【世界はひとつの世界】第一章ウタリ編丨第17話丨イレンカの魔力

【これまで】
千年前に魔王を倒した8人の賢者の生まれ変わり、陽気な金髪ウタリと無口な黒髪イレンカが旅をしている。
地下6階のアンデッドフロア。無数のモンスターから逃げるようにボス部屋へ到着した。
ボスは二人にとって大したことはない相手だが、再生を続ける。
そしてザコもどんどん湧いてきた。
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『二人を頼む!』
イレンカにザコを任せ
ウタリは一気にボスの全身をめった打ちにする。

破片が地面に飛び散ると
ザコが群がりまた再生していく…。
『手応えがまるで無いな…再生を無力化してくれよ』
イレンカが二人を守りながら答える。
『…特性は無理だ』
再生するそばから破壊していくウタリだが
ボスも破壊されるそばから再生していく。
『何が違うんだ?これ…終わる気がしないぜ』
イレンカが隙を見て
アッサムのリュックを漁り
何やら取り出した。
それに力を込めると、炎が湧きだしてきた。

『おっ?お前そんなことできんのか』
ウタリが驚くのも無理はない。
炎はみるみる大きくなっていき
ボスの全体を飲み込むほどになった。
ついさっき食事を作るのに使った安物の魔法石だ。本来ならこんな巨大な炎は作れるはずがない。
イレンカが自身の魔力で相当に増幅させたようだ。
『おっし!いっけーぇ!』
ウタリがアッサムとキーモンを抱えて飛び上がる。
イレンカも飛び上がりボスに向かって
巨大な火の玉を叩きつける!

グガガ…ガガ…
炎は直撃したボスはもちろん、床一面にも広がり
うごめくくザコ諸共焼き尽くし…
焼け焦げた土の床に二人が着地した。
『なーんだよー。魔法使えんのかよー。
言ってくれよー』
ウタリに嬉しそうに肩をポンポンされ
イレンカはイラっとする。
『触るな。殺すぞ』
『こいつら起こさねーとなぁ』
ウタリがキーモンのリュックを漁り
水の入った瓶を取り出した。
フタをポンッと開け、
気絶している二人の顔に水をかける。
頬をペチペチ叩くと二人は意識を取り戻した。
『うっ…うーん……はうわぁっ!?』

目を覚ました瞬間のウタリの顔のドアップに
キーモンは勢いよくあとずさりして
辺りをキョロキョロ見渡す。
『ゾゾゾゾンビ!ゾンビはっ!?』
『終わったぜ?ほれ、次行こうぜ』
ウタリがクイッと親指を向けた先には、
ボスが出てきた穴が少し広がり
下への階段が顔を出していた。
『ううぅ~ん…この先我々がいても大丈夫ですかね…』
アッサムは申し訳なさそうに頭をかいていた。
『大丈夫だろ。知らんけど』
ウタリのテキトーな言葉に
アッサムもキーモンも苦笑いしかなかった。
7階への階段を下りていくと
途端に耐えがたいほどの暑さになってきた。
『ひーっ…ひーっ…。もうダメ溶ける…』
ガブガブ水を飲むキーモンはぐったりして
アッサムはげっそりしてきた。
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※今週は創作大賞〆切の都合上
更新を前倒しにしました。
