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【家族信託リアル体験記 その6】大事なのは繰り返しの話し合いと財産の把握、そして休眠口座をつぶすこと

■2021年5月1日(土曜日)~5月8日(土曜日)

義母イノコは「息子は独立して別世帯を築いているし、視覚障害もある。だから私の面倒は娘が看てくれるはず」と思っていたらしい。

「自分は家を処分したいけれど、もし娘まるきがここに一緒に住むというならあの子に残してやっても・・・」とも妄想していた。

しかし、くだんの娘は

😡「家はおいといて。でも私はお母さんの面倒は看ないからねっ」

と。

イノコは娘の思いもよらぬ言葉に大いに衝撃を受け、それからしばらく体調を崩してしまった。群馬の親戚から拒否されたことも重なり、自暴自棄にもなっていた。

気の毒だが仕方がない。すべての原因はイノコ本人にある。

それでもオットはそんな母親を捨てられない。
オットがやるなら、私もやるしかない。

第1回目の家族会議以降、何度も話し合いを続け、『イノコの面倒は息子(オット)が看る、イノコは施設に入る、家は売却する』ことを“再度”確認し合った。

イノコは自分に都合の悪いこと(だけ)は忘れたり、記憶を改ざんするクセがある。そんな彼女を相手にする場合、日々の会話ではなく「合議による決議」であることを認識させることが必要だ。

ひとつひとつ、根気強く。

心が折れそうになることは度々あるが、親の介護問題では、避けては通れない道だと思うしかない。

再確認し合ったところで、私は介護施設紹介サイトをチェックし始めた。ケアマネージャーである群馬の叔母に話を聞いたり、イノコが入りたがっていた施設のパンフレットを取り寄せたり。

もちろん家族信託についても引き続き情報を集めた。



■2021年5月9日(日)母の日

この日は母の日だった。

何を贈るか迷った末に、内陸で新鮮な魚に乏しい村生活だからと、ネットで本マグロを注文した。これで冷めた空気の漂う夕食も、少しは楽しいものになるだろう。

ところがそうはいかなかった。
イノコがいつものマウント癖から、余計な一言を発したからだ。

👱「あなた方が私の面倒を看たいというから、それを尊重して……」

いくら自分から頭を下げたくないからって、その言い方はないんじゃない?

もちろんオットは激怒りで、机に箸を叩きつけ、2階へ上がってしまった。イノコは自分の何が息子を怒らせたかわからず、オロオロするばかり。

私は両者を眺めながら、ただただ疲労感の海に沈んでいった。

もうこんな家、嫌だ。



■2021年5月10日(月曜日)~5月13日(木曜日)

私が家族信託について調べている間、オットはイノコのここ2年間の収支表を作成していた。企業の財務部門にいたオットは数字に強い。

ただ視力がだいぶ落ちていることと、その大元のデータ(通帳)が一度に揃わなかったために、想像以上に時間がかかった。

👱「私はなにも無駄遣いしていないし、やましいところはないわ」

資産の開示を了承したイノコだが、その前向きさは息子への協力ではなく、単に「言わなければバレない」という残念な思考からだったようだ。

しかし数字というのは正直である。
オットによると「いつ、いくら、出金(入金)したか、何に使ったかを丁寧に紐解いていくと、金の動きだけでなく、持ち主の人物像まで見えてくる」らしい。

👦「おふくろ、〇年〇月〇日にまとまった金額を下ろしてるんだけど、これはなに?」

👱「あぁ、それは定期にしたの」

👦「その定期の通帳はどこにあるの?」

👱「えーっと・・・たぶんもう解約したと思うの」

👦「そうか。じゃあその解約した金はどうしたんだ?」

👱「えーっと・・・あら、どうしたかしら?忘れちゃったわ」

👦「そうか。作業が進まないから、思い出すまでここに座ってて」

とぼけるイノコを逃さないオット。コワイ🤣

加えてイノコは、残高がゼロになったらその銀行口座は自動で閉鎖されると思っていたらしく、休眠口座がいくつも出てきた。
通帳で残高が確認できれば放置もできるが、記帳せずATMで下ろしたりしていると、その口座が生きているのかどうかすら分からない。

被相続人の死後に、残高不明の休眠口座が見つかった時のわずらわしさといったら!

残高がゼロかもしれないのに、わざわざ法定相続人全員の署名捺印を集め銀行に開示を求めなければならないし、残高があったらあったで場合によっては争族の火種になる。

義父が亡くなった時に自分も相続手続をしたはずなのに、なぜ次世代の負担を減らしておこうと思わないのだろう?不思議だ。

そんなこんなで1か月近くかかったが、やっとイノコの収支表が出来上がった。収入は月々20万の年金のみ、そして出費は40万。目を覆いたくなる惨状である。

👱「去年は下水道管の修理にいくらかかったから」
👱「玄関床のタイルが割れてしまって、その修理に〇万円も取られたの」

と言い訳するも、この結果には本人もかなり驚いたようで、苦手な数字が並ぶ収支表を穴が開くほど見つめていた。

ここにきてやっと、自分に家計管理能力がないことを理解したらしい。

👦「おふくろ、金の管理は俺がしてもいいか?」

👱「・・・はい。よろしくお願いします」

いやー、ほんと、手ごわかった。

この後、彼女の銀行口座はすべてネットバンキングに登録。ID、パスワードもすべてこちらが管理し、彼女のお金の流れをいつでも確認できるようにした。これ、本当に大事。

モラル的にどうかという話はさておき、やらないと困るのは結局家族。
やるかやらないかで、親の介護は天と地ほど変わる。



★イノコはとにかくマウント大好き。何度トラブルを起こしてもやめられない。

★家族信託リアル体験記のマガジンです。こちらもぜひどうぞ!

※このnoteでは、義母イノコと家族信託を締結するまでの道のりを綴っています。ここに書かれていることはすべて当時の話であり、現在と状況は異なる可能性があります。また家族信託を検討中の方は、私の体験談を参考程度にとどめ、必ず専門家にご相談ください。


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