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そのExcel作業、自動化すべき?ひとり総務が使っている「自動化する仕事・しない仕事」の判断基準

「毎月、同じExcelを開いて同じ集計をしている」

「複数の担当者から届いたファイルを、一つの表にコピペしている」

「提出されていない人を探して、毎回メールで催促している」

総務やバックオフィスの仕事をしていると、

「これ、自動化できないかな?」

と思う作業がたくさんあります。

最近は、GoogleスプレッドシートやGoogleフォーム、Google Apps Script(GAS)、生成AI、Make、n8nなどを使えば、以前よりかなり低いハードルで業務を仕組み化できるようになりました。

僕自身も、中小製造業で総務・管理業務に携わりながら、ChatGPTやClaude Codeに相談しつつ、GASを使った小さな社内アプリや業務自動化を作っています。

ただ、実際にいろいろ作ってみて強く感じることがあります。

それは、

「自動化できる仕事」と「自動化した方がいい仕事」は別物

ということです。

技術的には自動化できても、作る時間や管理する手間の方が大きければ意味がありません。

逆に、1回5分しかかからない仕事でも、毎日発生していたり、ミスしたときの影響が大きかったりすれば、自動化する価値があります。

僕が業務改善で一番大切だと思っているのは、

何を作るかより、何を作らないかを決めること。

この記事では、僕が総務業務を自動化するときに確認している基準を、実務目線でまとめます。


まず結論|この5つに当てはまる仕事は自動化を検討する

最初に結論です。

次の5つのうち、複数に当てはまる仕事は、自動化による効果が出やすいです。

  • 同じ作業を繰り返している

  • コピー&ペーストが多い

  • 期限や未対応者を目視で探している

  • 同じようなメールや通知を何度も送っている

  • 担当者しかやり方を知らない

逆に、

  • 年に数回しか発生しない

  • 毎回、人の判断が必要

  • そもそも業務ルールが決まっていない

  • 近いうちになくなる仕事

  • 止まると会社に大きな影響が出る重要業務

は、無理に小さな自動化へ置き換えない方がいい場合があります。

詳しく見ていきます。


自動化に向いている仕事

1.毎日・毎週・毎月、同じ作業をしている

一番分かりやすいのが、繰り返し作業です。

例えば、

  • 5人から届いたExcelを一つの集計表にコピーする

  • 毎月同じ形式の報告書を作る

  • Googleフォームの回答者へ受付メールを送る

  • 未提出者を一覧から探す

  • 毎朝、決まったデータを確認する

  • メールの添付ファイルを決まったフォルダへ保存する

といった仕事です。

1回10分なら、

「わざわざ自動化するほどではない」

と思うかもしれません。

でも、平日毎日発生すれば、1か月で約200分です。

年間ならかなりの時間になります。

しかも、単純作業ほど集中力を使わないように見えて、

「忘れないようにする」

「ミスしないように確認する」

という小さな負担が積み重なります。

自動化候補の考え方

僕はまず、

作業時間 × 発生回数

で考えます。

例えば、

10分 × 月20回
=月200分。

30分 × 月1回
=月30分。

この場合、前者の方が自動化による効果は大きくなります。


2.コピー&ペーストが多い

自動化と相性がいい仕事の代表が「転記」です。

例えば、

  • メールの内容をExcelへ入力する

  • 複数のExcelから同じ項目を集める

  • Googleフォームの回答を別の表へ転記する

  • 一覧表から帳票へ数字を移す

  • 社内申請の内容を管理表へコピーする

などです。

転記は単純ですが、

  • 行を間違える

  • ファイルを取り違える

  • 入力漏れが起きる

  • 数値を誤って書き換える

といったミスも起こりやすい仕事です。

元データをそのまま集計・通知・帳票作成へ使えるようにすれば、

時間だけではなく、転記ミスそのものを減らせます。


3.期限・未提出者・未対応者を目視で探している

Excelを開いて、毎回一人ずつ確認していないでしょうか。

例えば、

  • 書類の提出期限

  • 健康診断の受診状況

  • 契約更新日

  • 申請の承認状況

  • 回答期限

  • 未提出者

  • 未返信メール

などです。

こういった仕事は、

