、ヨーロッパとイスラムの融合どころか、普通のイスラム全開だった。他のひとは珍しいかもしれないが、わたしはトルコでイスラム全開を見てしまっているので「ここ、スペインじゃないやん」とスルーしてしまった。雰囲気がイスラム全開。

ただ、イスラム全開のショップが並ぶ路地のすぐ脇が、キリスト教全開の大聖堂、だったりするのはやっぱり面白い。それは侵略の歴史ではあるのだけど、日本のように2000年以上も続く国から見ると、歴史的なハプニングによる文化の融合はとても珍しいのだ。


さて、そんな感じで重いスーツケースを引きながらも周りをキョロキョロして歩く。

グラナダの宿は、車も入れないほど細い路地の、さらに奥の奥にあった。カテドラル付近でバスを降りて、そこからGoogleマップを片手にスーツケースをごろごろ引きながら、路地をウロウロ。ここで合ってるのかなーと不安になる。さらにバルセロナと違い、歩道が狭かったり、段差が多かったり、石畳があったりとスーツケースを転がすだけでもなかなか大変。

地味に段差とか石畳がしんどい


スペインに来て初めてフラメンコショップ発見!

なんとかたどり着いた宿は、受付の人がとっても親切でほっと一息。部屋に案内されると

なんと!昔ながらのお部屋でめちゃ可愛い!

ぎゃあかわいいと叫びました


レンガがむき出しの壁、木の梁がむき出しの天井、年季の入った木枠の窓と扉。窓を開けると路地がそのまま見えて、壁にはモロッコ風の刺繍タペストリーがかかっていて、ベッドサイドにはステンドグラスのランプがオレンジ色にぼうっと灯っている。

古い建物の良さがぎゅっと詰まった、こういう宿に当たると一気にテンションが上がる!

古い部屋の割にエアコンがあって、すごく助かる。グラナダは内陸で乾燥はしているけどやはり暑いので、暑がりの私には必需品だ。

ただ、セーフティボックスがない。これはバルセロナでも実は同じだったのに言い忘れていたんだけど、スペイン滞在中、ほとんどの宿になかった。

バルセロナの宿でフロントに「セキュリティボックスはないんですか」と聞いたら、「そんなものなくたってここは安全だよ」と即答されて、何も言い返せず。AIと相談して「スーツケースが盗まれることはほぼないので、中にノートパソコンとパスポートを入れて鍵をかけておこう」となり、結局スペイン滞在中ずっとそれをやり続けた。

派手なピンクの20キロもあるスーツケース、盗めるもんなら盗んでみろよ、と思いながら。結果、最後まで何も盗まれなかった。

鍵のシステムも完全にアナログだった。カードキーじゃない。本物の、昔ながらの鍵。プロならピッキング10秒で開けられそうな鍵ね。

いちおう、鍵を差し込むと電気がつく仕組みにはなっていたから、宿としていろいろカスタマイズはしてくれているようだ。

受付の人がすごく親切で、英語もゆっくり丁寧にしゃべってくれて、いろいろ聞くとちゃんと教えてくれる。感じのいい人が接客してくれると、こんなに気分が上がるものなんだなと、ちょっとウキウキ。

ただ歩きすぎたせいで、足の爪が指に食い込んで痛くなってきていた。絆創膏だけじゃ心許なくて、トイレットペーパーを足の指に巻いて絆創膏で固定して靴下を履く、という応急処置をして、できるだけ足をかばってゆっくり歩くことにした。

疲れも正直出始めていたんだけど、グラナダはバルセロナと全然違う雰囲気が新鮮で嬉しくて、午後2時に着いたばかりなのにもう外をうろうろし始めていた。しかし暑い!!!本気で暑い!!!焦げるよほんと。

そういえば朝、トルティージャを食べただけなことに気が付く。そうだ。まずは腹ごしらえ。

グラナダのバルはお得な仕組み


グラナダを良く知る知人から事前情報で「グラナダは飲み物を1杯頼むと、タパスが1皿ついてくるからお得だよ」と聞いていた。
ハシゴして何皿か食べればお腹いっぱいになるし、食費も浮く。なんてすばらしい制度なのだ。これはぜひ自分で検証してみたい。

AIに頼んで、宿の近くで間違いなさそうなバルを教えてもらった。Los Manuelasというお店が良いらしい。店構えもきれいだし、良さそう。


入るとすぐ、タパスなのかちゃんとした食事をするのかを聞かれる。タパスと言うとカウンター席に案内されて、しっかり食事ならテーブルに案内される、という最初の分岐があるらしい。一人で大きなお皿をいくつも頼んでも食べきれないし、小皿でちょうどいいので、ここは迷わずタパスで上等です。

「ドリンクを頼んだらご飯がついてくるんですよね?」とも聞きにくいので、おとなしく試しにビールを一杯頼んでみた。

タパス来るかなー

すると、ビールと一緒にはタパスが来ない。あれ、本当はついてこないやつなのかな、と若干ソワソワしてたら、後からちゃんとタパスが運ばれてきた!

