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【とんま村の物語】第8話:未来のチャ~リン、ちょっと先に。~アリクイ総裁と“あとで返します約束”~

🍃登場どうぶつ紹介とあらすじ

🍃第7話:「愛のチャ~リン収集~カモくんと、ちょっとだけまともな一日~

🌻解説:第8話「膨張する「約束の紙」― 禁忌となった財政ファイナンスと現代のジレンマ


🐝前話+第8話サマリー

とんま村では、昨日、どうぶつたちはチャ~リンを出し合い(税金)、みんなで橋を直しました。
それはとても立派な出来事でしたが、水路や畑道など、直す場所はまだたくさん残っています。
けれど、どうぶつたちのポッケには、もう出し合えるチャ~リン(お金)がほとんどありません。
でも、やることはまだ山ほどある、そんな時、アリクイは中央銀行の総裁として新しい仕組みを考えたのです。


①女神のナレーション

皆さんは、自分のものだけど、自分だけのものではないものを持ったことはあるでしょうか。
たとえば、まだ生まれていない誰かへの約束。
それはときどき、未来から少しだけ借りてくるという形になることがあります。
……どうやら、人間の世界でもときどき起こることのようです。


②オープニング実況(イグアナ)

(広場の岩の上、サングラス)

「……えー、毎度おなじみ、流浪の爬虫類、イグアナでございます。
昨日、とんま村ではみんなのチャ~リンを吸い集めて橋を直しました。
これこそ実に見事な立派な公共事業でした。
……ただですね。
橋は直りましたが、水路、畑、道、まだまだ直すところが山ほどあります。
そしてどうぶつたちは今、ポッケの中がほぼ空です。
……ええ。実に見事な“仕事はあるが、チャ~リン(お金)がない”という状況ですねぇ。」


③困るどうぶつたち

ライオン
「橋は直ったけどさ、水路まだ泥だらけだよ」

働きバチ
「畑も石だらけだよ」

シマウマ
「でももうチャ~リンないよ」

ライオン
「ぼくも自分が使うので精いっぱいだし…」

カモ
「どうしたものでしょうか…」


④ハシゴの上のアリクイ

その様子をハシゴの上からアリクイが眺めています。
下ではカモがネギ型掃除機を磨いています。

アリクイ
「カモくんさぁ、いまアルパカくんがチャ~リン貸してるでしょ?」

カモ
「はい」

アリクイ
「ほら、たとえばさ、ライオンくんが10チャ~リン借りたら、あとで11チャ~リン返す」

ライオン
「借チャ~リン(借金)ですね」

アリクイ
「そうそう。
まぁ、前は僕が、アリクイ・クイック銀行(民間銀行)を営んでいたからライオンくんに直接貸してたんだけどさ」

カモ
「はい」

アリクイ
「でも今さぁ、僕、アリクイ・ヘブン中央銀行の総裁じゃん?」
「だから、みんなに直接貸せないんだよねぇ」

カモ
「え?」

アリクイ
「中央銀行って、銀行の銀行だからさ」

(少し間)
アリクイ
「……もしかして、そこ分かってなかった?」

カモ
「……」

アリクイ
「まぁまぁ、そういうことそういうこと!!」

(指を立てる)

アリクイ
「でもさ、ライオンくんがチャ~リンをアルパカくん(民間銀行)から借りれるのなら村だって同じこと、できるんじゃない?」


⑤アリクイの提案

アリクイ
「ほら、村がさ、“あとで10億チャ~リン返します約束”って紙を書くでしょ。それを中央銀行の僕が預かる」

カモ
「はい」

アリクイ
「そしたらさぁ、ぼくが新しく10億チャ~リンを作り、村は10億チャ~リンをいろんなことに使える」

カモ
「なるほど」

アリクイ
「で、あとで返すときは11億チャ~リン。」

カモ
「1億多いですね」

アリクイ
「“あとで10億チャ~リン返します約束”の「利子」だよ。大事な約束だからねぇ」

(少し考える)

アリクイ
「あとさ、10億チャ~リン作るの、実はけっこうな手間で重労働なんだよねぇ。ほら、数字並べたり、ハンコ押したり。腰も痛くなるし、そのあとマッサージとかも行きたいじゃん?」

「だから、アリクイさんお疲れ様ってことで追加で1000万チャ~リンくらいもらっといても罰あたらないよね?」

カモ
「……」

アリクイ
「まぁまぁ。村も元気になるし、橋も直る、水路も直る、畑も元気。みんなハッピー」
(ニヤッ)
「いい仕組みじゃない?」
(少し身をかがめて)

アリクイ
「だけどさ、僕考えたんだけど、このせっかくの村を救うためのアイデアだから、カモくんの手柄ってことにしといてよ」

カモ
「え?」

アリクイ
「ほら、こういう話ってさ、誰が言うかって大事じゃん?カモくん、この前も率先して橋を直そうってみんなからチャ~リン集めてくれて(税金)、誰よりも村のこと考えてるでしょ。
そんなみんなのことを思うカモくんが言うからみんな聞くし価値があると思うんだ」

(ニヤッ)

「その方が村も安心する」
「……ね?」


⑥村の大発明

カモはネギ型掃除機を脇に置くと、広場で声を張りました。

「えー皆さん、ちょっと思ったんですけど…
村が“あとで10億チャ~リン返します約束”って紙を書いて、それを総裁に預ければ――いま10億チャ~リン使えるんじゃないでしょうか。」

広場が一瞬しんとなります。

そして――

ライオン
「天才!!」

働きバチ
「村すごい!!」

シマウマ
「未来のチャ~リンだ!!」


⑦イグアナ実況

「……えー、整理しますと、村は未来に10億返す約束をして、今日10億チャ~リン使えるようになりました。そして将来は11億返します。
さらに途中で、総裁のお疲れ様チャ~リンが1,000万ほど追加される予定です。」
(サングラスを直す)
……ええ。これまた、ずいぶんと知能犯ですねぇ。」


⑧夕方のアリクイ

夕方。
岩の陰でアリクイがプレミアム版のアリの素マヨネーズを舐めています(本日3本目)。

遠くではライオンたちが額に汗して水路工事をしています。

アリクイ
「いやぁ〜、村のためだよ」
もう一口。やっぱりプレミアム版は味の濃厚さとなめ心地が一味違います

アリクイ
「みんな働いてるし、村も元気になるし、ぼくも元気になる。」

(ぺろり)
「いい仕組みだよねぇ。」


……さて、この「未来のチャ~リン」は、本当に、本当に村を救う仕組みなのでしょうか。
それとも――。。。

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