「情報を入力する」

よりも、

必要な人を探す

ことに時間がかかります。

例えば、

全社員50人の一覧を見る

期限を確認

未提出者を探す

メールアドレスを探す

催促する

という流れです。

ここを、

未提出者だけ自動表示

できれば、かなりラクになります。

さらに必要であれば、

期限3日前

自動リマインド

期限超過

管理者へ通知

というところまで仕組みにできます。


4.同じようなメールや通知を何度も送っている

総務は意外と「同じ文章を書く仕事」が多いです。

例えば、

  • 申請を受け付けました

  • 提出期限が近づいています

  • まだ提出されていません

  • 内容を確認してください

  • 承認されました

  • 修正をお願いします

など。

内容がほぼ決まっているなら、毎回ゼロからメールを作る必要はありません。

Googleフォーム+GASなら、

回答

受付メール

管理者通知

スプレッドシートへ記録

まで自動化できます。

ただし、何でも自動送信すればいいわけではありません。

クレーム対応や重要な取引先への連絡など、

人の判断が必要なメールは「下書きまで」

にした方が安全です。


5.担当者しか手順を知らない

これも見逃しやすいポイントです。

例えば、

「この月報は○○さんしか作れない」

「このExcelの関数は担当者しか分からない」

「休まれると処理が止まる」

という状態です。

こうした仕事は、単純に自動化するだけではなく、

手順を仕組みに落とす

価値があります。

ただし、いきなりGASを書くのではありません。

まず、

  1. 誰が入力するのか

  2. 何を入力するのか

  3. どこへ保存するのか

  4. 誰が確認するのか

  5. 何をもって完了なのか

を整理します。

ここが決まっていない状態でシステムを作ると、結局複雑になります。


逆に、自動化しない方がいい仕事

1.年に数回しか発生しない

例えば、

年に1回
10分で終了

する仕事。

これを自動化するために、

  • 要件整理

  • 開発

  • テスト

  • マニュアル作成

  • 権限設定

  • 保守

で数時間使うなら、意味がありません。

この場合は、

チェックリストやテンプレートを作るだけ

の方が効率的です。


2.毎回、人の判断が必要

例えば、

  • クレーム対応

  • 従業員との個別面談

  • 取引先との交渉

  • 例外が多い承認

  • 重要な文章の最終確認

などです。

AIを使って、

情報整理

返信案作成

選択肢提示

まではできます。

しかし、

最終判断まで完全自動化しない方がいい仕事

もあります。

自動化は0か100かではありません。

一部分だけAIに任せる方法もあります。


3.そもそも業務ルールが決まっていない

これはかなり重要です。

担当者によってやり方が違う。

例外処理が大量にある。

承認者が毎回違う。

完了の定義が曖昧。

この状態で自動化すると、

曖昧な業務を、そのまま複雑なシステムにする

だけになります。

先に仕事を整理します。

例えば、

申請

上司確認

総務確認

完了

のように業務フローを決めてから自動化します。


4.近いうちになくなる仕事

一時的なキャンペーン。

期間限定の調査。

近いうちに別システムへ移行する業務。

こうした仕事に大きな仕組みを作る必要はありません。

Googleフォームや簡単なスプレッドシートで十分なこともあります。


5.停止すると会社に大きな影響が出る仕事

例えば、

  • 給与計算

  • 会計

  • 決済

  • 生産管理

  • 基幹システム

など。

もちろん一部を効率化することはできます。

ただ、

「既存システムを全部GASに置き換える」

のような判断は慎重にした方がいいです。

重要な業務ほど、

  • 保守体制

  • バックアップ

  • 権限

  • 障害対応

  • 法令対応

まで考える必要があります。


自動化前に僕が確認している7つの質問

実際に自動化を検討するとき、僕は次の7つを見ます。

① 月に何回発生する?

毎日なのか。

毎週なのか。

月末だけなのか。

頻度が高いほど、自動化による効果は大きくなります。


② 1回何分かかる?

実際の入力時間だけではありません。

  • ファイルを探す

  • 人に確認する

  • 修正する

  • メールを書く

  • 入力漏れを確認する

時間も含めます。


③ 何人が関わっている?

