【とんま村の物語】第5話:借りたチャ~リンは神様からのギフト!?~アリクイの『集団催眠』の術~
🍃登場どうぶつ紹介とあらすじ
🍃前話:「借りられる者が、いちばんえらい?~クジャクの100万チャ~リン~」
🌻解説:第5話「言葉の書き換えとバブルの狂乱 ― 現実を覆い隠す言葉の魔術」
🐝前話+第5話サマリー
借りられる者が一番えらい――そんな妙なブームが、とんま村を包みます。
借用書を羽に飾るクジャクと、必死に返そうとするハチ。
どちらも、アリクイの手のひらの上でした。
しかし最近、どうぶつたちは少し気づき始めます。
「この借りたチャ~リン、本当に返せるのかな?」
そこでアリクイは、新しい魔法を思いつきました。
その名も、「ハッピー・ブレイン」作戦。
①女神のナレーション

「借りたチャ~リン(借金)はもともと「あとで返す約束」のはずでした。
約束は、本来、少しだけ重いものです。
だからどうぶつたちは、だんだん息苦しくなっていきました。
そんなとき、チャ~リンを貸したアリクイはこう考えます。
もし約束が重いなら、重く聞こえない名前に変えればいい。
……人はときどき、現実を変えるかわりに、言葉を変えることがあります。たとえ、それで何も変わっていなくても。」
②オープニング実況(イグアナ)

(岩の上で、サングラスをいじりながら不敵に笑うアリクイを眺めて)
「……えー、毎度おなじみ、流浪の爬虫類、イグアナでございます。
今日はですね、アリクイくんが『魔法』……いや、ただの『集団催眠』を仕掛ける瞬間を観察しております。
どうぶつたちが『借チャ~リン(借金)がつらい』と気づき始めたので、彼はその『記憶』そのものを消し去ろうとしています。……実に見事な、記憶の改ざんです。
……あ、お気になさらず。続けてください」
③アリクイの「ハッピー・ブレイン」作戦

アリクイは、借りたチャ~リン(借金)の利子で目が回っているライオンやハチを集めて、切り株の上で演説を始めます。
アリクイは、内心では少し焦っていました。
というのも、みんなが「こんなの返せない」とか「もう借りない」と言い出すと、もう新しく借りるどうぶつがいなくなるからです。
そうなると困ります。
アリの素マヨネーズも、いいお肉も、「利子ですからね」と言って簡単に受け取れる、あのなかなか悪くない暮らしが続けられなくなるのです。
そこでアリクイは、考えました。
返すのがつらいなら、つらくない名前に変えてしまえばいい、と。
アリクイ:
「おーおー! みんな、顔が『お通夜の帰りの納豆』みたいにネバネバしてるねぇ! 借りたチャ~リン(借金)が重い? 返せないのが怖い? ……あのさ、そもそも『借チャ~リン(借金)』なんて言葉、誰が決めたの? 僕? 忘れちゃったよ! ガハハ!」
アリクイ:
「いいかい? 今日からこの『チャ~リン』は、借チャ~リン(借金)じゃなくて『神様からのギフト』って呼ぶことにしよう!10枚借りたんじゃなくて、10枚の『幸運』を預かっただけ。……ね? そう思えば、返す必要なんてない……気がしてこない? テヘッ」
④心配性なライオンの「とんまな納得」

ライオン:
「ギフト……? じゃあ、僕のこの『500万チャ~リン』の借チャ~リン(借金)は、500万個の幸せってこと!?」
アリクイ:
「さすが百獣の王。そうだよ! 君は世界一幸せなライオンだよ!
幸せを返そうなんて思うのは、神様に失礼だろ?
ずっと持ってなよ。……あ、でも利子はこれまでと変わらずチャリンチャリンと頂くけどね! テヘッ」
ライオン:
「そっか! 返さなくていい幸せか! あぁ、神様ありがとう……」
⑤突撃インタビュー(イグアナ)

岩からスルスルと降りてきて、借用書を「幸せのチケット」だと思って頬ずりしているハチの足元へ。
イグアナ:
「……あ、ちょっと失礼。ハチさん。今、借りたチャ~リン(借金)の山を『ギフトの山』だと思い込みましたが。……正直、今どんなお気持ちですか?」
ハチ:
「最高だよ! 今まで『すぐ返さなきゃ!』って必死に羽ばたいてたけど、今は『幸せを維持するため』に羽ばたいてるんだ! 意味は同じだけど、気分が全然違うよ!」
イグアナ:
「……なるほど。『借りたチャ~リン(借金)』というラベルを『ギフト』に貼り替えただけで、地獄が天国に見え始めましたね。
でも利子は変わらず頂戴ねって、さらっと、本当にさらっとアリクイさん言ってましたけど。。。
……おバカですねぇ。。……あ、褒め言葉ですよ」
⑥エンディング(イグアナ)

(また岩の上に戻り、サングラスをかけ直しながら)
「……こうして、村から『借りるチャ~リン(借金)』という不吉な言葉が消え、代わりに『無限のギフト』という名の謎の幻想が溢れかえりました。……返さなくていい幸せ。
でも、ハチくんの羽ばたきは止まらず、ライオンくんの頭のアリは増え続けています。
……言葉を替えただけで、現実は何一つ変わっていない。実に見事な、お花畑。
次回、アリクイ、ついに『元締め』を名乗る。
アリクイ・ヘブン(中央銀行)の設立と、見えない支配。……それでは、次回お楽しみに~?」
