義母に補聴器を作るまで:手帳取得と小さな忍耐。そのご褒美は、美味しいパスタでした
義母イノコはいわゆる老人性難聴だ。日常生活が不便なことと、難聴による認知症のリスクを避けるために、補聴器を新調することになった話は、以前書いた。
かかりつけの耳鼻咽喉科医に「これは4級相当ですね。自治体に補装具の補助を申請して、補聴器を購入したほうがいいですよ」と診断されたのが、昨年の11月。
ところが当時は、イノコがひとりで耳鼻咽喉科に通っていたため、私にそのことを “正しく伝言” できず、行き違いで時間をロスした。
事情が呑み込めたところで、役所から入手した「診断書・意見書」を先生に渡したのが、すでに12月上旬。
🩺「ちょっと立て込んでるので、診断書のお渡しは年明けになります」
えー! 先生、ちょっと仕事遅すぎない?
しかたがないので、診断書の作成を待つ間、イノコに手帳サイズの証明写真を撮るよう伝えた。
👱「わかったわ、自分で撮ってこれるわ」
というので任せたら、なんと2回もサイズを間違え、またまた時間をロス。うぅぅ、ついて行けばよかった……
やっとのことで役所に提出するも、今度は「申請が通ってお手元に手帳が届くまで、2か月ほどかかります」。
みんな、もっとちゃっちゃと仕事しようよー!
そんなこんなで、やっと届いた身体障害者手帳。
👩「オカーサン、手帳、やっと取れましたよ」
👱「ももんちゃん、すごいわね。どうやって取ったの?」
……脱力。今までの手続きが何のためだったか、わかってなかったの?
役所から送られてきた「補装具費支給申請」をまた医師に記入してもらい、補聴器センターの見積りとあわせてまた郵送。
お上から「税金で購入してもよし」とお許しが出たのが、やっと5月2週目……である。
こっちのせいもあるとはいえ、お役所仕事は時間がかかりすぎ。命にかかわるような話だったら、生きた心地もしないだろう。なんかモヤモヤする。
いろいろあったが先週、やっと購入するタイプを決定し、耳穴の型取りまでたどり着いた。耳穴に綿を詰め、注射器に入れた粘土を耳の中へちゅーっと挿入する。
🦉「イノコ様、粘土を入れたら5分ほど動かないでくださいね。頭もふっちゃいけませんよ」
といわれたイノコは、背筋を伸ばし、なぜか目まで見開いて、こけしのように固まっている。
ウケる。でもなんか、かわいい。
数分後、取り出されたイノコの耳型は、なんというか、緑色の……妖怪?
👱「なんか、変ね。これ、なに?」
それがオカーサンの耳の穴、ですよ。
昨日、出来上がった補聴器を取りに行った。
お店の人に説明を受け、どうにかこうにか耳にかけるが、なかなかうまくフィットしない。
🦉「イノコ様、耳を後ろや斜め上に引っ張り上げると、補聴器がきちんと収まりますよ」
👱「ほんとね、耳たぶを下に引っ張ったら入ったわ」
🦉「あ、いえ、耳たぶを下に引いちゃうと、耳穴がふさがってきちんと収まらないんです。ではなく、上の凹んだ部分を後ろか上に……」
👱「でも、下に引っ張るほうが楽なの」
……耳たぶを “上に引っ張る” ことすら、面倒くさいって🤣
👩「オカーサン、耳を引っ張るのが目的じゃないですからねー。正しく装着することが大事なんだから、面倒くさがらず “上” に引っ張ってください」
👱「面倒くさいわね」
つべこべ言わず、はい、引っ張って!
音量の調整や使い方の説明を受け、終了。
今まで聞こえていなかった小さな音まで拾えるようになり、イノコも嬉しそうだ。
👱「よかったわ。これで人と会う時も安心ね」
と、満足そう。時間も手間もかかったけれど、これでイノコの日常が少しでも快適になるなら、よしとしよう。
高齢者の「聞こえづらさ」は見えにくい分、放置されがち。でも、それが本人の世界を少しずつ狭め、やがて心まで閉ざしてしまうこともある。
……イノコの場合は、なぜか「私、耳が聞こえないの」という自慢ネタになっていたけれど🤣
ご機嫌なイノコとランチを取り、施設まで送り届けて任務完了。
👱「ももんちゃん、今日はご苦労様だったわね。ここは私がご馳走するわ」
と、最後までマウントを忘れない、いつものイノコだった。

💡ほっこり系マガジン【イノコと嫁と、時々誰か】もぜひどうぞ!
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