自分一人だけなのか。

複数担当者なのか。

複数部署なのか。

関係者が増えるほど、

「入力形式が違う」

「誰がやったか分からない」

「提出されたか分からない」

という問題が起こりやすくなります。


④ ミスしたら何が起きる?

作業時間だけで判断しないことも大切です。

例えば、

5分で終わる確認作業でも、

忘れると法定期限を逃す

のであれば重要です。


⑤ ルールは決まっている?

誰が
いつ
何を
どこへ
どうする

が説明できるか。

説明できなければ、まず業務整理からです。


⑥ 自動化後に誰が管理する?

意外と重要です。

  • 担当者が変わったら?

  • Googleアカウントは?

  • トリガーは?

  • エラー時は?

  • データの所有者は?

作った人しか直せない仕組みは、長期的には困ります。


⑦ 自動化したあと、本当に作業が減る?

ここが最後の確認です。

新システムを作ったのに、

Excelにも入力

新システムにも入力

では意味がありません。

自動化後の業務フローを簡単に書いて、

本当に手順が減っているか

確認します。


自動化の優先順位は「時間」だけで決めない

僕は、次の4つを合わせて考えるのがおすすめだと思っています。

発生頻度

どれくらい繰り返すか。

作業時間

合計でどれくらい時間を使っているか。

ミスの影響

忘れたり間違えたりすると困るか。

自動化の難しさ

簡単に作れるか。

例えば、

月100分削減できて、30分で作れる仕組み

ならかなり有力です。

逆に、

年間30分しか削減できないのに、10時間かかる

なら後回しです。


自動化でよくある失敗

Excelと新システムを両方残す

かなり起こりやすいです。

新しい仕組みを作ったあと、

「念のためExcelにも入力してください」

となる。

これでは二重入力です。

試験運用期間を除き、

どちらを正式なデータとするか

決める必要があります。


入力項目を増やしすぎる

管理する側は、

「あれも欲しい」

「これも記録したい」

となりがちです。

しかし、入力する側から見ると負担になります。

入力が面倒になると、

口頭
メール
別Excel

へ逃げてしまいます。

最初は、

本当に必要な項目だけ

にした方が続きます。


例外まで全部システム化する

年に1回しか起きない例外のために複雑な処理を書くと、保守が大変になります。

例えば、

通常ケース95%
→ 自動処理

例外5%
→ 人が対応

でも十分です。


個人アカウントだけで動かす

GoogleスプレッドシートやGASでは、

  • 所有者

  • 実行ユーザー

  • トリガー

  • 権限

が重要です。

担当者が異動・退職したあとに止まらないように、最初から引き継ぎを考えます。


AIが書いたコードをそのまま使う

ChatGPTやClaude Codeを使えば、GAS自体はかなり作りやすくなりました。

ただし、

動いた=安全

ではありません。

僕自身、AIにコードを書いてもらうときは、

  • 権限

  • 個人情報

  • エラー処理

  • 二重登録

  • 公開範囲

  • ログ

  • データ削除

  • 引き継ぎ

などを確認しています。

関連記事:

「AIが書いたGASをそのまま社内公開しない|ひとり総務のコード監査チェックリスト25項目」


最初から大きなシステムを作らない

僕は基本的に、

一番面倒な1工程だけ

から自動化します。

例えば、月報なら、

入力

集計

未提出確認

催促

報告書作成

全部をいきなり作りません。

最初は、

「未提出者を自動表示する」

だけでもいい。

実際に使って問題がなければ、

リマインド

集計

帳票作成

と増やします。

その方が、

「作ったけど誰も使わなかった」

を防ぎやすくなります。


GAS・Make・n8n、どれを使えばいい?

