【世界はひとつの世界】第一章ウタリ編丨第18話丨ウタリの魔力

【これまで】
千年前に魔王を倒した8人の賢者の生まれ変わり
陽気な金髪ウタリと無口な黒髪イレンカが
旅をしている。
アンデッドフロアの地下6階を無事クリアし
地下7階へ向かうと途端に暑くなってきた。
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『暑さの正体はこれかぁ』
7階に到着したウタリの目の前には
溶岩の湖が広がっている。
奥の方で急に溶岩がゴポゴポ泡立ちはじめ…
そこから真っ赤な龍が昇ってきた!

ガアアアアッ!!!
炎龍の咆哮がフロアに響きわたる。
『ここはいきなりボスってわけか!
二人は階段戻って隠れてな!』
『はいいぃぃ!!』
慌てて階段を上る二人。
さっきまで飲んでいた水を持ってないことに
ハッとキーモンが気付く。
『こいつを素手で直は
さすがにダメージ受けそうだな…ん?』
ウタリの両手を薄い水の膜が覆っていく。
キーモンの飲みくさしを左手にかけていた
イレンカの両手も同じように覆われていった。
グッと両拳に力を入れ自身の闘気を流し込むと、
火耐性が少し上がる水のグローブが完成した。
『無いよりゃマシだな。サンキュ!』
炎龍は宙を翔けながら近づき、
二人を見つけると炎を吐き襲い掛かってきた。
ひらりとかわした二人は拳に力を入れ
足場を駆け上がると
それぞれ胴体に一撃を入れる。
ズガッ!ズガン!
『チッ!寸止めじゃ大して効かねぇな。
被ダメ(ダメージを受ける)覚悟か?』
二人は繰り返し寸止めのパンチで
衝撃波を炎龍に浴びせていく。
しかしあまり効いてはいないようだ。
『氷属性が欲しいな。積んで来れば良かったぜ』
攻めあぐねている二人をよそに、
炎龍は再び溶岩の中へ潜っていった。
『逃げた?』
すぐに再び現れると…

今度は口からドロドロの溶岩の塊を
連続で吐きつけてきた。
『うおっ。おいっ。おいっ。
こいつは気が抜けなくなったな』
ヒラリヒラリとかわす二人の顔色は
少し曇ってきた。
10発ほど溶岩弾を放つと
炎龍は補給するかのように
再び溶岩の中へ潜っていく。
『しゃーねーな…』
覚悟を決めたウタリが右拳に全力を籠める。
と、階段から顔を出したアッサムが大声で叫んだ。
『ウタリさん!頭部は残してください!』
『おぉっ?あいよ!』
再び昇ってきた炎龍の首元を
目にもとまらぬスピードで
ウタリの拳が右から左へと打ち抜く!

『ぐぅ…っ…』
ガアッ!!
吹き飛んだ頭部が岩場にドサッと落ちた。
近くに着地したウタリはうずくまって
黒くなった右腕を押さえ苦悶の表情をしている。
二人を抱えたイレンカが
ピョンピョンピョン
とウタリの元へ駆けつけた。

『大丈夫ですか!?』
心配そうにのぞき込むアッサムに答える声は
少し震えていた。
『大した事ない…とは言い難いな』
容体を見ようとしたアッサムが気付く。
『おや…?回復魔法ですか!?
レア能力じゃないですか!』
大やけどをした右腕を押さえている左腕からは
優しい緑色の光が放たれていた。
『本業じゃない…ちょっとした傷を治す程度だ…
気休めだな…』
『凄い凄い!
力の賢者の能力にヒーラーのサブ能力だなんて!
まさに万能戦士じゃないですか!
あ…ポーション飲みます?』
『え?あんの?』
『…………(店で何も聞いてなかったんだなこの人)』
超凄いポーションを1瓶グビグビっと飲み干すと
ウタリの全身が優しい緑色の光に包まれ…
右腕がみるみるうちに回復していった。
『ふーっ。助かったぜ』
その横でキーモンは
干からびる寸前でピクピクしていた。
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全話⇩