私が求めていた「タパスサイズのパエリア」だったので、ひとりで小さくガッツポーズ。お得は大好きです。グラナダがイスラム色が濃い土地柄のせいか、普通のパエリアとは少し違うスパイスが効いていてこれまた美味しい!

 
ビールのおともにちょうど良い量のパエリアに、パンまで乗ってくる。米とパンの組み合わせって、トルコでも同じようなことがあった。アジア圏以外の米を食べる国だと結構出てくるよね。海外では米も野菜の仲間という位置づけなんだろうな。でもありがたくいただく。

1皿目をぺろりと平らげ、これだけではやはり足りないなと思う。店を変えるか、ここで2杯目を頼むか。2杯目はちゃんと違うタパスにしてくれる、という話も聞いていたので、試しに2杯目を頼んでみる。もしパエリアが出てきても、あれならもう1杯食べられるし。

と思ったら次はなんと「クスクス」が出て来た。

クスクスってアフリカ料理よね?よく考えたらアンダルシアからはアフリカ大陸も近い。いろんな文化が混ざる土地柄なのかなと思いながら、ありがたくいただく。腹にたまるよ~。

ちょっと欲が出てきて、もう一杯だけ頼むことにする。スペインで知って気に入っているティント・デ・ベラーノ(赤ワインのソーダ割り)を頼んだら、今度はお芋と、たぶん牛のすね肉あたりだろう骨付きの煮込みが出てきた。


いやこれもう豪華すぎるでしょ、と思いながらほくほく食べて、しっかりお腹いっぱい。伝説、ガセじゃなかった。幸せ~。お得~!

路線バスを乗り過ごす!?グラナダ初日の大ピンチ


お腹を満たし、お店を出て、ここから前から憧れていた「サクロモンテの丘」へ向かう。

ここはフラメンコの源流、ジプシーたちが住んでいた洞窟がある丘。災害で強制的に立ち退かされて、今はもう誰も住んでいないんだけど、洞窟のいくつかがフラメンコを見られる場所として残されている。

移動日だったがお昼にはグラナダに着くので、疲れを見積もって夜の洞窟フラメンコだけ予定に入れてあった。バルセロナから先は、フラメンコ三昧の日々を過ごす予定。ぬふふ。

サクロモンテまでは坂を歩いて15分くらいと言われていたんだけど、バルセロナと違ってガタガタの石畳で、しかも磨かれてつるつる滑る。足も痛いし、暑さもバルセロナよりさらに内陸らしいキツさがあったので、路線バスで行くことにした。

ここでハプニング発生。

バスに乗るまではスムーズだった。サクロモンテ行きのバスに乗ったとき、運転手にフラメンコのチケットを見せて、いかにも素人海外旅行者っぽく「サクロモンテ、フラメンコね!」(に行ったら教えてね、、という圧を込めて)と念押ししたし、たぶん着いたら止まってくれるだろうと安心していた。

車内はけっこう混んでるし、サクロモンテで降りる人ばかりなのかな、と思っていたら、意外にも途中で降りていく人がぽつぽつ出てくる。あれ、これ自分でちゃんと判断しないといけないやつなのか、と不安が募ってきた。

山道を上がっていくと、白い見覚えのある建物が見えてきた。だが、初めてだから「これがそれか、いやでも次にもっとそれっぽいのが出てくるかもしれない」と思って、その時降りずにやり過ごしてしまった。だっておじさん何も言わなかったし。

その後、バスはさらに坂を上り、白い建物なんて絶対出てこないだろうという、ただの茶色い山道がずっと続いていく。店も全くないただの山、変なところで降りて、坂を下りるのも怖い。暑いし。どうしよう、と本格的にビビり始めた。

慌てて再度バスの運転手に「サクロモンテ、ここなんだけど」とバリバリ日本語みたいな日本語で伝えてみたんだけど、運転中だしあまり反応してもらえない。

これは詰んだか!?

――と、ここで思わぬ人物が動き出すことになるんだけど、それは次回のお話。

つづきはこちら!

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