自動化すると決めたあと、次に迷うのがツールです。

かなりざっくり分けると、

Googleスプレッドシートだけ

集計や一覧管理が中心なら、まずここ。

関数・条件付き書式だけで解決できる場合もあります。


GAS

Googleフォーム、スプレッドシート、Gmail、Driveなど、

Google Workspace内の自動化

と相性がいいです。

自社の業務に合わせて細かく作りたい場合にも向いています。


Make

複数サービスを、

視覚的な画面でつなぎたい場合に便利です。

ノーコード寄りなので、

「コードをなるべく書きたくない」

人にも候補になります。


n8n

複数サービス連携やAIを組み込んだ自動化を、より柔軟に作りたい場合の候補です。

ある程度仕組みに慣れてから触ると分かりやすいと思います。


今後、

「GAS・Make・n8nのどれを選ぶべきか」

についても、ひとり総務目線で実際に比較していきます。


実際に僕が作っている仕組み

このnoteでは、自動化の一般論だけではなく、

実際に作ったものも公開しています。

例えば、

社内の「聞いてない」を減らす

社員が重要なお知らせを確認したか分からない。

そんな問題から、GASで社内お知らせ確認システムを作りました。

関連記事:

「中小製造業のひとり総務が『聞いてない』を完全になくした話|GASだけで作る社内お知らせ確認システム【テンプレート付き】」


専門エンジニアなしで社内アプリを作る

僕は本職のエンジニアではありません。

それでも、Claude CodeなどのAIを使いながらGASの社内アプリを作っています。

関連記事:

「専任エンジニアがいない会社で、ひとり総務がGASとClaude Codeを使って社内アプリを作るまで」


提出されない・承認されないを仕組みで減らす

「また催促しないといけない」

という仕事も、催促の文章を工夫するだけでは根本解決にならないことがあります。

関連記事:

「何度リマインドしても提出されない。ひとり総務が『催促する人』を増やす前に見直したこと」

「申請を出したのに進まない会社へ|承認待ちを減らす『申請・承認フロー改善テンプレート』完全版」


自分の業務が自動化向きか分からない方へ

ここまで読んでも、

「自分の仕事が自動化できるのか分からない」

ということもあると思います。

そんなときは、今やっている作業を次の形で書いてみてください。

毎月末

5人からExcelがメールで届く

指定フォルダへ保存

1枚ずつ開く

合計値を集計表へコピー

未提出者へ連絡

報告書を作る

ここまで書ければ、

どこが自動化できるのか見えやすくなります。

例えばこのケースなら、

メール受信

添付保存

だけでも自動化できます。

または、

Excel集計

だけでもいい。

全部を一度に変える必要はありません。


自動化できるか相談したい方

僕はココナラで、

現在の作業内容を確認して、

  • 自動化できる部分

  • 手作業のままがよい部分

  • 先に整理した方がいい業務

  • おすすめする方法

  • 概算費用

を整理するサービスも出しています。

その事務作業をGASで自動化できるか診断します

「このExcel作業、何とかならないかな」

という段階でも大丈夫です。

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システム構築まで任せたい方

要件がまだ固まっていなくても、

現在の業務を聞きながら必要な機能を整理します。

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まとめ|自動化の目的は「システムを作ること」ではない

自動化に向いているのは、

  • 繰り返し作業

  • コピー&ペースト

  • 期限・未対応確認

  • 定型メール

  • 属人化している業務

です。

逆に、

  • 頻度が低い

  • 毎回判断が違う

  • ルールが決まっていない

  • 近いうちになくなる

  • 停止リスクが大きい

仕事は、無理に小さなシステムへ置き換えない方がいい場合があります。

そして何より大切なのは、

「自動化すること」自体を目的にしないこと。

目指したいのは、

手作業を減らす。

確認漏れを減らす。

同じことを何度も考えなくて済むようにする。

そして、人間にしかできない仕事へ時間を使えるようにすることです。

まずは今日、

「毎週・毎月、同じ手順でやっている仕事」

を一つだけ書き出してみてください。

そこが、業務改善の最初の候補です。


ユウタ|ひとり総務×AI業務改善

宮城の中小製造業で総務・管理業務に携わりながら、ChatGPT、Claude Code、Googleスプレッドシート、Googleフォーム、GASなどを使って、実際の業務改善に取り組んでいます。

高額な業務システムを入れるほどではない。

でも、Excelと手作業だけではしんどい。

そんな中小企業の仕事を、

専門部署がなくても運用できる、小さな仕組み

に変えていく過程を発信しています。

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